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ユーザーの声を聴く_#2_ユーザー調査の全体設計

前回なぜ私がユーザー調査について学習しようと思ったかは説明しましたが、再度要点だけ

顧客セントリックを実現するためには、

顧客との関係をこれまでに以上に早期に確立し、深化させることが肝

と分かってはいるが、どうやって実現するかが分からない

前回は自身の経験からも「分かる!そうゆうこと問題生じていたけど、問題ともとらえておらず、改善もできていなかった」と気付くことができました。

だからこそ知りたい。いよいよ開始です。
文字数:約3,700

参考図書

第1章 計画を練る ~目的設定と手法選びの落とし穴~

1 目的設定その1 <目的が予算消化じゃダメなのか?>

①調査の焦点をはっきりさせる
ユーザー調査の根幹は、どんな行動をどのように起こすのか、そのコンテクスト・オブ・ユース(利用文脈)を観察や対話を通じてかき集めて分析し、ユーザーも意識していない課題やニーズを突き止める
・5W1HにおいてWhatを決める
ユーザーが課題を解決したりニーズを満たすために使う手段となり得る「モノ」のどれに注目して「利用文脈」を調べるかをはっきりさせる

②調査しなくても分かっていることを確認する
・以下AとBのどちらの調査タイプか決める
A)仮説検証型
・解決策などに根拠ある仮説がありそれを検証する調査

B)機会探索型
仮説を立てるために行う調査

・機会探索型調査を経て仮説検証型の計画をする
・機会探索型からでなく得た仮説は出所や根拠を確認する
「調査しなくても分かること」と「調査で明らかにしたいこと」を明確にする

③調査のあとに続くアクションと目的をまとめる
・ユーザー調査のゴールは調査からユーザーの課題やニーズを明らかにして、解決策やプロダクトを提供すること
・調査からプロダクトにつながるプロセスになって初めて成果になる

◼️ 確証バイアスの罠
・確証バイアスとは、自分の持っている仮説が正しいかどうか確認しようとするときに、その仮説を後押しするデータを優先的に探すこと
・つまり、自分の仮説が正しくなることを密かに狙ってしまうこと

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P20~P26

2 目的設定その2 <ただやりたいだけでは先へ進めない>

①どんなユーザーに焦点をあてるのか決める
・リクルーティングとは調査に協力してくれるユーザーを集めること
・年齢や性別よりも行動や価値観に注目するのがポイント
・ユーザーの行動(本書では読書)に影響与える因子を棚卸しし、調査の目的と照らし合わせてリクルーティングの条件と判断基準を決める
・リクルーティングの失敗や手戻りを防ぐために
「除外条件(調査対象外のする条件)」を決める

②いつまでに調査完了にするか確認する
・ユーザー調査は手段であり、後続の活動にバトンを渡し動き出すまで
・後続のスタートに影響しないために締切りはまず合意形成する

③仮説をどうやってユーザーと共有するか決める
A)高忠実度のプロトタイプで触ってもらう
B)ペーパープロトタイプで使っているつもりになってもらう
C)口頭で説明し、想像力で聞いてもらう

・Aが必ずしも最善ではない。高忠実度のプロトタイプの場合、「善し/悪し」「好き/嫌い」という単純軸の評価や、見た目の改善に終始しがち
・Cも認識の齟齬が発生しがち
・Bが妥協案的位置付け

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P27~P35

3 仲間探しその1 <助っ人探しに手間取る>

・はじめてのユーザー調査の場合、助っ人探しも手順のうちなので、そのコツを紹介する

①社内の頼れる経験者に相談
②社外の頼れる協力者を探す

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P36~P39

4 仲間探しその2 <調査チームの仕事はどこまで?>

・社内外の専門家やチームに調査を依頼する場合はどこまでかかわってもらい、何を成果とするかを決めておく
①意思決定まで伴走してもらう
・ユーザー調査は調査結果を後続の活動につなげるまでの活動
意思決定まで関わる場合は、組織のビジョンやステークホルダーによる制約など別のインプットも必要

②意思決定の土台作りまで
・ユーザー調査で扱うものはユーザーの発話や行動といった数値化できない定性データ
・この定性データをさまざまな角度から見て壊してまた別の角度から見る、という作業をひたすら繰り返し分析するには相当な知識と経験が必要

③モデレーターとしての所見や所感をまとめてもらうまで
調査の結果を後続のアクションへつなげるため、分析と解釈は自分達でやります。というのが最も理想
・こうしたケースの場合、モデレーターに報告書をまとめてもらう

④モデレーションだけ依頼して質の高いデータを収集してもらう
・ユーザー調査したけど、分析を始めると上っ面だけの質疑応答に終わっているなど、調査の肝はモデレーターということが分かる

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P40~P45

5 手法選びその1 <手法を選ぶところでもめてしまう>

・しっかりユーザー調査のスタートを切る3つの策
①シンプルにまずは2択で考える
A)ユーザーの言語報告に頼る手法   → インタビュー
B)ユーザーの言語報告に頼らない手法 → 行動観察

行動観察の方が現れた事実をありのままに捉えることができ、より確かなデータを集めることができる
・行動の裏にある理由や意図を推し量りながら観察することで、ユーザーも気づいていないニーズを発見することができる

②一もニもなくユーザーインタビューを選ぶ
AかBか迷う場合はユーザーインタビューを選ぶ
・ユーザーインタビューの方が準備が簡単
・ユーザーインタビューしてみて、行動観察で調べるべきことが見えてきてから、行動観察でよい

③両方やる
・行動観察とインタビューは一長一短の関係なので、組み合わせて補うこともできる
・行動観察の際に撮影した映像や画像を一緒に見ながら「回顧インタビュー」も有効

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P46~P50

6 手法選びその2 <現場へ入り込めずに行動観察をあきらめる>

行動観察の大きな障壁は現場へのアクセス
・現場を確保する7つの作戦
①現場の持ち主を巻き込む
②現場を作ってしまう
③ユーザーの友達に扮する
④こっそり実施する
⑤現場の様子を日記で報告してもらう
⑥インタビュー前に宿題をしてもらう(日記の簡易版的位置付け)
⑦映像を見せてもらいながらインタビュー

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P51~P58

7 手法選びその3 <的がブレて悲惨なグループインタビュー>

グループインタビューは定量調査には向いているが機会探索型で進めるには向いていない

グループインタビュー実施時の注意点
①グループの傾向や軸を突き止められるように調査の「的」を絞る
・グループインタビューはFocus Group Interviewであり、Focusが重要
・Focusするのは「調査の目的」「ユーザー属性」とがある
・「調査の目的」は参加人数が増えるほど、一人ひとりの発言時間は短くなるので目的は重要
ユーザー同士が少なからず影響を及ぼし合うのもグループインタビューの欠点であるが、大事なのは誰のどのような発言で誰かどのように意見を変えたを把握しておくこと

②的外れなユーザーが紛れ込まなれないように募集の条件を厳しくする
・グループインタビューにおいて、慎重なリクルーティングは不可欠
・ただし条件を厳しくしすぎると集まらない
グループインタビューは各グループの中で共通する意見や傾向をあぶり出すと同時にグループ間で比較し検証したいときに理想的な手法

③グループでなくペアでいく
・インタビューの際にモデレーターはユーザー全員の挙動や表情を確認しながらインタビューを進める技術が求められる

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P59~P64

8 場所選びその1 <場所がなくてインタビューすらあきらめる>

・インタビューはどこでもできる
①社内のミーティングスペース
②ユーザーの現場
③リモート調査

ユーザーの「心の声」を聴く技術
ユーザー調査に潜む50の落とし穴とその対策
ISBN978-4-297-11995-9 C0034
P65~P69

<第1章 計画を練るの所感>

うーん。正直第1章時点では、極意と言えるテクニックはなかった印象です。

目線がユーザーインタビューを請け負う側なのも要因かも知れません。

とは言え、体系的にユーザー調査についてまとめられたものはあまりないので、参考にはなりました。


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