見出し画像

ハワイ神話に最初に登場した4人の神々『四大神』について。

以前の記事『ハワイの代表的な神様』ということでいくつか自然に宿る神々を紹介したが、今回はハワイの神々の大元となっている「四大神」について少しだけ詳しく書こうと思う。
ハワイの信仰は自然崇拝(アニミズム)であり、大自然に宿る神々を擬人化して信仰の対象としていた。
まず最初にハワイの神として登場したのは四大神である。カーネ、クー、ロノ、カナロアの4人であり、彼らはどこか遠い世界から精霊たちと一緒にやってきたと伝えられている。その4人の主なキャラクターを紹介したい。

画像1

「カーネ(Kāne)」
カーネはハワイの神々の中でもリーダー的存在で、創造の神、生殖の神として知られている。ハワイアンの祖先の魂を象徴する存在でもあり、身分の分け隔てなく崇拝されていた。また同時に、森や清らかな水、太陽の光など、人間にとって必要不可欠なエネルギーも司る神でもある。
カーネのキノラウ(化身)は、タロ、オヒア・レフア、竹、サトウキビなどだと信じられている。
またカーネという言葉はハワイ語で「男性」を意味している。ちなみに女性は「ワヒネ」と言う。

「クー(Kū)」
クーは古代ハワイにおいて男性の仕事とされることを司る神であり、男性性を司る神である。例えば、手斧やカヌーの製造、農業や釣り、政治や戦争などだ。
クーを祀ったヘイアウは「ルアキニ・ヘイアウ」と呼ばれ、政治や戦争の祈りを捧げる重要な場所であり、このクーを祀ったヘイアウでは、神への最高の贈り物とされていた人命を生贄としてクーに捧げる儀式が行われていた。
またクーはさまざまな姿で表現されるが、代表的なものはカメハメハが軍神として崇めて管理していた「クーカイリモク」だろう。以下の写真のように鳥の羽を使って作られ、戦いの神を象徴している。

画像2

また他には「クーウラ(Kū'ula)」と呼ばれる漁業(釣り)を司る神として信仰されていたものもあり、直立した石を神として崇め祈りを捧げていた。

画像3

クーのキノラウ(化身)はウル(ブレッドフルーツ)の木、ココナツ、オヒアの木などの植物や、動物では鷹などだと信じられている。
クーという言葉は「上にまっすぐ立つ」という意味のハワイ語であることから、太陽が昇る「東」、そして「午前」を治める神と信じられている。

「ロノ(Lono)」
ロノは豊穣と平和の神である。さらに雨や風、雲などを司る神でもある。
古代ハワイでは、「マカヒキ」と呼ばれる収穫祭で祀られる神として有名であり、ハワイに初めて来た西洋人キャプテン・ジェームス・クックがロノ神だと間違えられたという逸話もある。

ちなみに、マカヒキは古代ハワイの新年を祝うお祭りでもあり、プレアデス星団が日没直後に東の空に出るようになって最初の新月から4ヶ月間も続くもので、この期間は一切の仕事、争いを中断し、遊びまくるか休息するという時期である。
ロノのキノラウ(化身)は豚とされているが、他にも、イプ(瓢箪)、ククイの木、ウアラ(サツマイモ)などの植物、また下の写真の魚「フムフムヌクヌクアプアア(和名:タスキモンガラ)」と呼ばれるハワイ州の州魚だとも信じられている。

画像4

ロノという言葉は「ニュース、報告」という意味のハワイ語でもある。

「カナロア(Kanaloa)」
カナロアは海の神、また冥界の神として知られている。カナロアのキノラウ(化身)は「ヘエ(He'e)」と呼ばれるタコやイカなどである。
さらに下の写真の植物「アラアラプーロア(Ala'alapūloa)」と呼ばれるハーブ(薬草)やバナナもカナロアのキノラウである。

画像5

アラアラとはタコの肝臓を表す言葉から、この植物がカナロアのキノラウだとされてきたようである。一般的には「ウハロア(Uhaloa)」と呼ばれる薬草で、この根が喉の痛みを緩和させると言われている。
海の神カナロアと最初に紹介した創造の神カーネはとても親しく、2人で人間に姿を変えて一緒に島々を旅して回った伝説がたくさん残されている。

以上、ハワイ神話に最初に登場する「四大神」についてのお話でした。

もし気に入っていただけたましたらサポートお願い致します。クリエイターとしてさらに上を目指して頑張ります!感謝!!