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後輩たちへの手紙②誰にも侵されない自分

大学3年生の就活を伴走する1年間のゼミを運営しています。
ゼミを通じて、学生から社会人への大きなステージチェンジを一緒に過ごした卒業生へ向けた、お手紙の記録です。

23年5月31日の手紙(前半)

ゼミは面談期間に入りました。覚えていますか?「自分を形成する上で影響が大きかったこと」をお話しいただく第1回目の面談です。

はじめて1対1で話すこの6月の面談期間は、とても楽しみでありエネルギーを必要とする期間です。
その人だけの人生のストーリーを聴かせていただく時間。あなたは今だったら、どんな話を語りたいですか?

「自分を形成する上で影響が大きかったこと」というテーマでは、本当に様々なことが語られます。
何か成功体験や一所懸命に取り組んだことを語ってくれる人も多いですが、苦しい経験や思うようにできなかった時期のことを語ってくれる人も多い。
何度も思い出してきたことを話してくれることもある一方で、誰にも言えなかったは経験や感情が、はじめて言葉になって表れることもあります。

どんなストーリーもその人をつくるかけがえのない要素のひとつ。そう思うと、辛さや不安・悔しさと共に思い出されるストーリーであっても、宝物のようだと思いませんか。
語ることは宝物を掘り起こすようなものだとよく思います。一緒にそのプロセスを見守るような、祈るような気持ちで語りを聴いています。

社会人になると、学生時代以上に「何事もなく淡々と過ごしている」「順風満帆」な時期は、ほとんどなかったと感じています。みなさんはどうですか?

キャリアの中で、最も私が落ち込んでいたのは、実は2回目の転職をした34歳のときでした。
その転職直前の、つまり新卒で入社した会社の次に転職した2社目の会社では入社直後からものすごく認められていて、トントン拍子に昇格しました。
もちろん会社の文化や考え方の違いに戸惑う場面はあったし、管理職に昇格したときにはハゲそうに忙しかったりもしましたが、辞める頃には「何があっても乗り越えられる自分」を信じることができていたし「次どこに行っても通用する自分」を疑わなかった。その自信がこてんぱんにやられるんですよね…

30代なかば…仕事を進める上で大事なスキルはもう充分に備えられたと思っていたけど、それは自分のいた小さく優しい世界の中だけのことだったんだと思い知らされました。
上司には否定とダメ出しばかりだし、何をやっても認められない。ものすごい劣等感と恥ずかしさから、入社して1ヶ月経たないうちに本気で「会社行きたくない」と思うようになっていました。
その半年後には、新入社員たちやその上司から深い信頼を寄せられ、人事部門として初めて事業部門との新しいプロジェクトを担当することになるんですが…
…いったい、どうやって壁を乗り越えたのか。

「自分は誰にも侵されない」と毎日思い出していただけなんです。どういうことかというと…
自信をなくしたり自分がダメだと見えることはある。でもどんなときも自分がどんな気分でいるかは自分が選ぶことができる
否定されたりダメ出しされるとその瞬間は傷付けられたと感じてしまうけど、傷付くかどうかは自分で決められる。傷付かないことを選ぶこともできるんよ。

今日一日を、落ち込んだ気持ちや悲しい気持ちで過ごすのか…機嫌よく、優しさや幸せを感じて過ごすのか…
何があっても自分の心の中は誰にも侵されない。誰も自分の感情や気分を決めることはできない、私が自分で決めるんだと毎朝言い聞かせていたんです。

苦しいときって、自分で決められるものがないと感じる時かもしれないです。
そんなときこそ思い出して。自分の心のうちは自分で選ぶ・自分で決めることができる。そしていつしか今この瞬間も、自分を綴るかけがえのないストーリーになる。
もし今しんどいなぁと思っている方がいたら、そんなふうに思ってみてほしい。
明日から6月、みなさんはどんな気持ちで毎日を過ごしますか?どんな感情で自分の心を満たしますか?

あ、もちろんアウトプットすることも大切です!当時「仕事つらい」「会社やめたい」といろんなひとに言っては励ましてもらっていました…
そのうちの1人がその後だんなさんになるわけですが…人生って面白いですね。。

後半に続きます

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