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Avatar / Hunter Gatherer

Avatorは2001年結成、2005年デビューのスウェーデン、イェーテボリのバンドです。初期はメロデスだったようですが今作ではメロデス要素も残しつつもっとアメリカナイズされたメタアルコア的な要素も取り入れて音楽性を拡張しています。スウェーデンで活躍するバンドらしい「グロバルなメタルシーンの潮流」とシンクロし、進化しつつある作品。メロディが直線的であまり個人的嗜好と合いませんでしたが、いろいろなパートの組み合わせ方が面白く、いくつかのメディアでは年間ベストに選出されていたことが納得できる出来でした。

スマホで聴きながら読みたい方はこちら(noteに戻ってくればYouTubeでバックグラウンド再生されます)。

2020リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Silence In The Age Of Apes 4:21
沈み込むような音からロックンロールなリフ、スラッシュ、ツービート
サーカス的なスタート、どこかピエロが浮かぶコミカルな邪悪さ
ボーカルはモダンなスクリーム
リズムが変わりアジテーション的なコーラス
あまり考えず気持ちよく乗るタイプの音楽
ギターはジェント的というか機械的、かなり高速なスィープフレーズをツインリードでかき鳴らす
終始ハイテンション、途中でヘヴィテンポに変わりそうなところをツービートで疾走していくのは特徴的かも
最後、再び沈み込むような音に
★★★☆

2.Colossus 4:02
電子音、ややインダストリアルなオープニング
ミドルテンポでヘヴィなリフに変わる、けっこうどっしりとしたリズム、ヘヴィ期のアクセプトのような
芝居がかったボーカルが入ってくる
クリーントーンでメロディを歌う、ギターがやや不協和音、少しずれている
スリップノットのVoがゲスト参加しているが、確かにスリップノットからの影響も感じる
ただ。あそこまでリズムが激烈ではない、もうちょっと軽やかというか
ツインリードが入ってきた、ギターはかなりメロディアス、この辺りは北欧感
★★★☆

3.A Secret Door 6:07
口笛からスタート、スコーピオンズのウィンドオブチェンジのような
ギターリフが入ってくる、モダンな音
リフから再び口笛へ、展開が読めない、確かにプログレ的なところもある
ボーカルはクリーントーンでメロディアス
突然スクリームで疾走パートへ、からのメロディアスなパート、移り変わりが極端
けっこう哀愁のあるメロディ、ボーカルの声質はやや爬虫類系
スクリームに変わるところが面白い
★★★★

4.God Of Sick Dreams 3:57
電子音、ドリルのようなリフ
掘り下げていく、突進していく
少し歪みが出てくる、音ではなく音程に
スクリームからのクリーンボーカル、ややバイキングっぽいメロディ
リフは目まぐるしく展開する、ただ、プログレメタルというよりはモダンヘヴィネスの語法
さまざまなパートが出てくる
途中、北欧メロデスっぽいパートが出てくる
そこからのメロディアスなパートへ
★★★☆

5.Scream Until You Wake 4:10
ドラムがリズムを打ち鳴らし、リフが入ってくる
けっこうコードが展開する、煽情的なリフ、リフはハードロック的だが音作りはデスメタルっぽいザクザクさ
ドラムが激走し、クリーンというかニューウェーブっぽいボーカルが入ってくる
ところどころスクリームというかグロールが混じる
メロディアスな曲
★★★★

6.Child 5:34
ヘヴィでSFチックなドローン音
からリフ、そしてメロディアスなボーカル、パレードのよう
マイケミカルロマンスにも近いのか
ボーカルはハードコア的なスクリームというよいはデスメタル的な発声法が強い気がする
クリーンボーカルになり、サビはメロディアスで少し壮大なメロディ
全体的にモダンヘヴィネスに少し北欧的なメロディが混じっている印象
★★★☆

7.Justice 4:42
ミドルテンポでドラムとギターがユニゾンする、一丸となったリフ
スクリームが入ってくる
やや引きずるような、あまりコード展開のないリフ
つまらなくはないが流れが単調か
★★★

8.Gun 4:32
ピアノで歌い上げるバラード
メロディは美しいがそこまで展開せず展開していく
切々としたバラード、少し芝居がかっている
声が生々しいミックス
★★★

9.When All But Force Has Failed 2:48
電子音からリフが入ってくる、やや疾走感がある
ツービートで走る
ハードコアマナーといった感じがする
ただ、リフはけっこうカッチリしていて音程移動も激しい
ギターソロはメロディアス、このバランス感は面白みがある
聴きどころがギターソロ
★★★☆

10.Wormhole 5:20
ドゥーム的な歪んだ音階のヘヴィなリフ
からツーバスで激走、ブラックメタル的な音像に
強めのスクリームにドラムが激走する
メロディアスなパートに、洞窟に光が差し込むような
ギターソロにもどこか歪んだ質感がある、こういう「ゆがみ」を不協和音などを使って表現するのはうまい
かといってメロディがないわけでもなく、ところどころに美しいメロディはある
★★★☆

全体評価
★★★☆
モダンヘヴィネスにメロディが入ってくる、ところどころ北欧メロデスだったりスリップノットだったり、組み合わせは面白くて独自性は感じる
個人的に今一つメロディに乗れなかった、やや味気ないというか
もう少しメロディ展開やリズム展開、緩急のつけ方のふり幅が大きい方が好みなのかもしれない
面白みは感じるが、あまり好みの方向性ではなかった
ただ、なかなか面白いユニークな音像なのは確か

ヒアリング環境
夜・家・ヘッドホン

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