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服選び1

出かける前、服を選ぶことが億劫になってきました。

一応、服を作るお仕事をさせてもらっており、ファッション業界と言われるところに属しているわけですが、どうゆう訳か着る服を選ぶことが億劫になったのです。

結局、いつも同じような服を着て同じような服装で外に出てしまいます。会社の人からすると、あの新人はいつも同じ服を着ているなと思われてもおかしくありません。清潔感を失わないようには心がけていますが、危険を孕む冒険よりも安定・安心を自然に心が求めているようだ。と、勝手に解釈しています。

元々は服の専門学校に入ったくらいですから、服が大好きだったのです。今でも好きですが、好きの意味合いは変わってきてしまったのかもしれません。数年前は着用して着飾ることが好きだったのですが、今は創ることが好きという感覚になってきました。その変化はグラデーションでしたが、ほんの数年の出来事です。お金の使い道も随分と変わってきました。自分が飽き性なのは理解していましたが、好きなものがコロコロと変わっていくのは寂しさと少し恐ろしさすら感じます。

毎朝、同じデニムに脚を通し、ベルトをし、同じTシャツを被り、同じ靴を履く。

こんな人間から、多くの人を魅了するような服が創られるのかと思われるでしょう。でも、今はいいんです。ひよっこサラリーマンですから、お金もありませんし、身の丈に合った服装は悪くないと思います。

Appleを創ったスティーブ・ジョブズも同じ服を毎日、着用していたと言われていますが、全く同じというより似たような違う服装を着ているなという印象が僕にはしました。創ることに集中するために、余計な判断を減らすというような理由だったと記憶していますが、僕にはそんなかっこいい理由はありませんね。スティーブ・ジョブズは大切な場面ではしっかり決めたスーツなども着用していたようですが、僕にはそんな機会も滅多にありません。大事なのはメリハリなのでしょうか。

これはヨウジヤマモトにパタンナーとして在籍していた方に聞いた話ですが、ヨウジさんも個性的な服装をしていたようで『俺は天皇陛下の前でもネクタイなんか締めない』というような事を仰っていたそうですが、銀行の方が会社に訪問された際は、しっかりとスーツにネクタイを締めて対応をされていたそうです。

単純に面白いエピソードですが、人の服選びにはその人の考えがある程度反映されているようでとても興味深いものです。




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