地政学・時事 10年後は観光が出来なさそうな国々

2000年ごろには普通に旅行できたのに行けなくなってしまった国々は少なくない。イエメン、シリア、レバノン、リビア等の中東・北アフリカ諸国。

これらはアラブの春で長期政権が倒れて内戦に陥っていた国々。チュニジア、アルジェリア、エジプトの三カ国は持ち直したけど、上記のうちレバノンは実質的に国家崩壊中で、残る参加国は絶賛内戦中。
もうシリアのパルミラ遺跡やイエメンのサヌアの尖塔、リビアのサラブダ遺跡は訪問できない。

アラブの春で崩壊した国家には共通点があって、いずれも共和制かつオイルマネーの無い国だった。ちなみに第二次湾岸戦争の米軍侵攻以降に内乱状態が収まらないイラクも共和制。
一方、王政や首長制の国は政権崩壊することなくアラブの春を乗り切っている。

ただし、王政でも産油国の中では比較的貧しいバーレーンがイランの特殊工作部隊の暗躍もあって崩壊しかけ、サウジ軍の介入で事なきを得たものの崩壊一歩手前だった。そういった意味では、オイルマネーのまったくないヨルダン王国は、よく乗り切ったと言える。

経済成長を上回るペースの人口増加で貧困層が増えて自壊する流れがあるもののオイルマネーがあれば誤魔化せ、王政だと耐性があるといった所だろうか。

ただし、耐性があるといっても限界があるので、次の波では王政であってもオイルマネーの無い国は危ないかもしれない。加えて、持ち直した共和制参加国も不安定な政権や極めて強権的な政権が続いている。
そう考えると、王政ながらもオイルマネーに乏しいヨルダンと持ち直したものの強権的で危なっかしい政権が続くエジプトは10年後には観光が出来なくなっていても不思議はないと思っている。

ヨルダンのペトラ遺跡、エジプトのピラミッド、スフィンクス、ルクソール神殿が見たい人達はコロナ後はお早めに。






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