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PdMをもっと深く知る_#4_定性的データを見落とすな

PdMについてもっと深く知ることを目的に読み進めておりますが、今回の参考図書はPdMに限らずソフトウェア(プロダクト/サービス)ビジネスに関与しているすべての人が読んで損はないと思い始めているところです。

前回はソフトウェアプロダクトをビジネスの主体に据えているときの3つの目標

①ビジネスメトリクス
②運用メトリクス
③感情メトリクス

について理解し、それを測る指標についても多種紹介していきました。

今回はメトリクスとして集めたデータからどうやってインサイトを見つけるかについて学んでいきます!
文字数:約2,500

参考図書

第1部 データを活用して優れたプロダクトをつくる

・直感や過去の経験に頼ってプロダクトに関する重大な意思決定はもはやできなくなっている
・定量/定性データの両方でどのようなものを計測するべきかとその理由およびそれをどのようにして実用的なインサイドに変えるかについて取り扱う
戦略上と運営上の目標、および顧客の目標を達成するために追跡が必要なメトリクスを取り扱う
・メトリクスの難しさは、無限に近い可能性の中から選択すること
・メトリクスの選択は目標を念頭に置き、常にWhyで思考する

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P23、24、32

3.顧客データをインサイトに変える

■顧客に関するインサイト深掘り手法

・たくさんのメトリクスを紹介したが、どのメトリクスであっても時系列で見ることでインサイトを発見できる
①セグメンテーション
・セグメンテーションは顧客の中からある対象者の集合を把握するために効果的な方法
2つの基本的な適切なセグメンテーションの決め方
A)企業のステージ、地域、業界などの「特性によるセグメント」
B)プロダクトが特定のニーズやジョブをどのように満たすかという「価値によるセグメント」
・新しいものを立ち上げるときには、まずB)次にA)による分類が良い
・無料ユーザーが機能をどのように使っているのか、有料ユーザーとの違いを分析することで、無料ユーザーのコンバージョン率を高める方法が見えてくる
・B2Bの場合はSMEsかエンタープライズかも重要となる

②実験
・チームが実験の整理と構築のためのツールとして「実験キャンバス」がある
実験キャンバスとは、何をテストするのか、そしてテストをどう準備するのかを決めるのに役立つ
・効果的な実験を行うためには、実行方法を規律あるものにする必要がある。代表的な例として結果を測定するグループと対照となるコントロールグループ(プラセボ)を設定する

③コホート分析(cohort:群)
セグメントをさらに細分化して、共通の特徴を持つグループ作り、各コホート間の行動やメトリクスを比較する
・ユーザーのセグメントが時系列でどのように行動しているかを視覚化する
・異なるコホートの行動を長期的に比較し、最も成功しているユーザーの特徴を見つけ出す
・コホート分析はコンバージョンを促進する強力なツールとなる
・CSチームは、パフォーマンスが最も高いコホートと低いコホートを比較して顧客の健全性、さらに顧客維持状況も追跡する
・新しい期間ごとに各コホートがどのように行動しているかを分析し、そこからのインサイトを基に利用状況が時系列でどのように変化するかをモニターする

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P77~84

■定性データと定量データを組み合わせる

定量データは「何をしているか」を明らかにし、定性データは「なぜそうしているのか」を明らかにする
・定性データは一般的に規模を大きくしづらい、ユーザーと電話したりチャットしたりする時間は限られる
・したがって活動の方向性を決めるには定量的なインサイトが必要 
・定性データを拡大するために、無作為なインタビューやアンケートの実施など方法はあるが、特定の顧客に偏ってしまう選択バイアスに陥ってしまう
定性データ拡大前に、定量データから外れ値を特定しておくこともできる
・プロダクトや特定の機能のヘビーユーザーには「料金を安くすべきか高くすべきか」を聞くチャンス
最も価値のあるインサイトは、顧客が明示的に語ることと、行動が示す交差点にあることが多い

◼️PdMに求められる資質
・ソフトウェア構築の最大の課題は「人」
PdMはソフトウェアの人間的な側面に精通しておく必要がある
・もはやコードに精通していたり、幅広いドメイン知識を持つことは求められていない
・最もPdMに求められるのは、「優れたヒューマンスキル」
・毎週PdMがカスタマーコールを担当する企業もある

■ヒューマン・コンピュータ・インタラクション
・プロダクトを使っている人を実際にみないと、本当の意味でのインサイトは得られない
・どんなアプローチであってもユーザーの行動に関する定性的な感情を理解するときは、間違った理解をしやすく、裏付けに乏しかったりする
定量データを活用することで誰をテストすべきか、何をテストすべきかを示してくれる

◼️リプレイの活用
セッションリプレイ技術を利用することで、特定のページの特定のボタンをクリックした全てのユーザーセッションを再生できる
・ユーザーが操作したり、躊躇したり、クリックしたり抽象的だったメトリクスを取得できる

プロダクト・レッド・オーガニゼーション
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P 85~94

<所感>

だいぶスッキリとしたセクションになりましたが、内容は極めて重要です。
ここでの最大の学習は

データドリブン型ビジネスが必要だが、
顧客から得られるデータは『定量・定性』の2つがある

ということでした。

データが重要だ、例えばこんなデータを使ってこんなに成功した例があるぞ

という本やWEB情報は多くありますが、こうして丁寧かつ体系的に説明してもらえると腹落ち感が大きくて良いですね。


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