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#井上真偽

読書日記『恋と禁忌の述語論理』(井上真偽,2018)

読書日記『恋と禁忌の述語論理』(井上真偽,2018)

2015年講談社ノベルスとして刊行されたものの文庫。加筆修正されている(らしい)。井上真偽は本書で第51回メフィスト賞を受賞してデビューしている。

主人公である大学生・詠彦(えいひこ)くんが遭遇した事件を、叔母の数理論理学者・硯(すずり)さんに持ち込み、探偵の推理が正しいかを検証してもらうという話。中編3本とエピローグ的1本で構成された連作長編だ。

*以下、詠彦くんが持ち込んだ事件、および硯さ

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読書日記『ベーシックインカム』(井上真偽,2019)

読書日記『ベーシックインカム』(井上真偽,2019)

井上真偽2冊目。
バイトの休憩時間に読もうと思うと短編集くらいがちょうどいい。平日は小説系、土日はちょっとお堅い本という読書ルーティンができつつある。

表紙、中表紙にはトレーシングペーパーを使っていて、おしゃれ。謳い文句は「SF×ミステリ」。
もうこの時点で結構好きになっている。

ネタバレしないように配慮して感想を書こうと思うが、勘がいい人にはネタバレになってしまうかもしれない。

言の葉の子

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読書日記『ムシカ 鎮虫譜』(井上真偽,2020)

読書日記『ムシカ 鎮虫譜』(井上真偽,2020)

本作について語る前に、井上真偽(いのうえ まぎ)との出会い方を語らせて欲しい。

私が井上真偽について認知したのは、3ヶ月前。近所の書店で激推しされていた。私はその店主のセンスをいいセンスだと思っているので、たぶん面白いんだろうなと思いつつ、あまり食指が動かずスルーした。

そしてその2ヶ月後、参加した読書会で井上真偽の『恋と禁忌の述語論理』が紹介されていた。私はそれを紹介した人のセンスも信頼して

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