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紫外線が子どもの目に及ぼす影響は?

最近、サングラスをかける子供たちを垣間見るようになりました。人数的には圧倒的に少数派。でも、子供は、大人以上にサングラスが必要かもしれないのです。その理由を、紫外線研究の第一人者、金沢医科大学眼科学講座の主任教授、佐々木洋先生の研究結果からご紹介します。

佐々木先生は、紫外線が眼に与える影響を検証するために、赤道に近く、また住民の野外活動時間が長いとされるタンザニアで調査を行いました。

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紫外線で進む眼の老化

私たちのイメージとして「アフリカ人は目が良い、日本人は目が悪い」というのがあると思います。赤道に近いタンザニアでは、18歳以下の子どもたちの90%以上が、視力1.0を超えているそうですから、日本の子どもたちより視力が良いのは確か。

ところがタンザニアの成人は、核白内障になる人が多く、早く老眼になってしまうそうです。本来は目が良いのに、居住環境の影響によりアフリカの大人たちの目は、早く老化してしまうんですね。

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タンザニアの紫外線は、日本の平均的な地域に比べると、約2倍も強いそうです。しかもタンザニアでは家屋の構造上、屋内でも紫外線を浴びやすいため、同地の子どもたちは、日本の子どもたちの3.3倍!も紫外線を浴びていることになります。

その結果、タンザニアでは小学生の時点で94.3%の子どもに「瞼裂斑」が見つかりました。日本の小学生は6.5%ですから、なんと14.5倍の数値となります。

「瞼裂斑(けんれつはん)」とは、紫外線が原因とされる眼疾患で、白目の一部が黄色く濁って盛り上ってくる症状のことです。瞼裂斑が大きくなってくると、充血・ドライアイなどの症状が出るそうです。一度出来ると元には戻りません。進行を止めるには紫外線対策が重要です。

中学生の約4割が「瞼裂斑」初期変化を発症

そしてこれは、タンザニアだけの問題ではありません。金沢医科大学が行った調査によると、なんと! すでに! 日本でも中学生の約4割が瞼裂斑の初期変化を発症しているというのです。

同大学の調査ポイントを紹介します。

■学年が上がるほど有所見率が高くなった。

■屋外活動時間が長い生徒に所見変化が見られた。

■メガネを使用していない生徒の所見が高かった。

学年別では、1年生は25.9%、2年生は41.4%、3年生41.9%と、学年が上がるほど有所見率が高くなっています。また、所見変化が見られた生徒は、所見がなかった生徒より部活動など屋外で活動している時間が長く、眼部の紫外線総被ばく量が多かったそうです。メガネを使用している生徒より、使用していない生徒のほうが、有所見率が約3倍高かったとのことです。

佐々木先生は、日本でも、屋外にいる時間が長い子供ほど「瞼裂斑」を発症しており、紫外線の被ばくと瞼裂斑などの眼の障害とは関連性が高いと指摘しています。

紫外線の強い地域は沖縄、と思われそうですが、実は、日本で一番紫外線が強いのは、1位 長野県、2位 宮崎県、3位 沖縄県です。「1位じゃないから安心」というわけにはいきませんよね。現在の気候環境を考えると、どこに居ても紫外線対策が必要だと思われます。

佐々木先生の調査結果によって、大人だけでなく、子どもたちの眼の紫外線対策がとても重要だということが分かりました。

紫外線を完全に防ぐことはできないにしても、つばの広い帽子をかぶり、さらにサングラスやUVカットのメガネを着用するなどの対策が求められます。

最近は、レンズに色がついていないように見えて、有害な波長の紫外線をしっかりカットできる高機能レンズも発売されています。室内でも目立たず使えるサングラスとして人気です。

野球やサッカーなど屋外スポーツ活動をなさるお子様の場合、特に配慮が求められます。紫外線対策としてのアイウェアを選ぶときは、歪みのない高品質レンズとともに、レンズと顔のすきまから紫外線が入り込まないようなスポーツデザインを選ぶと良いですね。あるいは、コンタクトレンズという選択肢もあります。

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子供こそサングラス。そんな時代になりました。ビックメガネでは、お客様が使用する眼鏡やサングラスの、主な使用環境・状況等をおうかがいし、それに合わせたレンズをお勧めしています。

また、ご愛用の眼鏡・サングラスのレンズ交換も承っています。どうぞお気軽にご相談ください。



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