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アコンカグア11日目:再びC2へ

2019年1月31日(金)

C2ニドへ

朝がきた。INKAのテントでボトルいっぱいに水をいれてトイレをして、山頂へ向けて、出発の準備をする。

日程の延期はない。最小限の食料と荷物を持って、今回は一気にBCからC2まで荷揚げをする。

BCからC2までは6時間の行程だ。9時頃に出発して、途中C1での休憩も入れて、16時くらいには着けるだろう。

4,300mから一気に5,500mまで登る。

サトキ君はもうC1に向けて出発しているんだろうか。一本道なので、どこかでまた会うだろう。

これが本当にラストチャンス、さあ出発だ。

天気は快晴、風も少ない。出発してすぐ、標高4,000m以上にだけ現れる自然現象ペニテンテを通って、砂利道を登っていく

C1までの道のりはもう何度も通ってきた。これが最後かと思うと感慨深い。

入山してすぐのときはただ歩くだけでさえ苦しかったのに、今では20kgを背負って数時間くらい歩くのは大したことない。コースタイムの3時間を切って、2時間半でC1カナダに到着した。

日に日に自分が成長しているのがわかる。以前できなったことができるようになる。自分の成長を自分で実感できる。この感覚が僕の人生の歓びだ。

逆に他者から褒められても嬉しいと感じない性格が、少し残念だ。

C1にデポしておいたダブルブーツに履き替えて、アイゼンを手荷物に入れて、ご飯を食べて少し休憩する。

すでにサトキ君は到着していて、テントを張っていた。

標高5,000mのC1には相変わらず、雪がない。

サトキ君もあとでC2まで登って、水を作ってC1に戻って寝る計画だそうだ。僕は先にC2に向かって、足を進めた。

今日の移動はあと3時間。時間的には余裕がある。体力も今のところ問題ない。

もうシーズン終盤のためか登山者は少ない。

前回、フランス人と会った岩場まで来た。ここまで来るとだいたいC1とC2の半分くらい進んだことになるのだが、ここから先は勾配がキツくなっていて体力を消耗する。

後ろにサトキ君が歩いているのが見えた。右前方には誰も歩いていない雪道を大きな荷物を背負って登っているポーターがいる。

ふつうの2倍の荷物は背負っているだろう。40kg以上ありそうだ。

最初にあれを見たときは、ふつうの登山者があの量の荷物を背負ってすごいスピードで登っているから、

レベルが違うなと、アコンカグアに対して不安を感じた。

その後、実はポーターだったということを知り、一安心。ガイド付きの登山は手荷物をかなり少なくして登ることができるのだ。

そのまま順調に登っていき、再びC2のコンドルの巣

ニド・デ・コンドレスに到着した。C1から2時間40分ほどと、ペースは早くなっていたが、息の乱れはない

疲れも回復していて、かなり調子が良いみたいだ。

テント設営

C2のニドはとても大きなキャンプ地だ。前回同様、真ん中を大きな雪が覆っていてC3へ続く奥側と、手前側に分かれていた。

登山者のテントの数は少なく、どこでもテントを張れる状態だった。

前回は、手前にテントを張ったが、明日早朝にC3へ移動することを考えて、奥の方へ張ることにした。

僕がC2に到着してからすぐ、後ろにサトキ君が見えた。ここがC2だよと手を上げて合図をした。

BCから1日でC2まで登ってくるなんて、さすが七大陸最高峰に挑戦しているクライマーだ。

正確にはチリの海抜0mから登っているのか。文字通り、Sea to Summit
すごい挑戦をしている。

平らな場所を見つけてテントを張る、ちょっとした岩があったので、座るのにちょうどいいだろう。ここにテントを張ることに決めた。

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サトキ君も一緒に水を作って、ご飯を食べることにした。

水とご飯を作りながら、いろいろと話をした。(今度は日本語で!)

先日会ったフランス人とも再会し(無事に登頂したらしい!)、気がつくと今日も1日が終わろうとしていた。

もうこのキャンプ生活も終盤か。こうやって雪から水を作るのも明日で最後になるかもしれない。

明日C3コレラで1泊(と言っても朝4時くらいには起きる)したら、2度目のサミットプッシュだ。

これが本当にラストチャンス。僕の持っているものすべてをアコンカグアにぶつける。

夕日がキレイだ。

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