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【性に正直になる】ブラジル人のゲイの友達と再会して感じたこと

お久しぶりです、やしです。数か月前に出た旅を振り返ります。

今日はブラジルで再会したゲイの友達との話。

彼とはヨーロッパでの短期留学で出会った。短期留学ではブラジル人、コロンビア人、ペルー人(なぜか南米出身多め)たちとプチ旅行に行ったり、夜はクラブで踊り明かしたり、たったの3週間だったけど本当に充実した日々を過ごした。まさかヨーロッパで南米出身の人たちと仲良くなれるなんて思っていなかったから、嬉しくて最高の日々だった。彼はその中で最も明るくて、まさに”彼の周りはいつも笑顔だらけ”だった。初日からいわゆる”ゲイらしい”仕草が何度も伺えて、ゲイなのかなあなんて思っていたら、「I am a gay.」と教えてくれた。当たり前のように言う彼に驚いた。ブラジルでは多様な性に寛容であることを知ったのはそれからだった。驚く自分が恥ずかしかったけど、私の気持ちはすぐに見破られて「JapaneseやKoreanはゲイであることを恥ずかしがって言わないんでしょ?」と言われた。性に不寛容な日本っていうイメージが悔しかったけど、正直に頷くことしかできなかった。

彼はとにかく明るい。ムードメーカーという言葉では収まりきらないくらい、周りを笑顔にする力がある。彼は決して英語が流暢に話せるわけではなかったのに、語学学校では常に周りに人が集まってきていたし、彼の笑顔は目を輝かせて白い歯をにっこりと見せてくれて大声で笑っていた。街中でも夜のクラブでもイケメンを探しては私に「この人なかなか良いねえ~」と言ってきたり「やしはこの中で誰が一番タイプ?」と目を輝かせて言ってきたことは忘れられない思い出だ。

私が日本に帰る日、朝早かったがお見送りに来てくれた。「次はどっちかの国で会おうね」と約束して、その後もSNSでしょっちゅうメッセージを送りあっていた。それから3年の月日が流れ、南米に行けることになり真っ先に彼に連絡をし、日程調節をしてもらった。彼はちょうど夏休みで1週間ずっと一緒にいられると言う。(ブラジルには社会人にも1ヶ月〜2ヶ月ほどの長期休暇がある。羨ましい、の一言に尽きるby社会人1年目)ツイてる。最高に楽しみでリオデジャネイロまでの乗り継ぎ3回、合計36時間ほどのフライトはあっという間だった。

3年ぶりに再会した彼は相変わらずパワフルで周囲の人をすぐに笑顔にする素敵な人だった。リオから彼の家があるサンパウロまでいろんな観光地を案内してくれたし、ローカルな食堂にも連れて行ってくれし、いろんなクラブで踊って飲み明かした。コルコバードの丘はトロッコが満席で行けないってなりかけたけど、彼が交渉してくれたおかげでタクシーでそこそこの値段で行くことができた。灼熱の太陽に何度も心が折れそうになったけど、カメラロールがキリスト像で埋まるんじゃないかってくらい写真を撮った。ヘッダーはその中の一枚。
最終日は彼の家に近所の人たちを招いてパーティーを開いてくれた。ポルトガル語なんてオブリガーダぐらいしか分かんなかったけど、心の底から楽しかった。一生の思い出ってこのことかもしれない、と半年以上経った今でも思う。

彼と彼の友人たちとのお別れは本当に悲しかった。大きいバスステーションでお別れした後は楽しかった思い出とお別れの悲しさ、これから一人旅になるという寂しさ、色んな感情がこみ上げてきて一人で涙を流していた。(一人旅あるあるってことでいいですよね?急に涙出てくるやつ)

ブラジルではゲイであることが、足の親指が長いのか人差し指が長いのかと同じレベルの1つの個性だ。ゲイだからこうなんだ、とかゲイ(笑)みたいな笑いは一切起きない。というか、起きたら非常識な人と非難されるだろう。
もちろん、ブラジル人全国民が同じ意見を持ってるなんてことはあり得ない。それでも自分のジェンダーを理解してそれを表に出す、ということに理解がある人が圧倒的に多い。

その点で日本はどうだろうか。今務めている会社で「私はレズビアンです」と言ったら、周りがどんな反応をするのか、想像しただけで悲しくなる。当事者じゃないから悲しいの一言で終わらせてしまえるけど、当事者であればどんな心境なのだろうか。「日本は遅れているから、外国を見習わなきゃいけない」みたいな意見、なんだか胡散臭いし外国被れ乙wって非難されがちだ。しかし、ジェンダーの問題に関しては私は圧倒的に日本は遅れている、と感じた。(注:少なくとも、今私が暮らしている環境は遅れている。これはいわゆる”日本の大企業”の宿命なのだろうか・・・)

そこまで自分の性に正直になることが何が良いのか、って思う方もいるかもしれない。そんな人には彼を見て欲しい。彼の生き方を知ってほしい。日本でもどんなジェンダーとセックスであっても楽しく恋愛をしてほしい。私たちがそういう世界を作っていかなくてはいけない。
SNSが浸透した今日では、多様な性の方々が正直になり、彼ら・彼女らの考えや抱えている問題を世に出す機会が増えている。そういう風に少しづつでも世の中は変わっていかなきゃいけない。昔が正しいなんて、何の根拠もない。

そもそもこんなタイトルで文章作る私が一番彼ら・彼女らを差別しているのかもしれない。この文章が時代錯誤になってほしいし、この地球に生きる人みんなが自分の性に正直に同じように恋愛をして、同じように社会で生きていける世の中にしていきたい。どの年代の人にもそう考えてもらわないと世の中は変われないので、上の世代の人たちにもどんどん働きかけていきたい。


そういえば、最近徐々に増えているけど色んなフォームの「性別」を記入する欄に「女」「男」「その他」っていう三択がある。そもそも性別を記入する必要ってあるのだろうか。その人の気持ちが女性だろうが男性だろうが、今までは当たり前に「名前」「生年月日」の後に「性別」という欄が続いていただろうが、言わんこっちゃない。本当に必要な情報だけを記入したいものである。近年は個人情報漏えいって問題も厳しんだから。




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