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【生徒発信】PBL(コラボ・ラボ:京橋川クリーンプロジェクト)〜日本藻類学会での発表〜

 安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。

 
今回は、コラボ・ラボで京橋川クリーンプロジェクトで活動しているグループが学会発表をしたので、その報告です。


◇チーム紹介

 私たち京橋川クリーンプロジェクトチーム8名は、昨年からPBLの授業でプランクトンの培養と淡水プランクトン検索表の作成に取り組んでいます。
 プランクトンの培養では、度重なる失敗を乗り越えてきました。
 プランクトンの検索表の作成では、安田小学校の先生方にご助言いただき、また小学生に模擬授業もさせていただいて、検索表の改良を重ねてきました。

 そして、これまでの学びを2023年3月21日にオンラインで開催された「日本藻類学会第47回大会」に参加し、高校生ポスター発表の部で発表しました。


◇日本藻類学会第47回大会

 日本藻類学会はどんな学会かというと、「藻類」に関するさまざまな分野の研究と普及を図って、それに携わる人たちと親睦を図ろう!という感じの会です。私たちの研究でも、クラミドモナスという緑藻類を培養しているので、そのご縁で参加させてもらいました。

 それはそうと、ふつう学会と聞くと・・・
  大学生や研究者の方たちがたくさんいて、めっちゃハードル高そう・・・
  高校生にはまだ難しいんじゃない?
ってイメージを持つ人も多いと思います。

 実際、私たちも初めての学会参加だったので、
  がんばって作ったポスターだけど、誰にも興味を持ってもらえなかったらどうしよう・・・
  想定外の質問が来るんじゃないか
  厳しい指摘をされるんじゃないか
とドキドキしていました。


◇高校生ポスター発表

 高校生ポスター発表の部は、13:00開始で、通常(研究者)のポスター発表と同じ時間帯におこなわれました。Zoomのブレイクアウトルーム機能を用いて、参加者が興味のある発表を聞くという流れで進み、27チームによる発表がおこなわれました。私たちは、2チームに分かれて「ヘドロの浄化につながるクラミドモナスを用いた培養実験」「小学校の授業に役立つ淡水プランクトン検索表の開発」の発表をしました

 私は、「小学校の授業に役立つ淡水プランクトン検索表の開発」をテーマに発表しました。検索表とは、生き物の種類や分類を同定するときに補助的に使う資料のこと。小学校のプランクトンを扱う理科の授業で使ってもらうことを目標に制作しています!!

淡水プランクトン検索表のポスター

◇いただいたアドバイスと学び

 実際に発表してみると、最初に感じていたような心配は必要なかったと思うくらい、とても多くの人に発表を聞いていただき、私たちの研究をより進めるためのアドバイスをいただくことができました。

 しかも、チームで普段話し合っている内容とは全く違った視点からアドバイスをたくさんもらいました。
 例えば、私たちは検索表を作成するとき、学校のすぐそばを流れる京橋川に生息するプランクトンを使用しました。
 ちなみに、プランクトンは水の流れが穏やかな環境に多くいて、水質によってみられるプランクトンも異なってくるんですよね。
 でも、学会に参加すると「川には流れがあるので、観察できるプランクトンが限られがちですが、なんでこんなに沢山の種類があるんですか?」とか「川になぜ沼っぽい環境に多く生息するプランクトンがみられたんですか?」など、プランクトンの生息に関する質問をたくさんもらい、焦りました。(汗)
 また、「これは〇〇という形で表現した方がいいよ」とか「こんな情報も加えたらいい」といったありがたいアドバイスもいただきました。
 実際に学会でいただいたアドバイスを検索表にいかしていけたら、より使いやすいものになるだろうなと思いました。
 ほかにも、多くの方に「この検索表を全国に普及してほしい」「取組が素晴らしい」といったお言葉や、検索表の完成に向けた応援のメッセージをいただき、私たちの研究が外から見てどれだけ注目に値するか、研究価値を客観視することができ、「分かりやすくて使いやすい検索表を完成させるぞ!」とよいモチベーションにもつながりました。

 検索表完成まで、あともうちょっと!!
 今回いただいたアドバイスをもとに改善して、よりよい検索表になるようにがんばります!!

オンライン発表の様子1
オンライン発表の様子2
オンライン発表の様子3

■ 執筆者:安田女子高校 一期生(高2)
コラボ・ラボ 京橋川クリーンプロジェクトメンバー
好きなプランクトンはイカダモ。細胞が重なっている感じが可愛くてお気に入り。顕微鏡で出会ったときにはとても嬉しいです。
このプロジェクトに参加して、プランクトンの名前を60種覚えました!

■記事責任者:STEAMコース主任

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