見出し画像

後輩たちへの手紙⑤自分の好きな自分

大学3年生の就活を伴走する1年間のゼミを運営しています。
ゼミを通じて、学生から社会人への大きなステージチェンジを一緒に過ごした卒業生へ向けた、お手紙の記録です。

23年12月10日の手紙

後期のゼミが9月の終わりから再開し、今は面接練習をしています。
年内内定を目指して採用活動を進めている企業もあるようで、メンバーからの面接練習のオーダーは毎年この時期からぐんと増えます。

面接では自己PRとか自己紹介を求められることがあるわけですが、そこでは何かしら自分自身の良い部分を説明するわけですよね。
転職活動では基本的に「職務経歴」をもとに話をすることになるので、自己PRって新卒就活特有の特殊な質問かもしれません。

でも、相手に伝えたい自分の要素はなにか?そもそも自分は何者なのか?という、自分自身についての定義は、何歳になっても考えたいテーマだとも思います。

メンバーからは、自分の長所として何を言えばいいですか?という質問をよくもらうのですが、そういうときは「自分の好きな自分について説明しなよ」とアドバイスすることにしています。
何を言えばいいか分からない、という質問の裏側には「自分の長所が相手にウケるかどうか分からない」という不安があったりするものですが、相手にウケるかどうかよりも、心から「好き」と思っている自分の要素を伝える方が、相手には刺さると思うからです。
まぁ「自分の好きな自分」ってなんやねんと、またそれはそれで悩ませてしまったりもするのですが…

「自分の好きな自分」って何ですか?
性格でもいいし、「こんな場面でこうできる」といった特徴でもいいし、「こういうことを大切に生きている」という価値観でもいい。
仕事で発揮されている要素もあれば、プライベートやリラックスした場面で自然に出てくる要素もあるかもしれない。
「(他の人はどう思うかは知らないけれど、私自身が)好きな自分」が生む結果は、紛れもなく自分自身が世の中に提供できる価値だと思う。

例えば、私自身は自分のあけっぴろげなところが好き。
子どもの頃から、物事に境界をつくらないことがかっこいいと思っていて、タブーな話題もオープンに話してた。
仕事でも、誰に対しても自分の弱い部分や省略しがちな感情をオープンに伝える、というところで発揮していると思う。
「私にはあなたのようにはできないから、尊敬してる」とか「あなたのそういうところが好き」とか、相手が上司とか部下だとしても素直に伝えていて、そういうところを信頼してもらえてたと記憶しています。

ポジティブさ(相手のよいところを見る)は、自信をもってお伝えできる自分の強みではあるけれど、日々鍛えている部分でもあると思う。
やっぱり「なんやねん、この人」と思うことはあるし、「うわー苦手」という人もいる。
でも、できる限りそういう心の自動反応をキャッチして、目の前の相手を「一所懸命に生きてきた一人のひと」として見ようと自分を調整している。
自分にとって大切な人…家族や恋人だとしても、時には嫌になることあるよね?と自分に問いかけ、私はこの目の前の人をほんの一部しか知らないんだからと考えるようにしてみる。
そういう、自分で意図して日々トレーニングしてつくり出している強みもあるよなぁと思います。

どんな自分が日々いて、その中でも「好きな自分」はどんな場面でどんなふうに存在しているだろう?
そして、なぜそういう自分のことが好きなんだろう?と考えることは、「自分にしか扱えない問い」であり「自分だからこそ探求すべき問い」だとも思います。

そんな自分の好きな自分を探求するためのプラクティスとして、1年の終わりの12月でもあることだし、今年1年間の振り返りをしてみませんか?

この1年がんばってきた自分を振り返り、どんな気持ちや感情があったかをもう一度味わい、1年を完了させていく。
ちなみに私はワークシートを使って、毎年だんなさんと1~2時間かけて振り返り会をしています。

振り返ることは断捨離にも似ていると思う。自分の中で扱いきれなかった気持ちやモヤモヤを言語化して、整理して意味付けして、次に向けて消化する

ていねいに振り返りができると、次の1年に向けてのスペースができて「やりたいこと」や「来年のテーマ」が自然と出てくるものですよ!

1年の振り返りは、12月だからこそできるとっておき。
振り返りだけでなく、ホリデーシーズンならではのイベントや再会をお楽しみください。
来年もよき航海を!Bon Voyage!

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?