再起不能からの復活~大腸癌5年目~
ずーっと、仕事をしてきました。
家庭での食生活をおろそかにしていました。
食のバランスが大切という意識はなく、食べたいものを食べる生活です。
しかも相方は肉好き、野菜嫌い。
ドドーンと肉を買ってきて、申し訳程度に野菜を刻み、豪快に飲みながらの夕食。
その結果といえるのかどうか、相方は、大腸がんに。
しかも腹腔鏡手術失敗で腹膜炎。緊急手術で一命を取り留めたものの、全身の血液をろ過するなど、意識もうろうとした中で1カ月ものICU生活。
そして1年以上にも及ぶ人工肛門生活。
再起不能。生涯車イス。年齢的に、そのような判断をされました。100キロ近かった体重も50キロ代に。
しかし、入院中の部屋に仕事道具を持ち込まさせて、お客様から依頼されたメガネを修理するなど、仕事に対する情熱は消えませんでした。
1分歩くだけで息切れ。それでも、時間さえあれば、つかまり立ちしながらの歩行訓練。
そして仕事復活。時々は車椅子。
退院後の診察で病院に行った時、ICUで血行障害防止などのリハビリを担当してくれていたスタッフが「幽霊を見るような顔をして驚いた」とのこと。実は「亡くなった」と思っていたそうです。それほど、ダメダメな状態だったんですね。
癌は治ったけど、手術で死ぬところでした。
人工肛門生活は約1年半で終わりました。肛門から7センチの位置だったので、元に戻せたんです。ただし、それからがまた大変。
大腸を失うと、下りてきた便を貯める機能が無くなります。夜中だろうと昼だろうと、一回行くと何回も何十回もですから、熟睡なんかできません。
通常は、大人の紙おむつを使うそうですが、プライドのせいか、一切使わず、乗り切りました。今は、1回行くと2、3回程度で済むそうです。
体重は、困ったことに、復活し過ぎです。80キロオーバーなので、少し絞る必要があります。
癌手術前年に、片方の骨頭壊死による置換手術。癌手術後に、もう片方の骨頭壊死置換手術。両足共にチタンを入れていますから、体重管理が重要になります。
現在、わが家は食生活をがらりと変えました。ダイナミックアメリカンから和食中心です。
ハンバーガー、ステーキ大好きオヤジに、煮つけだの、煮物だのを食べさすようにしています。元来、腎機能が弱くなっていたので味付けも薄くしています。肉類は量を減らし、回数を減らしています。
来月は、癌手術から5年目の精密検査があります。晴れて完治(の予定)♪
生涯現役のメガネ職人を目指して、まだまだ頑張ってくれそうですが、本人が一番気にしていることは、緊急手術だったのでお腹の筋肉を失ったままで今に至るコト。つまり、腹が出ちゃってるんですね~。
腹が出たぐらい、大したことないじゃん! そう思いませんか?
命があって、仕事ができる。「運」の神様のおかげです。