見出し画像

Lola marsh / Somebody Tomorrow Maybe

今年、けっこう聞いたアルバムです。心地よいので流しやすいんですよね。イスラエルの男女デュオ、Lola Marshのセカンドアルバム。以前記事でも取り上げたので詳しい情報はこちら。

ファーストのインディポップ感からだいぶ60年代、70年代ロックへの接近が見られます。心地よい佳曲がいくつかあり好きな空気感ですが、アルバムという単位だと名盤まではあと一歩。雰囲気は良いのですが、一曲一曲見ていくと佳曲とそうでもない曲が混ざっています。とはいえ作曲能力は明らかに向上しバラエティも増えているので次の作品・曲が楽しみです。

今日は前取り上げたのとは別の曲を。スマホで聴きながら読みたい方はこちら(noteに戻ってくればYouTubeでバックグラウンド再生されます)。

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Echoes
ハンドクラップとエレキサウンド
ビンテージで70年代ソフトロック的なサウンド
浮遊するメロディ、美しい
けだるいボーカルだが熱量はある
リズムが面白い、ズンタタ、ズンタタ
ダサいんだかオシャレなんだか
スパイ映画のテーマのようでもある
★★★★☆

2.Only For A Moment
舌足らずなボーカル
アーシーなリズム、どこか砂の薫り
少し節回しに中東的な感じがする
しつこくないが細かいビブラート
唐突に終曲
★★★★

3.Hold On
節回しが独特
コード進行やメロディはオーソドックス
このサウンドの感じはジェファーソンエアプレインあたりか
あまりサイケ感は強くはないが
弦楽器隊が入ってきて優美な音世界に
★★★☆

4.Strangers On The Subway
アコギに囁くような歌
USのインディーロックよりはメロディが溌剌としている
UKのネオフォーク、ベルセバあたりほど幽玄でもない
適度にポップなメロディだが、質感がロック
ルーツを感じるからだろうか
小曲
★★★★

5.Like In The Movies
流れるようなメロディ
泳ぐようなボーカル
ヴァーヴを思い出した
そうか、あの辺りのUKロックに近いメロディセンスなのかも知れない
オアシス、ストーンローゼス、ヴァーヴ
つまりビートルズ直系か
★★★★

6.In Your Eyes
囁くような歌声とアコギ
少し引っかかりのあるリズム
アンビエント感の強いキーボードが入ってくる
メロディはビートルズとも違うなぁ
ドアーズだろうか、何かに近いのだけれど
オアシスはそうかもだが
サイケっぽくないのは音作りより、きちんとメロディが展開し、完結するからかもしれない
★★★★

7.Give Me Some Time
どっしりしたリズムとボーカル
かすれ気味のビブラート
ちょっとレディガガ感もあるな
ああ、感じていたのはレディガガ感かも
彼女もロック的なエッセンスのあるメロディを書く
歌い方はもっとエキゾチック、イスラエルらしい中東感はあるが
★★★★

8.What Am I
アコギのスリーフィンガーに男女混声ボーカル
アルバム全体の手触りがかなりアコースティックでアーシー
好みの音作り
途中ブレイクを挟み、曲が続く
焚き火を囲んで曲を聴いているかのよう
★★★★

9.Darkest Hour
タイトルと違い爽やかな、夜明けを感じさせる始まり
夜明け前が1番暗い、ということか
70年代テイストが爆裂する曲
広田美枝子の人形の家を思い出した
歌い上げるフレンチポップス、シャンソン
盛り上げまくる時代がかった大バラード
★★★☆

10.Four Long Season
呟くようなフォーキーな曲
ボーカルの掠れた節回しが堪能できる
静かな、後日譚のような音像
孤独か和解か、追憶か後悔か
過ぎ去ったものへの歌に聴こえる
丸みを帯びた猫のような声
丸まって眠りに就く
夢見るようなコーラス
★★★★

11.In The Morning
朝、目覚めか
何かを送り出すような
諦めること、別れを経た強さ、決意だろうか
インタールード
★★☆

12.Where Are You Tonight
1曲目、echoesのリプライズ
過ぎた日の追憶か、埋葬か、昇華か
セピア色、過ぎ去った日
★★☆

全体評価
★★★★☆
メロディが美しく聞き飽きない
次々と違うメロディが出てくるが世界観は保たれている
何度も聴きたい良盤
音作りも歌い方も過剰にエモーショナルではなく、どこか突き放している
それでいて適度なポップさと人懐っこさが、あり聴きやすい
作曲能力が開花している

リスニング環境
昼、公園、イヤホン

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?