
ユーザーの声を聴く_#7_調査のゴールは次のアクション策定と丁寧な引渡し
ここまで
計画 → ユーザーを集める → 入念に準備する → 本番直前の心構え → 本番
について学習してきました。
今回第5章でこれが最後となります。
当初の私の目的は
顧客セントリックを実現するためには、
リファレンスカスタマーとの関係をこれまでに以上に早期に確立し、深化させることが肝と感じ、その方法を知る
でした。今回の参考図書が100%私の目的に合致しているかと言われれば、正直ちょっと違いました。
ただ参考になる部分はありましたので、最後のパートまで気を抜かず進めていきます。
今回は「調査結果の分析について」です
文字数:約1,800
参考図書
第5章 データを読み込む~すべてを台無しにする分析と解釈の落とし穴
45 データの整理その1★ <生データの重要性>
・ユーザー調査の達成感はひとしおではあるが、調査で得られたデータを整理・分析して、そこに解釈を加えて次に続くアクションまで決めて、次の責任者に渡すまでが調査
・人間の記憶力の問題もあるので、調査完了後にすぐに分析に進むのが良い
・ただし、分析したデータだけでなく生データを必ず参照できるようにしておくのが重要
①音声データの文字起こし
②録画データやメモから行動を書き出す
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P276~P283
46 データの整理その2 <印象の強いデータに固執しない>
・認知の歪みへの対策として定性データであっても数えられるものは数えておくと良い
①ユーザーリストとメモを活用してデータの一覧を作る
・モデレーターのメモや他の調査者が観察しながら取った記録などからデータの一覧表を作っておく
・アンケートでは簡単にしか確認できなかったことについてインタビューで詳しく確認できれば、リストの下に随時足していく
・データ一覧表の3つの工夫
1、確認し損ねた部分は素直にそう書く
2、良い発言や行動は目立って分かりやすくしておく
3、データ入力時に調査で明らかにしたいことに直結しそうな部分やじっくり分析が必要な内容も目立たせておく
②データを横串で読みやすく表を整える
③たて串、横串で所見や所感を書き込む
④書き起こしメモと照合する
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P284~P297
47 分析その1 <外化を十分に>
・外化とは頭の中で行われている認知過程を観察可能な形で外に出すこと
・可視化は分析の重要なステップ
・上っ面のなんちゃって分析にならない対策
①時系列で並べられるものは並べておく
②環境とユーザーの関わり合いを描く
・環境に潜んでいる物理的な制約を特定したり、環境に変化を加えるときに注意すべきことを見つけるために描き、「物理モデル」と言われる
③ユーザーが使っている道具が見えるようにする
④ユーザーの行動を抜き出し、分類して意図を探る
・インサイトを得るための手法としてKJ法(または新和図法)がある
・KJ法によって、一見バラバラの行動の裏に潜む複数のユーザーに共通する欲求を突き止める
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P298~P309
49 解釈★ <バンドワゴン効果>
・分析が完了したら、解釈をするためにアイディエーションやワークショップを設ける
・みんなが良いと言うものを無意識で良いと感じてしまうことをバンドワゴン効果と呼び、これを避けるための対策として
①次のアクションを担う人たちを必ず巻き込む
・調査の結果から実際に手を動かすデザイナーやエンジニア
・投資判断する経営陣
・最終的な成果物を受け取るマーケティングや営業担当
②調査の関与が高すぎない人をファシリテーターにする
③全員が等しく意見が言える時間を作ってから議論に進む
④出てきたアイデアのネガティブチェックを各自で行い、持ち寄る
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P316~P320
<第5章 データを読み込むの所感>
総じて、リテンションを強めるための顧客とのリレーション構築・強化のテクニックではありませんでした。
最後まで読んで見て、いくつかユーザーのニーズを探るテクニックはあったと思うので、番外編としてまとめて投稿するようにします。