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Nonexist / Like The Fealess Hunter

スウェーデンで2000年に結成されたノンエクジスト、もともとサイドプロジェクトで、結成当時のメインメンバーは現ダーク・トランキュリティのヨハン・レインホルツです。一度活動停止するものの2012年に再始動し、2020年作の本作は4作目。ベテランぞろいということもあって流石の演奏、編曲、作曲力です。前情報なしで聴いたら、北欧的なメロディだけれど音がカラッとしているからもしかしたらUSのバンドなのかと錯覚。この辺りがこのバンドの個性かもしれません。

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Strictly Sadistic Intent
テクニカルなリフからブラストビート
ギターはところどころツインリードを絡めながら疾走する
ボーカルはデスというよりグロール、比較的言葉は聞こえる
コーラス、ではギターがメロディを奏でるがいわゆるメロデスとはちょっと質感が違う
ちょっとブルージーというか空間音のような感じのメロディ
間奏でブラストが入り、再びヴァースへ
メロディによる煽情力と言うより、疾走、暴虐性が高い
Carcass的か
再びコーラスへ、メロディがそれほど分かりやすくない、ちょっと埋もれている感じ
ボーカルのフレーズ、Sadiscitcが耳に残る
疾走して終曲
★★★★

2.Together We Shall Burn
猛烈なブラストビートからスタート、メロディアスなリフが入ってくる
また疾走、ザクザクするギター、アブストラクトなメロディが入ってくる
Morbid AngelやDeathあたりを連想させる、テクニカルで、抒情的ではないメロディ
コーラスではギターがメロディを奏でるがカラッとしている
アメリカ的、アメリカのバンドだろうか
北欧ではない気がする(と思ったらスウェーデンだった、なるほど。。。)
コーラス、ブラストが激烈に打ち鳴らされる
ヘヴィでスローなパートへ、ドリルのようにギターリフがえぐってくる
抉るリフのままギターソロへ、ブルージーというか、わかりやすいメロディに落ち着かないソロ
カークハメット的、ともいえるかも
激烈なブラストにアジテーションのような言葉が乗り、再びコーラスへ
★★★☆

3.Dark Satanic Mills
疾走、ツービート、バタバタしたドラム
手数が多くタム回しも心地よい
ギターがややハードコアルールだが、テクニカルにきっちりリフを奏でる
これはフレッシュ
ドラム、ベース、ボーカルで疾走し、ギターが入ってくる
一部スラッシュ的なスクリームから間奏へ
間奏ではミドルテンポでメロディアスなギターリフ、雰囲気が変わる
再びボーカルと共に疾走パートへ
レベルが高い
★★★★

4.Emerging from a World Below
トレモロによる単音リフからミドルでヘヴィなリズムへ
強めのグロールが乗る
音は激しいが比較的音は開放的で聞きやすい
クリアトーンのメロディのあるボーカルパートが入る
メロディが控えめだがしっかりと展開していく
疾走パートへ、ギターフレーズや音色から煌めきを感じる
音が弾く間奏を挟み、激烈なブラストビートパートに切り替わる
リズムの切り替え、跳ねるリズムに変わる
これは出会う人は出会う、その人にとっての大切な名盤かも
昔Mary Beats Janeというアルバムが妙に好きだったが、同じ香りを感じる
いきなりかなりメロディアスなギターソロが入る
手数が多くなめらか、ギターがかなりうまい
ドラムもうまい、手数多めの緩急つけたブラスト~他のリズム
再びコーラス、後半は高速ツーバス
★★★★☆

5.Litany of Poison
かなり疾走系、これもハードコアの影響を感じる
ボーカルがアジテーション型、吐き捨て型に
ギターはテクニカルデスの語法を感じる
高速でさまざまな要素がどんどん出てくる、カオス一歩手前で踏みとどまっている
これだけの要素とスピードながら、どこか整理された洗練を感じる
この曲は今まででは一番カオティック
間奏を経て再びブラストパートへ、トレモロでギターが暴れる
暴虐性が強い
★★★☆

6.Fear Corrodes the Soul
ヘヴィなリフからドゥームなリズム、メロディアスなギターからスタート
リフの上でギターソロが冒頭から始まる
ツーバスに切り替わり、曲が動き出す
小走りぐらいの疾走感
リフはメロディアス、やや北欧メロデス的なコード展開していくメロディアスな感じが出てくる
そのまま再びギターソロへ、これはインスト曲だろうか
コードがかなり展開していきメロディアス、ギターはそれほど印象的なフレーズを奏でないで引っ張る
うねり、ドライブ感の方が強い
楽器隊が一丸となって熱を帯びていく
フェードアウト
★★★

7.A Meditation upon Death
スラッシーなツービートでの疾走パートからスタート
ボーカルは吐き捨て型、アジテーション型
高速ハードコア、オールドスクールな感じがある
ブリッジでは北欧メロデス的なギターリフ、完璧にそっち系
ベース音、高音で反復音、展開したルートのベース音、反復音、という繰り返し
再びブラストパートへ
アジる感じが心地よい
疾走パートはカオス一歩手前ながら、整理されたパートはかなり美しい、このギャップが魅力か
テクニカルな展開を経て再びメロディックなギターリフのパートへ、テンポもチェンジする
けっこう強引な展開だが繋ぎはそれほど違和感なく、緩急として聞ける
一度上がりきってブレイク、無音を挟んでギターソロへ
ベタっとしすぎず、カラッとしながらもきちんとメロディパートもある
ところどころに出てくるハードロック的というか、マイケルシェンカー的なパートのカッコよさが映える
一歩間違えば混沌の疾走パートとの美醜の対比が効いている
★★★★☆

8.Bloody Carnal Sorcery
メロディアスで無調のイントロから疾走するボーカルパートへ
ブリッジでは金切り声でシャウト
一瞬タム回しでブレイクを挟んでコーラスへ
単音トレモロでメロディをギターが訴求
次は高速パートでスラッシーなボーカルが入る
ブラスト、かなり整理されて機械的
コーラスの後ろではトレモロでメロディ、極端に煽情的ではない
ブラストでギターソロ
ギターは弾きまくりドラムは叩きまくる間奏
音がさっと弾いてアルペジオ的なギターの反復フレーズだけが鳴り響く
そのまま終曲
★★★★

9.Dead Black Embrace
前置きなしでいきなり疾走、途中からメロディアスなギターリフが入る
展開して刻みリフが続き、吐き捨てボーカルが入ってくる
スラッシーな印象
ブリッジではグロールが強くなる
コーラスの後ろでは乱舞するギターメロディ
短い間奏を挟み再びのコーラスでは乱舞度合いが増している
スラッシーなヴァースへ、ギターフレーズは音程の上下移動が激しくまさに乱舞
間奏、長めのギターソロ、リズムが切り替わりギターソロが続く
ブラストビートに乗せてカークハメット的ワウギター
コーラスへ、トレモロでギターが弾きまくられている
ボーカルが前面に出てきて曲が展開
アコギのアルペジオで終了
★★★☆

10.Scent
機械的な質感、金属を打ち付ける質感の強いヘヴィなギターリフと疾走リズム
グロール色つよめのボーカルが乗る
間奏ではギターがメロディを奏でるが極端なメロディアスさはない
あくまでもバッキング
テンポチェンジするがテンションは落ちず
ミドルテンポでリズムパターンの細かい切り替えをしながら曲が展開していく
テクニカルデスに分類されるだろうか
ブラストに乗ってボーカルの語り
★★★☆

11.Cancerous Disembodiment
グロールとブラストからスタート、前の曲と質感が近い
もうちょっとギターは荒れ狂っているか
サビになるとトレモロギター
バタバタした疾走感は強い
間奏はヘヴィなリズムへ、大きくヘドバンするリズム、モッシュが起きそう
そのままボーカルが乗ってくる
ボーカルが終わり、音圧が高まっていくが急に抜けてドラムとベースに、ギターソロのみ
少し風通しがよくなってきたところにリフが戻ってくる
ツービードのバタバタしたドラムでボーカルイン
そこからブラストビートへ
ボーカルはエフェクトの聴いた声とハーモニー
★★★☆

12.Reduced to Ash
ザクザクしたギターとヘヴィなドラム、グロウル
スクリームと合わせたようなギターソロ
ボーカルパートでツービートの疾走に
声が飛び回る、左側と中央に2トラックボーカルが入っているようだ
コーラス終わりからヘヴィなリズムに戻る
再び疾走に戻りボーカルイン
リズムの緩急、音圧の緩急が上手い、かなり手を抜かずずっと曲の中で繰り返される
Lamb of Godと比べても手の込みようは聞き劣らない
力が入った曲
★★★☆

総合評価
★★★★
どの曲もテンションが高く、編曲も手が抜いていない
緊迫感が維持されるが、後半になるとパターンが似てきているように感じて集中力がやや尽きてしまう
ただ、リスナー側のその時のチャンネル、求めている音像にもよるだろう
前半の方が驚きがあり、後半は耳が慣れてくるのはあるが、こういうジャンルではかなり完成度が高いと思う
ボーカルがけっこうサラッとしていてハードコア的なカッコよさがあるのも好印象
ギターフレーズがマイナースケールのコード展開に頼った煽情性がなく、全体的にはもっとカラッとしているのも印象的
その分ブルータルな印象が強いが、プロダクションが良好で音が整理されているので聴きやすい

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