後輩がうまく育たないことで悩まなくなったよ

以前、新卒の子を指導する機会がありました。

最初の頃は、心に余裕を持って指導しようと心に決めているのですが、しばらく経過すると「あれ、この子また同じ失敗をしてる…」「自分のときは、この時期にはこれ出来てたんだけどな〜」と、後輩の出来ていない部分が見えてきます。

そして同時に「自分の教え方が良くないのかな」と、自分への自信も失っていきます。

焦って、色々後輩への指導を厳しくしてみたりするものの、後輩に変化は見られず、ますますドツボにハマっていきました。

今日はそんなふうに後輩指導に悩んでいた時に、上司に教えてもらって目から鱗だった話を投稿しようと思います。

人を「育てている」なんておこがましい。

後輩の育て方で悩んでいるという相談を同じ部署の上司にしたところ、「お前、アイツ(後輩)の親でも無いのに、“育てよう”と思ってんの?おこがましいわ」と笑って言われました。

その上司は人の育成が上手く、私の他にもその上司に「育ててもらった」と感じている社員は社内にたくさんいました。そんな上司にそんなことを言われたので当時私はかなり驚きました。

私:「えっ、どういうことですか?」

上司:「お前は後輩に教えられることを出来るだけ分かりやすく伝えれば良いの。育つかどうかは後輩本人の問題。

私:「うーん、でもやっぱり先輩の教え方って後輩の成長に結構影響するでしょ、育つかどうかは本人次第って無責任じゃないですか?」

上司:「自分の課題と他人の課題は分けて考えろ。お前はあくまで、後輩必要な指導が何か、それをわかりやすく伝えられているか、ということだけ気にしていれば良いんだよ。お前の指導の仕方に本当に問題があるときは俺たちがいうからさ。」

自分の課題と他人の課題を分けて考える。

確かに、私が新卒だった頃、先輩が一生懸命に教えてくれていても、その意味が分かるのはかなり時間が経ってからでした。

植物に肥料をあげたときと同じように、肥料から栄養を吸収して植物が伸びるまではタイムラグがあるように、人間が教えてもらったことを噛み砕いて理解して生かせるようになるまでは時間がかかるのです。

先輩が自分で教えたことを忘れてしまった頃に、「そういえば、昔、先輩がこう教えてくれましたよね!」と言って、先輩が「そうだっけ?忘れたわ」と笑われたこともあるくらい。

だから、私が後輩に指導したとしても、そも指導が後輩の成長に生きてくるのはずっと後のことなので、後輩が成長しない=自分の指導が悪い、では必ずしも無いのです。

先程の上司の話は、上記を前提として、あくまで後輩の成長は後輩の責任、後輩に指導して知識を与えるのが先輩の責任、先輩の指導方法に問題が無いかを確認するのが管理の責任と分けて考えろということだったのです。

分けると課題がシャープ見える。

そうやって、誰の課題を意識して指導するようになると、「なんでこうなっちゃうんだろう…」と無駄に悩むことが少なくなりました。

例えば、

・何度も伝えたことを後輩が出来ていなかった場合には、それは「後輩の課題」として、後輩に再度同じことで間違わないように自分で解決策を考えるように言う。

・説明したすぐ後に、後輩がうまく理解していない場合には「自分の課題」として説明の仕方を考える。

というように、誰が何をするべきなのかということを意識することで、課題がシンプルになって解決しやすくなりました。

後輩も「ここは自分が頑張るところ、ここは先輩に頑張ってもらうところ」という線引きができて、無意味に凹んだり、がむしゃらな努力で疲弊しないようになって、自分がやるべきことに注力できるようになったようです。


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後輩育成だけではなく、なんだか腑に落ちないことは「誰の課題か」ということを意識すると、他人のせいなのか、自分のせいなのかが分かって、ぐるぐる悩むことが少なくなります。

昔流行った「嫌われる勇気」という本もそういう内容だった気がします。うろ覚えですが…。

4月からまた新卒社員が入ってきて、指導係になる人もいると思いますが、頑張りましょうね!

それでは、来週もゆる〜く頑張りましょう!

今後も継続的に記事を書き続けていく予定です。 100円くらい投げてやっても良いかなという方がいらっしゃったら、とっても嬉しいです。ぜひよろしくお願いします!