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【読書メモ3】超・箇条書き
「超・箇条書き」を読んだのでメモしておく。
■箇条書きのメリット
読み手や聞き手の情報処理の負荷を減らす
情報処理が楽であり、送り手の伝えたいことがより正確に伝わる
速く、魅力的に伝えることができる
■『超・箇条書き』の「3つの技術的要素」
1.構造化:相手が全体像を一瞬で理解できるようにする
2.物語化:相手が関心をもって、最後まで読み切れるようにする
3.メッセージ化:相手の心に響かせ、行動を起こさせるようにする
■構造化
構造化とは、相手が全体像を一瞬で理解できるように整理(※)すること
※伝えたいことをグループ分け(グルーピング)
※似ているものを一つにまとめる
文章(箇条書き)の配置に意味を持たせる
レベル感を伝える
■構造化の手法1:「自動詞と他動詞」を使い分ける
自動詞:状態・現状を伝えるグループ
例)コップが落ちる / ペンがある / 私は驚いた
他動詞:行動・行為を伝えるグループ
例)私がコップを落とす / あなたがペンを置いた / 彼が私を驚かせた
■構造化の手法2:「直列と並列」で時間軸を整える
直列:文と文との間に時間が流れている
例)問題の発生 / 解決策の立案 / 結果
例)未来のビジョン / 中期の経営戦略 / 戦術
並列:文と文との間に時間が流れていない
例)問題点、解決策、結果のリスト
例)「〇箇条」などの法案や所信表明
【箇条書きの例】
3つの問題点が議論された<現在>
営業部の人数た足りていない
手ごわい競合商品があるため苦戦している
コールセンターでのお問い合わせ対応のトレーニングが間に合わない
2つの対応が決まった<未来>
営業部で期間限定のスタッフが増える
それ以外のことは営業部が経営会議に報告して、打ち手を仰ぐ
■構造化の手法3:「ガバニング」で引き出しをつくる
ガバニング=(直訳)統制する。頭出しのまとめ。「数」を宣言する
例)ポイントは3つ / 3つの問題点 /2つの改善策
箇条書きの最初の行で宣言するのが王道
■物語化
単に羅列化/構造化された箇条書きでは、人の関心を引けない
物語化の要件は、「フックをつくる」こと
相手の関心を踏まえ、相手がドキっとする仕掛けを箇条書きに入れる
■物語化の手法1:「イントロ」でつかむ
相手が期待していること/求めていることをイントロで伝える
相手が背景や経緯を理解していないときは、イントロに結論を持ってくるべきではない
■物語化の手法2:「MECE崩し」で山場をつくる
MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)=漏れなく、ダブりなく
相手に応じて、伝える情報を取捨選択する
重要な部分を絞って使うことも箇条書きでは大事
「相対的MECE(※)」を使いこなす
※相手の関心や置かれている状況など、相手のコンテキスト次第ではじめてMECEと定義できるもの
■物語化の手法3:「固有名詞」で具体的にイメージさせる
一般名詞:イメージしにくい
固有名詞:イメージしやすい
例)先輩社員に協力してもらう → 山田さんに協力してもらう
■メッセージ化
メッセージ化の要件は、「スタンスをとる」こと
伝えたいことに対して、「自分の立ち位置」を明確にすること
例)A案なのか、B案なのか / 賛成なのか、反対なのか
■メッセージ化の手法1:「隠れ重言」を排除する
重言=「頭痛が痛い」や「顔を洗顔する」などは、意味が重複している表現
当たり前のことをもっともらしく言うことも重言
例)サッカー:日本はゴールがほしいですね
例)野球:そろそろ得点がほしいイニングですね
例)ラグビー:強いタックルが必要ですね
例)会社:売上を改善する / コスト構造を最適化する
■メッセージ化の手法2:「否定」で退路を断つ
「何を否定しているかを明示」することで、自分の立ち位置をはっきりさせる
例)生産性を上げる → 長時間労働に走るのではなく、生産性を上げる
例)衝突をいとわない → 無駄な道を選ぶのではなく、衝突をいとわない
ソフトな否定(AよりもB)
もともとの出発点を入れると、比較による否定のニュアンスがでる
例)当面は売上を追求する → 当面は利益よりも、売上を追求する
■メッセージ化の手法3:形容詞や副詞は「数字」に置き換える
大きさなどの「程度を表す」部分は、特に数字を使うべき
例)大きな利益を出した → 250万円の利益を出した
例)数多くの新商品をつくります → 3年で5つ以上の新商品をつくります
■超・箇条書きの技術のまとめ
構造化:レベル感を伝える
自動詞と他動詞
直列と並列
ガバニング
物語化:フックをつくる
イントロ
MECE崩し
固有名詞
メッセージ化:スタンスをとる
隠れ重言排除
否定
数字
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■コメント
本書を読んで、普段、自分が仕事で使用している箇条書きのクオリティが低いことがわかった。ただ、本書に書いてあることを実践できている・意識できている方は少ないのではないだろうか。それほど技術的な内容が濃いと感じた。
箇条書きに関する内容を体系的に学べるのはもちろんのこと、文章力の側面でも学びがあると感じた。箇条書きの技術を習得したい方だけでなく、文章力を上げたいと考えている方にも、おすすめできる本だ。
単に説明するだけでなく、例がとても多く書かれており、理解しやすい内容であった。また、ページ数・文字数もそれほど多く感じず、割と短時間で読破できるボリュームであった。そのため、「箇条書き」について手軽に学びたい方は、一読の価値があると思われる。
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