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【他の人よりチョット詳しくなれる】フィンランドのカリキュラムの移り変わり


日本の学習指導要領はおよそ10年に1度、改訂されます。


フィンランドの学習指導要領にあたる、National Core Curriculum(以下NCCを表記)も、およそ10年毎に改訂されます。


今回は、フィンランドのNCCはいつ、どのように改訂されたかをまとめていきます!





世界の中でも、教育の分野で先進的とされるフィンランド


どのようにカリキュラムは移り変わっていったのでしょうか?


どのような特徴があるのでしょうか?



チョットだけくわしくなりましょう!!!








1970年以前


NCCに類するものは存在しなかった。


学校と自治体によってカリキュラムは作成されていた。




各学校の校長が草案を作成→自治体の承認と視学官の認可





1970年


国の管理下で、NCC1970が編成された。


学校での活動の全体像、教科内容、教科ごとの授業時間数、使用する教科書等が決められていた。




まさに、トップダウンのカリキュラム制定ですね!





1985年


地域と学校の裁量が入る余地を認めたNCC1985が編成された。


トップダウンの内容の詳細さは緩和された。


NCCをもとに、自治体でカリキュラムを編成して、学校での取り組みが管理される。




この頃から、教育の地方分権化が始まっていたみたいです!





1994年


教育の地方分権化を実現した、NCC1994が編成された。


学校は「自由裁量時間」をもち、独自に科目を設定することができるようになった!


この「自由裁量時間」の枠組みで、教科横断的な学習の重要性が注目された


各教科の学習において、合科的アプローチを用いた、教科横断的なテーマ学習が実施されるようになった。


子ども中心学習者中心のPBLを導入し、社会構成主義的理念に基づく教育を志向した。




トップダウンは終わり、ボトムアップの時代が始まったようです!







「基礎スキル」「コア・スキル」「キー・スキル」などの語が記載された。


これは、「キー・コンピテンシー」と類似した能力観!




ちなみに、1994年時点では、「キー・コンピテンシー」や「21世紀型スキル」は明確に定義されていなかったので、どうやら本当に最先端だったみたいです!





2004年


学習の基準として、内容目標をNCC1994よりは細かく規定した、NCC2004が編成された。




少しだけ細かく規定された理由として、全国テストの結果が芳しくなかったという背景があるらしいです。


ただし、コンピテンシーの概念、教育の地方分権化を失うことはなかったようです。





2014年


NCC2014が編成された。


もうチョットくわしくは別の記事で!!!





まとめ



NCCは国がキッチリと決めるところからスタートしました。


1970年以降は、厳しく取り締まっていたのですが、


徐々にNCCは国の提示した基準としての性質を強めていきました。


1985年以降は、少しずつ地方自治体と学校に裁量権を与えられました。


1994年には、教育は地方分権化され、さらに、世界的に早期の段階でコンピテンシーの概念を導入しました。


ターニングポイントですね!


それから、地方と学校の裁量権とコンピテンシーの育成を重視し、


現在に至るというわけですね!




参考文献


松尾知明(2015)『21世紀型スキルとは何か-コンピテンシーに基づく教育改革の国際比較』明石書店。



渡邊あや(2009)「生涯にわたる学びのビジョン 世界の学力論議をリード」佐藤学、澤野由紀子、北村友人編著『未来への学力と日本の教育⑩ 揺れる世界の学力マップ』明石書店、pp.79-99。



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