Haken / Virus
新世代UKプログレメタルの旗手との声もあるHakenの2020年リリースのアルバム。バンド名は知っていましたがきちんと聞くのは初めて。素晴らしい出来でした。今のUKロックシーンの空気感もありつつ卓越した演奏力と作編曲能力で度肝を抜かれました。独自性を切り開きシーンの最先端を走るアルバムだと思います。
2020年リリース
★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補
1.Prosthetic
ギターのみのザクザクした刻みリフからユニゾンで怒涛の刻みへ
そのままめまぐるしく変拍子でリフが展開していく
グルーヴ重視ながら重爆撃のようなドラム
カリンバ的なシンセ音と共にうめくようなボーカルパートへ
アルペジオ的な空間音が続き
メロディアスなコーラスへ、心地よい
最初のユニゾンの刻みに戻り、ところどこの隙間に差し込まれるコーラス
ドラムはかなりかっちりしている、オンタイム
ギター、ベースはしなやか
間奏部を経て再びコーラスへ
そこからやや雰囲気の違うメロディーでソロが切り込み、無調のスキャットへ
さらに展開、刻みリフながら別展開
再びメロディアスなコーラス
ドラムがうまい、コーラスの後ろでリズムが変わる
最初のユニゾンの刻みに戻り、ところどこの隙間に差し込まれるコーラス
再びグルーブパート、ヘドバンに適したリズム
ドラムが半拍子ずらして展開
終わり
★★★★
2.Invasion
不穏な低音からアカペラ的なボーカルへ
反復するメロディにコーラスが乗り、電子音とドラムが入ってくる
リズムはトライバルな感じ
歌い上げるコーラス、だが、リズムとのユニゾンで切り刻まれている
最初のパートに戻るが、リズムが断続し、リズムに合わせて細かく全楽器隊が刻む
安定したリズムへ、少しかすれたような弦楽器の音が
コーラスへ、リズムが少しなめらかに
変拍子ありのやや長めのフレーズだが、断ち切る感じはない
間奏部へ、ジャムっているような、弦楽器隊とドラム、キーボードの絡み
リズムが変拍子で、それに合わせて全楽器隊がうねる
その流れのまま最初のパートへ、違う空気感のテンポや音色だが同じメロディが繰り返される
Rushも同じパートを組み合わせで表情を変えながら曲構成していったが、
同様の同モチーフのリフレインの展開を、もっとアグレッション強めに展開している感じ
急に落ち着いたアルペジオにメロディアスなパート
曲の表情が変わり続ける
ドリームシアター的なクリアでブライトな刻みで再びコーラス
同じメロディだが繰り返されるたびに表情が違う
リフ+ドラム
★★★★
3.Carousel
キレイな歌いだし、前2曲と違う空気感
クリーンギターの弾き語りのような始まり方
そのままクリーントーンでのタッピング奏法的な、音の上下が激しいパートへ
だんだんギターのゆがみが増してきて、ベースとドラムが切り込んでくる
スペーシーなキーボード、遠くから響いてくるドラム
キレイ目なクリーントーンのギターとボーカル
再びヘヴィなパートへ、ギタートーンはブライトだがフランジャー強め
ボーカルがスクリームっぽくなって再登場、同じコード進行だがだいぶ上のボーカルメロディーを取っている
歌い上げるコーラスへ、ハーモニーも入る
展開して間奏部、うねるベースが入り、ギターとドラムがリズムで踊る
音が抜けてギターアルペジオとシンセ音のみ、LとRのチャンネルで会話する
真ん中にギターソロが入ってくるが弾ききらず静かに保ち
再び音圧が増してボーカルへ
すぐにバッキングは静かになり静謐な雰囲気のボーカルパートへ
ヘヴィなギターが戻ってきて、少しコードをずらしていく
ボーカルメロディが曲を保ちつつギターは不協和音的な音を混ぜて不穏さを出す
間奏へ、ギターソロ、キーボードソロへ
急激な刻みパートへ、スラッシーな雰囲気
メロディアスなパートへ、コードもメロディもかみ合う
アルペジオが入りコーラスで盛り上がった後
静謐なパートへ、ベースが顔を出す、存在感強めでリズムを刻む
合わせてバスドラもやや不規則に
ボーカルが戻ってくる
沸き立つ泡のようなギター、ライトハンド・タッピングによる激しい音展開
突然展開するリズム
刻みパートとやや走るパートの繰り返し
沸き立ち、立ち上がるようなギターソロ
ハイトーンボーカルが切り込み、コーラスパートへ
全楽器隊が一丸となり気持ちよくかみ合う
ギターリフに対してベースとドラムが対位し、曲のコーダへ
10分以上もある曲、展開が目まぐるしいので長さは感じさせないが
やや一つ一つのパーツは長めか
★★★☆
4.The Strain
くぐもったようなボーカルから、メロディアス
クリアなボーカル、引っ掛かりのあるギター、うねるベース、ややランダムなリズム
コーラスが入ると安定した疾走に、ベース・ドラムがかっちり
間奏はその流れのままギターの奔流
刻んで開くリズムに、機械的
ドラムは工業機械のように複雑なリズムを切り替えていく
メロディアスなボーカルが乗る
リズムが変わっていくのが面白い
静謐なパートへ
そこから疾走コーラスへ、この疾走感もリズムは機械のように正確
展開しギターパートへ
今までの中では展開が穏やか目の曲
メロディーがキレイ
★★★☆
5.Canary Yellow
やや静かな雰囲気でメロディアスなボーカル、歌い方は穏やかな始まり方
空間を埋めるアルペジオ
リズムは基本はキープ
壮大なコーラスへ、ファルセットを使い、今までにない雰囲気
耽美系のメロディ、全体として不協和音やゆがみも少な目で音色も美しさ重視
アルペジオとメロディの間奏部、シガーロスあたりの雰囲気
そこから音圧を増したパートへ、クリーンなボーカルに
クワイア感のある歌声が後ろに鳴り響く、ドラムが単調にならないのが良い
★★★☆
6.Messaiah Complex1
メロコア的なギターの刻みから
すぐに他の楽器も入ってユニゾンのリフへ
マシンガンビートの刻みにドラムも追従
不協和音気味のボーカルパートへ
つかみどころのないメロディーをかっちりしたベースとドラムが支える
ベースのコード展開は落ち着いている
バンドが入ってきてコーラスに展開していく
アルペジオのループがメロディーをバックで奏でる
切り替わり、ギターリフに戻る
コーラスからリフに戻るときが気持ち良い
今度はリフの刻み感を残したまま再びボーカルパートへ、同じヴァースだと思うが雰囲気が違う
じわじわ組み立てるブリッジからコーラスへ
コーラスは開放感、コードかき鳴らし系
ベースのうねりが出てくる
コーラスが繰り返されドラムとベースが細かいビートを刻む、ギターはコードを慣らしたまま
リフパートだが、今度は終始マシンガンビート、かなり細かい刻みと全楽器ユニゾン
そのままヴァース、歌が入ってくる、高音でキーボードで音を差し込む
7.Messaiah Complex2
間髪入れずに次の曲へ、音の雰囲気が変わる
リズムは細かい刻み、ギターリフにドラムベースもユニゾン、疾走感と言えばそうか
ボーカルが入ってきて、キーボードはアルペジエイター
再び機械の神が出てきて、リズムが分散する
コーラスパート、リズムに合わせてボーカルパターンも変化していく
メロディアスなコーラス、メロディーの魅力度も高い
コーラスとボーカルが相対して繰り返されるが何かと対話しているのだろうか
8.Messaiah Complex3
コーラスとベースのユニゾンに、ボーカルが対峙する
リズムがゆらめく
フィルインから疾走パートへ
あらゆる楽器隊が単独で次々に音階をなぞり、全パート一丸となってユニゾンパートへ
そのままボーカルイン、スリリング
ボーカルのリズムも緩急が強い
間奏へ、さらに疾走&ストップが急になっていく
高度で巨大な機械が動いているかのよう
9.Messaiah Complex4
ロボット的な不可思議な音色(キーボードか)が全面に出てきて
急にいなくなりボーカルが重なり合う多重コーラスパートへ
再び間奏、噴き出すような演奏、音色はトランペットだろうか、吹き狂う風のような管楽器の音色が入る
再び多重ボーカルパートへ
一瞬の高速ブラストからゲーム音楽のようなピコピコ音を挟み、高速ブラストへ
そこから分散ビート、楽器隊が暴れる中に一瞬ピコピコ音
10.Messaiah Complex5
ひきずるようなヘヴィなリフだが、遅さはない
前のパートに比べれば遅いが展開ははやい
そのパートに合わせてボーカルが入ってくる、呼応するようなコーラス
ボーカルパートをギターがなぞる
何らかの王と歌っている、たたえているのか畏怖しているのか立ち向かうのか
ギターソロ、同じ展開でコード進行が落ち着き
メロディアスなボーカルが入ってくる
たたえるようなコーラス
そこから美しい、エジプトを感じさせるような、砂漠の水の流れのような美しい音色のパートへ
アコースティック楽器のコードに、キーボード
音圧が増してコーラス、どこかオリエンタルさもある不思議なコーラス
無国籍といえばそうか
そのコーラスを載せてリズムパターンが変化していく、大団円が近いのだろうか
ヘヴィなリフに戻る
カカッココッという不思議な音が耳に残る、パーカッションか
曲が終わる
すごい大曲だ
組曲全体の評価
★★★★★
11.Only Stars
がらっと雰囲気が変わりボーカルのアカペラのような歌いだし
やや不穏なララバイ、あるいはバラード
ゆったりと流れるバック
砂漠のバラードのようにも感じられる
コーラスのあたりからやや機械的な音、機械が蠢く音が出てくる
空間的な音響、ヘッドホンで聞いていると舞台展開を感じる
アウトロ的な曲か
★★★☆
全体評価
★★★★★
組曲「Messaiah Complex」が凄い
アルバム全体としても3,4,5がやや各パートが長めで緊張感に欠ける気もしたが
後半の盛り上がりを考えるとこれぐらいが良い気がする、ずっと緊張している疲労するし、決して悪い曲ではない
6~10の怒涛の展開を聴いた後だとこれぐらいが良い
1曲目、2曲目は緊張感もあって単曲としても素晴らしい
リスニング環境
朝・家・ヘッドホン
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