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駐在中の外国人同僚へのお土産(マレーシア・インドネシア編)


マレーシアやインドネシアのローカルの方へのお土産で頭に置いておかないといけないことは、相手の宗教。どちらの国も60%以上がイスラム教徒(ムスリム)なので、ハラール(ハラル)の基準に合致しているものかどうか、が重要。

インドネシア・マレーシアに7年以上駐在した経験に基づいて、ムスリムに渡すおススメのお土産とその考え方をご紹介します!


お菓子

お土産といえば、重さや日持ち、価格、配りやすさから、お菓子が第一候補ですね。
ベストはハラールマークのあるお菓子。残念ながら、持ち帰りに適したものは日本でほとんど手に入らないので、正直これを求めない方が賢明です。

ではどうしたらよいのか? 避けるべき成分を押さえておけば良いのです。

ムスリム向けお土産で避けた方がよいもの

豚肉由来の成分
豚肉、ゼラチン、ラード、ポークエキス。あとはショートニング、乳化剤も気にはなりますが、工業製品である現在のショートニング、乳化剤は植物由来の可能性がかなり高いです。相手がその場にいるなら「恐らく植物由来だけど」と本人に一言確認すればよいでしょう。


アルコールを含むもの
酒類(チョコレートや洋菓子によく使われている)、醤油、みりん。

日本の醤油はほとんどの場合発酵過程で微量のアルコールが発生してます(成分表示にも記載しています)。また、みりんは本みりん、みりん風調味料いずれもアルコールを含有しています。

こういった条件から、お菓子といっても、ゼリーや洋酒のきいたもの、おかき・おせんべい等の甘辛い味のお菓子は、積極的には選ばない方が無難。また、いろいろな添加物が入ったお菓子も渡すには自信が持てないことが殆どです。

ムスリム向けおススメお土産(お菓子)

先の条件に合う、自分がムスリムに向けて購入しているおすすめお土産お菓子をリストアップします。ただし、いずれも購入する際には、成分表示を必ずチェックして下さい。また、ハラルへの厳密さは人によって違いますので、そこは相手のことを考えながら選んでください。


 ① 砂糖菓子(飴、金平糖、和三盆)

飴だと、お弁当タイプやお寿司タイプが見栄えがして面白いです。また、チョコレートよりは暑さで溶ける心配が少ないです。

金平糖も日本独特なので、受けが良かったものの一つです。

和三盆も日本独特、こちらはかわいい小袋に分かれており、お配りに最適でした。


 ② 羊羹

伝統製法の羊羹の原材料は小豆・砂糖・寒天なので問題はありません。ちょっと見た目が地味なのが難点。スーパーで安く手に入る大量生産品は、ゼラチンを使っているケースもあるので、成分に要注意です。

 ③ チョコレート

意外と明治チョコレートなんかも大丈夫。マレーシアローカルから求められることもありました。ま、現地でも手に入るんですけどね。

 ④ 本高砂屋 マンデルチーゲル

香ばしくパリッとした触感が好評でした。それに加え、独特の凝った箱のデザインが目を引くので、箱だけでも価値があります。

ここまでご紹介したものは、空港にある日本のお菓子(お土産)売り場でも見つかりやすいもので、出国直前でも調達できるメリットがあります(もちろん、普通のスーパーにもあります)。

そういった入手のしやすさに加え、いかにも日本、という雰囲気もあるのでムスリムへのお土産としておすすめ。

 ⑤ ふくふくふ

マレーシア人ムスリムからリクエストがあった大阪福壽堂秀信の「ふくふくふ」。米粉ベースで、成分も安心(オンラインで原材料の確認可能)

 ⑥ キットカット

職場によっては、キットカットでも喜ばれる例もありました。ただ、キットカットの抹茶味やストロベリー味は現地でも流通しているので、現地で手に入らない果物味やご当地ものキットカットが目新しさがあるでしょう。

 ⑦ 白い恋人、ヨックモック

白い恋人やヨックモックは訪日ムスリムにも人気なので、まぁ大丈夫だと思っています。

 ⑧ どら焼き

ムスリムからどら焼きを望まれたこともあります。ドラえもんは有名なので、説明もしやすいですね。ただ、あの独特のしっとり感はみりん由来ですので成分には注意する必要があります。羊羹と違って、高級品よりもスーパーで普及品を探した方が手に入りやすいです。こちらのどら焼きはみりん無し、個包装。


その他、自分の周囲のインドネシア人は、なぜか柿の種を好みましたが、より厳格なマレーシアでは買っていったことがありません。成分表示に豚アレルギー表示があるため。

また、ウナギのかば焼きは、たれに日本酒やみりんを使っているので正しくはNGでしょうが、インドネシアやマレーシアのムスリムには好んで食べる人が多いです。ただ、お土産として渡したことはありません。

ハラールについては、インドネシアよりもマレーシアの方が警戒心が高く、概して、マレーシアの方がお菓子を渡しても複雑な顔をするケースが多いように感じます。教義への厳格さの違いが表れているような気がします。


お菓子以外のムスリムへのおススメのお土産

ということで、よりトラブルを避けたい場合は以下の選択肢があります。

お菓子でない食品

 ① 果物

国によって対応が違うので農水省のWebで事前チェック必要。
(農林水産省植物検疫所「海外へ野菜や果物を持ち出す際の規制」)

マレーシア:検査なしで日本からの持ち込みが認められているので、大事なお客様への手土産として使えます。具体的には大きなメロン一玉、旬のブドウ、干し柿などを持って行ったことがあります。なお、購入の場合は、百貨店等専門店で店員さんと相談することを強くお勧めします。熟すタイミング、梱包などプロのアドバイスがもらえます。

インドネシア:日本での輸出検査手続きが求められていますので、この手は難しいでしょう。


 ② その他(茶葉など)

抹茶パウダーやワサビチューブ、茶葉などが選択肢として考えられます。
こういった場合は、箱・缶のデザインが和風なものを選ぶと、喜んでもらいやすいです。仮に中身がいまいちでも安心。空港の外国人向けのお土産屋さんで比較的見つけやすいのもメリットです。


 ③ 文房具や化粧品

一時は、フリクションペンが定番でしたが、今はもう珍しいものでは無くなってしまったかもしれません。探すヒントは、「ちょっと気が利いた機能性のある文具」でしょうか。

化粧品や美容品は肌につけるので、ムスリムにはハードルが高いですね。中華系はその点は大丈夫で、「めぐりズム」を望まれて買って帰ったこともあります。が、好き嫌い分かれるので、やや難易度高く、一回目のお土産としては避けた方が無難かと思います。


終わりに

相手がムスリムなら、宗教上のルールには気を付けたいものです。せっかくのお土産だから、相手が戸惑わないものを選んで、喜ばせたいですよね!

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