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アレンジが楽しい日の夕ごはん︰はちみつチキン

以前は決まった(少ない)時間の中でどんなふうに献立を整えるか?が工夫しどころだったが、このところどんなふうに美味しく進化させるか?が工夫する対象に変わってきていると思う。料理の本分。

献立の大枠(何を使うか)を決めて、朝のうちにやっておけることはする。例えば肉に下味を付けておくとか、ほうれん草を茹でておくとか。そして夕方、帰ってからとりあえず水かだしを入れた鍋を火にかけ、洗濯物をたたんだり明日の保育園の準備をしたりしながら娘さんの献立を整える。冷凍ごはんをチンして、汁物とおかず。それにごはんの友(納豆・しらす・ふりかけなど)。娘さんの食事が終わったら、大人のごはんの支度。さっきつくったおかずに加えて、お酒に合うものをひと品・ふた品つくる。布団を敷いてお風呂に入れて、娘さんがいつでも寝れる状態(そして自分もパジャマ)になってから、料理を仕上げてディナーのスタート。以前はこんな感じだった。

振り返ると、仕事をするように料理してた日も多かった。それはそれで良かったと思う。マルチタスクをこなす達成感や、家族の食事を今日も整えられたという充実感。

最近は、料理しながらその他の家事も並行して効率的に進める力が落ちているのを感じてガッカリすることもあるが、余裕がある分、もう少し手をかけアレンジして料理しようという気持ちが働く。手早く手際よくつくる、のではなく工夫して手間をかけてつくる。食事が家族の生活の中心にあるようないまは、これもいいのだろう。

今日は、広瀬さんが昼ごはんのとき食べたそうにしてたからグラタンをつくろうと思う。でも、グラタンメインだと重いから、サブおかずのひとつとしてつくる。冷蔵庫に人参のサラダがあるし、更に大根サラダもつくろうと思っていたから、グラタンの中身はほうれん草にしよう。赤・白・緑、いい感じ。洋風メニューになるから(パンもあるし!)、汁物はポタージュ。舞茸とゴボウでつくってみよう。

ポタージュは、noteで舞茸をポタージュにする記事を見付けてつくってみたいと思っていたもの。舞茸が1袋しかないので、ゴボウと合わせてみる。きっと深い森の中のような香りと土の香りがマッチするはず。バターで舞茸とゴボウをよくよく蒸し炒めし、出てきた水分が飛んで全体の色が濃くなってきてから水を入れる。ミキサーにかけるときはしっかり目に。こしょうのよく合う、大人の味に仕上がった。きのこが好きな娘さんも、きっと喜んでくれる。

人参のサラダは、いつものラペに紫玉ねぎと清見オレンジを合わせてつくり置いていたもの。冷蔵庫に入れてたらジューシーさが減った気がするので、ドレッシングを少し足そうと思う。ハーブを少し加えて目先を変えてみるのはどうだろう。オレンジの風味を邪魔しない程度に、乾燥タイムを入れてみる。

グラタンには、ゆで卵とガラムマサラを忍ばせる。器の底に置くゆで卵は、半熟気味につくって3人で1個を分ける。玉ねぎ・ほうれん草・ハムをバターで炒めて、小麦粉をまぶして牛乳でのばした具入りのさっぱりしたホワイトソースをかけ、大人用にだけガラムマサラをふって、チーズをかける。

メインははちみつチキンにしようと調味料で漬けておいた。これはアレンジしようのないシンプルさで、しかもトースターで焼ける気軽さ。でも、いつつくっても美味しいレシピ。今日は隣にしいたけも並べて焼く。焼いている途中にグラタンも入れれば一緒にできあがり。

どんなふうに工夫したか共有しながら食べる夕ごはんは、へぇーどれどれ・なるほどいいね、とにぎやかだ。どれも自分好みのアレンジで上手にできたと思ったが、はちみつチキンがいつものようにすごく美味しかったので、シンプルさ・潔いことのかっこよさも思う。わたしの料理の原点は学生時代のアルバイトで、焼き鳥屋では「きちんと下ごしらえすればただ焼くだけで美味しい」ことをとことん教えてもらえたと思う。行ったり来たりしながら、ミニマムなところを目指すようになるのかもしれない。いまのわたしは、まだアレンジが楽しい時代。

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