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読書履歴#20_計画性よりも偶然が大切になる

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読書期間 7月4日〜7月8日
文字数:約1,800

はじめに(所感)

今回の参考図書はこれまでで最もまとめることが難しかったです。(ゆえに最初に所感を持ってきてます)
というか、まとめることができませんでした。

最初に各章のタイトル、火山学者の話、(一見)なんの関係もない筆者の好きな映画や本の話
と脈略がなく「なんの話だったかな?」と思うことが多々あります。

かなり後半(七章あたり)で、何かに気付き

この本面白いかも

となりました。(なんとなく大人の聴くジャズの様な味わい)

それは首尾一貫して地球のマグマと人間の中にあるマグマ(やる気、葛藤、苦しみなど)を結びつけて説明していることです。

あくまで私の所感ですが、筆者にとって各章のタイトルは後付であり、火山のマグマと人のマグマに関する話を発散させながら、収束させるを繰り返すことで筆者が序章で述べている

・VUCAの時代に突入している現在において過去の考え方を大きく変えないといけない
・これからはコントロールできないことを人生に組み込むために
計画性よりも偶然を大事にしなければいけない

という内容をこの本を通して気付かせてくれたのだと思います。
いつの間にかお薦めの本になってしまう、そんな不思議な本でした。

第一章 喜怒哀楽をコントロールする

喜怒哀楽とはエネルギーの表出であり、火山のマグマが持つ膨大なエネルギーと相似の現象
・人は喜怒哀楽をコントロールできるので、程良く制御し表出している限り、個人の生活を潤し他者との関係も円滑にする
・日本陸軍の創設者である大村益次郎と足軽の身でありながら勉学に勤しみ舎密局(化学研究所)の総括となる中嶋治平

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P37〜P73

第二章 欲望といかに向き合うか

・足利義政の青磁茶碗を修繕する技術が中国にはなく、つきはぎでかえってきたが、それを大切にした
・義政といえば東山文化でわびさびが有名だが、わびさびとは「マイナスをプラスより怠った状態と見ない」という美学

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P76〜P102

第三章 つらぬきとげるエネルギー

・幕末期の会津と明治期の会津の間に生じた社会的差別の中で野口英世が磐梯山の山体崩壊を見て、内なるマグマを社会貢献に充てた
<コラム>
カール・ヒルティの幸福論から、気分が乗ってから始まる仕事などなく、始めてしまえば頭は動き出し考えはまとまる(何はともあれ開始せよ)
・西洋ではカントリージェントルマンという言葉がある。平時は田舎でコツコツ仕事し国家に急あらば馳せ参じて能力を発揮し、使命を果たせばまた、田舎に戻る本物の紳士のこと

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P104〜P132

第四章 煩悩と噴火のゆくえ

・ガス抜きから始まり
 夏目漱石の「二百十日」
 松本清張、橋本忍の映画「張り込み」
 ウィリアム・アイリッシュの「幻の女」
と多岐に渡る話
※偶然の気付きを点在させていると思う

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P134〜P161

第五章 白黒をつけない日本という国

・神仏習合など日本特有のちょうどいい加減が、白黒を分けるわけでもなく、1か0でもなく、混在する安定がある

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P164〜P185

第六章 心の水分の取り除き方

・宮崎賢治の妹トシをなくして勢いを増した作品世界の創造

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P188〜P223

第七章 問いかけが生む新たな問い

・菊池寛の「恩讐の彼方に」の罪人である了海が新しい道の掘削に邁進し、敵討する若者との間の空気
・シャーロック・ホームズの洞察力

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P226〜P247

第八章 青春のわななきとまたたき

青春が流行らなくなったのは、若い世代側の意識の変化でなく、その上の年代の人がいつまでも若さから卒業できないことにある
・背景には平均寿命の延長がある。長生きは良いことだが、日本の場合長寿は個人としての生物年齢と集団の一員としての意識の間に隔たりをもたらしたと考えられる

武器としての教養
ISBN978-4-295-20266-0 C0240
P250〜P275

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