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#神林長平

読書日記『小指の先の天使』(神林長平,2006)

読書日記『小指の先の天使』(神林長平,2006)

神林長平作品3冊目。
桜庭一樹の書評本でこの作品を知り、文庫本で購入してみた。単行本は2003年刊行。

神林長平の興味の対象は、「認知」「言語」「集合的無意識」なのかな〜と感じていて、それはこの作品にも通じている。その上で、今まで読んできた作品の中で、一番読者向け、というか大衆受けしそうなテーマの作品だった。

そして、やはり、短編連作を編むのが上手すぎる…!!時系列順ではないのだと考察するが、

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読書日記『いま集合的無意識を、』(神林長平,2012)

読書日記『いま集合的無意識を、』(神林長平,2012)

神林長平作品2冊目。
「伊藤計劃を読んだならこれも」と『言壺』を勧めてくれた友人のおすすめ。

正直、『言壺』に感じたような衝撃的面白さは無かった。連作短編集ではなく、初出がバラバラの短編を集めたものだからだろう。

好きなのは「かくも無数の悲鳴」、次点で「切り落とし」「いま集合的無意識を、」かな。

「かくも無数の悲鳴」は量子力学的なお話で、物理は全然わからないけど、こういう話は大好き。

「切

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読書日記『言壺』(神林長平,1994)

読書日記『言壺』(神林長平,1994)

SFにハマってるんだ、と話したら、中学からの友人がおすすめしてくれた。友人曰く、「神林先生の作品の中では一番理解しやすく、書きたいことが明確なので初心者向け」らしい。

その後、『小説という毒を浴びる』(桜庭一樹)でもおすすめされていたので、期待値を高く読み始めた。

万能著述支援用マシン「ワーカム」を巡る9編の短編が収録されている。

「言語」と「認識している世界」の関係を描いているという点では

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