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『SeaBed』聖地巡礼記⑧大阪編

今回は大阪である。とはいえ、いわゆる「大阪らしい」聖地は一切存在しない。東京編と比較すると、正直訪れても地味な場所が多い上に、それぞれ条件が厳しく、あまりオススメはできない。とはいえ聖地は聖地なのでいつも通り紹介していく。大まかに言えば、大阪の聖地は三つの地域にまたがっている。一つは北摂、一つは大阪市北部、そして大阪市南部〜堺市の三つだ。

見えづらいが、画面右に特徴的な枝がある。

まず一つ目は箕面の大滝だ。七重が子供たちと触れ合うシーンで登場した。シーン自体はさほど長くはないが、七重の世話好きな部分がよく出ているシーンだ。もしも行かれる際は、せっかくなので紅葉のシーズンに行かれることをおすすめする。​​例年であれば11月中旬~12月上旬が見所なので、大阪に聖地巡礼に来られる際はその時期を狙って来るといいかもしれない。……と、ここまでは「それっぽい」紹介だが、問題はこの滝までの道のりだ。

箕面の滝。いざ目の前にすると圧巻で、日本の滝100選にも指定されている。

最寄駅である阪急箕面駅からこの滝までは、片道約2.7キロメートル、なんと約40分もかかる。さらに道中も駅前の通りを抜けて山道へと入っていくため、それなりに起伏もあり、ある程度の準備が不可欠となる。そのため、行くなら絶対に歩きやすい靴(スニーカーなど)が必須である。

第八章で、楢崎が椚原療養センターに向かう際に寄った商店街。

続いては野里本町商店街。こちらは関西にある商店街を全て洗っていたところ、たまたま発見した。こちらもアクセスが良いようで悪く、JR宝塚線の塚本駅、JR東西線の御幣島(みてじま)駅、阪神電車の姫島駅のちょうど中間にある。それぞれの駅からは10分〜15分ほど歩けば着くが、私鉄の運賃をケチって大阪メトロの野田阪神駅から淀川大橋を渡って来ようとすると30分以上はかかるので注意だ(私はついでに淀川を歩いて渡ってみたかったので後悔はしていない)。しかし、こうしたアクセスの悪さ以上の問題点がこの聖地にはある。端的に言えば、この聖地はもう存在しないという点である。

現在はアーケードが撤去され、普通の道路になっている。
当該地のGoogleストリートビュー。

野里本町商店街が解体される前の動画。3:40秒あたりがCGの場所。

台風の被害もあり、2020年9月頃には既にアーケードが撤去されていたようだ。そのため、今では普通の宅地となってしまっている。この時たまたま地元住民の方が店じまいをしていたため、「アーケードがなくなってしまったんですね」と思わず声をかけたところ、時代の流れだから仕方ないですね、と答えてくださった。

最後は珍しく、路面電車が聖地だ。阪堺電気軌道161形型電車(通称:モ161形)の車内風景が聖地(?)なので、特段駅は問わないものの、こちらもこちらで大問題がある。

この車両が天王寺〜浜寺駅前を往復していたと知ると少し情緒が薄れてしまうだろうか。
モ161の車内。画像はWikiより。「乗降口」と書かれた扉が特徴的だ。

それは、定期運用がもうないという点だ。現役稼働年数90年以上となるモ161は、冷暖房器具が扇風機ぐらいしかないため、夏は蒸し風呂、冬は監獄のような環境になる。そのため、基本的にはイベント時に特別運転される機会を待つしかない(詳しくは阪堺電気軌道株式会社のお知らせに記載される)。

阪堺沿線の駅より。

しかし、抜け道があるにはある。それはズバリ貸切だ。鉄道ファンの中には数人でお金を折半しあい、撮影会をする人もいたりするらしい。もし金と時間に余裕がある人は、佐知子ごっこ(シーンは超シリアスだが…)を敢行してみても良いのかもしれない(もしも頼まれる際は、必ずモ161形と伝えよう)。

乗れたのは見た通りの705系。車内は混んでいて写真は撮れなかった。
大和川を越える阪堺電車。

以上が大阪編だ。全てにおいてかなり「厳しい」聖地巡礼になること必至だが、『SeaBed』を骨の髄まで楽しもうと思われるなら、是非とも来阪してみて欲しい。


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