見出し画像

カヤックの面白さについて

はじめに

僕は、2011年にアウトドア用品メーカーであるモンベルに入社し、その年にカヤックに出会い、退職までの2017年まで、カヤック三昧の生活をさせてもらっていました。(とても有難い経験です)

仕事では、お客様へのカヤック販売をはじめ、川や海でのカヤックツアーを行ったり、プライベートでは、激しい川下りや、ゆったりとしたリバーツーリング、海岸線の散策、無人島でのキャンプ、沖縄にカヤックトリップなど、仕事も遊びも関係なく、カヤックで遊ばせてもらいました。

そんな僕のカヤック三昧だった生活も、モンベル退職直後のニュージーランドへのカヤックトリップを最後に、ひと段落

現在は、年に1,2回川下りする程度です(子どもが小さいので。もちろん引退したつもりはありません!笑)。


僕がカヤックに熱中していた頃、アウトドアしない友人に「何がそんなに楽しいの?」と聞かれることがありましたが、その時はうまく説明できませんでした。

ですが今は、そのころと比べると、少し客観的にカヤックのことを考えることができていると思います。

そんな僕が思うカヤックの面白さを書いてみたいと思います。


【カヤックの面白さ①】普段見れない景色を見る


カヤックがあれば、水面を自由に漕いで移動できるので、通常では人がアクセスできない場所に行けるようになります。この先にはどんな景色が広がっているのか、ワクワクしながら進む楽しみがあると思っています。


〇川・自然豊かな渓流の景色

市街地を流れる大きな一級河川でも、上流の方に行くと、歩道からは川の流れが見えないような、森に囲まれた区間があります。簡単に言うと、渓流でしょうか。

そんな渓流は、蛇行して流れていることが多く、川幅が狭く流れが急になっていたりします。

ですが、急な区間があったかと思うと、プールのように穏やな場所(トロ場と言います)があったりします。

渓流にあるトロ場は、川に覆いかぶさるように両岸から緑が生い茂り、暗くなっていたりするので、晴れていると水面に映る木漏れ日が綺麗に見える。

まさにその景色は水面からでないと味わえないものだと思います。木漏れ日の下にカヤックで浮かんで、少しの間休憩したりするのが、とても癒される。そんな素敵な区間がある川は、何度下っても飽きないものです。

※ちなみに渓流でなくても、雄大で穏やかな川も素敵です。気になる方は、こちらの記事をご覧頂ければと思います。


〇海・リアス式海岸の景色

漁港からカヤックで漕ぎ出し、外海に出て海岸線を漕ぐ。リアス式海岸の地形でよくあるのですが、波の浸食によって、地形がえぐられて入り江のようになっている場所がある。

そんな、こじんまりとしたビーチは、エンジン付きのボートでは上陸できない場合が多いので、そこに上陸したり、そこからの景色を見れるのは、手漕ぎのカヤックならではだと思います。

※島根のリアス式海岸の雰囲気は、こちらの記事をご覧頂ればと思います。


それ以外にも、アイランドホッピングと言って、島が密集している海域では、島から島へカヤックで渡りながら旅する楽しみ方もあります。各島でプライベートビーチを見つけてキャンプしたり、それぞれの景色を楽しんだり。

ちなみに、海岸線沿いや無人島の、誰も知らないビーチの見つけ方は、グーグルマップの航空写真で探すのがおススメです。探している時からワクワクしますよ!


画像4



【カヤックの面白さ②】穏やかな水面に浮かぶ

 

風もなく静かな水面は、ピンと張っていて、周囲の自然の風景を映し出す、鏡のようにみえる。そんな水面にカヤックで浮かぶと、自分の体重で少し浮き沈みして、フワフワとした感覚になる。なんとも言えない気持ち良さがあります。

〇湖・静かな湖面に浮かぶ

静かな湖面に、カヤック初体験で浮かんでみたとします。片側のパドルを水中に入れて、水をかくと、カヤックが回転し始めます。
それを右、左、右…と交互に漕ぐことで、カヤックは前に進んでいくわけですが、最初はまっすぐ進もうと思っても、くるくる回ってまっすぐ進めない

でも慣れてくると、自分の思い通りにカヤックをコントールできるようになり、水面での身のこなし方が分かってくる。

そうなると、穏やかな湖面の上なら、水と一体化した気分になれる。浮力による独特のフワフワ感と、自由な感じが、とても気持ち良いです。


【カヤックの面白さ③】水のパワーを感じる


湖のような、静かな水面を漕ぐだけでは物足りないなら、川の急流や海に行ってみると良いです。

なら、複雑な流れが作りだす波や、白い水しぶき上げる瀬がある。なら、うねりが作り出すパワーのある波がある。

激しい川や、波のある海でカヤックに乗っていると、下から突き上げられたり、強い流れに押されたりする。

始めのうちは、水のパワーが想像以上にパワフルで、ちょっとドキドキするものですが、慣れてくると、水のパワーをうまく使えるようになる。

流れや波の上で、水のパワーを感じて、思うままにカヤックをコントロールできるようになると、自然と一体化した気分になれます。


〇川・急流を漕ぎ下る

川の速い流れにうまく乗ると、想像以上のスピードでカヤックが進み始める。さらに、パドルで思いっきり漕ぐと、どんどんスピードに乗っていく。

そのスピードで、水しぶきを浴びながら、落差がある落ち込みの先にある、水の壁(ホール)を、思いっきり突き抜ける。これが、すさまじい爽快感があります。

例えるなら、ディズニーランドのスプラッシュマウンテンみたいな感じでしょうか?一人乗りのスプラッシュマウンテンみたいな。(笑)

※もし、急流の川の雰囲気が知りたければ、こちらの記事内の動画がわかりやすいかと思います。


〇海・波に乗る

これは、カヤック、サーフィン、サップなど波乗りができるパドルスポーツなら共通して言えることです。

サーフィンをイメージしてみて下さい。沖の方から、うねりの山が自分にむかって近づいてきて、自分もそれに合わせてパドリングを始めます。

そのうねりが近づくと、水面がカヤック(やサーフボード)を後ろからグッと持ち上げ始め、波の斜面ができ、自分のカヤックが波に押されて走り出す。この走りだした瞬間が最高に気持ちいいのです。

僕は、思わず「ヒャッホーイ!!」と言ってしまいます。(笑)


川でも、海でも、水のパワーの特徴はありますが、どちらも波のパワーを全身で感じることができるカヤックは、自然の力を思う存分楽しめるスポーツだと思います。


画像6



【カヤックの面白さ④】遊びの幅が広がる


アウトドア全般で言えることですが、カヤックができると、旅行や遊びの幅が広がります。普段の観光や、美食の旅にプラスして、アウトドアを加えることができる。

例えば、四国へ旅行に行く場合。四国の美味しい食を味わう旅だけでも、もちろん楽しいと思いますが、そこにカヤックでの川遊びを追加することで、楽しさが何倍にもなります。

高知カヤックトリップ

具体的なワクワクプランを書いてみます。

高知県越知町を流れる透明度抜群の仁淀川をカヤックで下り、真夏ならライフジャケットを着けて泳いだりして、思いっきり冷たい水を楽しむ

夕方からは高知市内まで移動し、カツオのたたきが美味しい居酒屋に入り、刺身やカツオのたたきと、今日の川遊び話を肴に、高知の地酒を頂く。

翌日は、ひろめ市場でご飯を食べ、高知城を散策したりしても良い。

カヤックを持っていくのが大変なら、仁淀川のように、ある程度有名なフィールドなら、現地ガイドがいると思いますので、依頼してしまえばラクチンです。

〜〜〜

四国は綺麗な川が多いので、例に出しましたが、九州でも紀伊半島でも信州でも、北海道でも!どこでも、カヤックはできます。

もし、シーカヤックとリバーカヤックの両方漕げるなら、海や川があれば、日本全国で遊べるようになる。


さらに言えば、国内に限らず海外でもカヤックできます。カヤックのルールは基本、世界共通。水上でコミュニケーションをとる為のサインも、ほとんど同じです。

いつかは世界の川や海でカヤックを漕ぎたい、そんな目標もいいですね!

画像8



【まとめ】カヤックで気付く日本の豊かさ


僕がカヤックを始めて一番大きく変わったことは、日本に住んでてよかった!と思うようになったことです。

日本は、河川大国であり、海に囲まれた島国です。

カヤックという遊び道具を持っていれば、大げさじゃなく、日本のどこにいても、間違いなく楽しめます。

日本地図を広げたり、河川マップを眺めるだけで、この川の上流域はどんな景色だろうこの海域の地形はシーカヤックで探検するのに素晴らしいだろうな、とか、想像が膨らみ、ワクワクが止まらなくなります。


そんな僕も、カヤックを始める前までは、東京を始め、主要都市以外の地方にあまり魅力を感じていませんでした。

カヤックという遊び方を知った今、いわゆる「(田舎なので)遊ぶところが何もない」といわれるような地域にこそ、どんな景色が広がっているんだろうと、魅力を感じるようになりました。

都会も、自然も、どちらの楽しみ方も知りながら、カヤックやアウトドアで、日本を隅々まで楽しんでいけたら、最高に楽しいですよね!

画像6

(表紙、最後の写真:Yuya Nojiri)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?