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自分の仕事を守るために必要なのは、冷静さと客観性とほんの少しの想像力。

こんな事態になることを、果たして何人のひとが本気で覚悟していただろうか。わたしたちの身に突然降りかかった「新型コロナウィルス」による社会的な影響により、2020年の年頭には想像もしていなかった情勢が続いている。

こんなコロナ禍において「仕事を守る」、ってどういうことだろうか。

仕事に守られているのか、仕事を守っているのか

この騒動がはじまり、飲食業界やホテル観光業界、小売業界には本当に想像もしていなかった危機に遭遇している。相次ぐ休業に、働きたくても働けない。そんな人たちが雇用形態関係なく起こっている。休業がこんなに不安になるものなのか、当事者のかたたちの心境を想像すると本当に胸が痛む。

この数か月、自社のお客さんの話や世間のニュースをみていてわたしが思ったことは「仕事ができているだけ、経済活動ができているだけでありがたい」ということだった。これは、たまたまこの瞬間に正社員で雇用されていて、”現時点”で大打撃を受けていないというところにいただけで、わたしはこの時、仕事に守られているなと感じた。

しかし、これは本当にたまたまだ。1年半前に転職するときに検討していた企業群には今回の件で事業的に大打撃を受けている企業もあり、きっと自分のこのままの考え方では、再び世界規模レベルでの経済的に影響のある出来事が起こったときに自分の身を守れないかもしれないと痛感することができた。

その日は、突然くる。だから、考える。

そんなこと言われても、占い師でも予知能力者でもないわたしたちは未来を正確に知ることはできない。だからこそ、いつその時がやってきてもいいように日常的に考えておく必要がある。いつもなら「まぁ、そのうちね」と危機感が沸かずに終わってしまうが、「来月、再来月に自分の会社や仕事を守れている保証がない」というひとたちが、こんなにも必死に自分の仕事を守るために試行錯誤をしている状況を目の当たりにしてきて、この経験を決して無駄にしてはいけないと思った。

では、どうすればいいのか。なにからできるだろうか。わたしは、この時代において自分の仕事を守るために必要なのは、冷静さと客観性とほんの少しの想像力であると考えている。

①今の仕事は、何が起こったら雇用を守れなくなるかを客観的にみる

今回のコロナにおける経済的な影響においては「人が移動できなくなる」「外出できなくなる」「人と人が接触できなくなる」「経費削減の影響をうけやすい」というのが、自営でも組織でも経営に大きな影響を及ぼす要因であったが、いまの自分の仕事においては、どんな要因が発生した場合に同じような状態に追い込まれるか、それを客観的に考え、事前に把握しておくことが重要である。

②実際に危機に陥ったとき、どんなことが起こるかを想像する

自分と遠い場所にあるものは想像がし辛い。実際に危機的状況に直面したときに自分の仕事にはどんなことが起こるのか、取引先や関係者にはどんな影響があるのか、自分の家族にはどんな影響があるのか。おそらく考えても想像しきれないぐらいのことが起きるし、考えるだけでも気持ちが落ち込んでしまいそうだが、できる範囲でもいいので、これを日常的に考えることが実際に何か起こったときの機動力を高めるのではないかとおもう。

③不安に襲われても慌てずに、日頃から自分を整えておく

いくら①と②で自分にとっての最悪のケースを想像していても、現実は平気でそれを飛び越えて私たちを襲ってくる場合がある。いろんな事態を想像するのも大事だが、不安になるような想像ばかりしていては日常の体がもたない。だからこそ後向きな想像だけではなく、冷静になって自分にとって前向きな想像をしよう。今のわたしなら何ができるだろう。これからはどんなスキルが求められていくのだろう。これから何ができるだろう。こんな時だからこそ、考えられることがきっとある。

自分の人生におけるセーフティネットを模索する。

以前から会社で働くことも、社外で活動していくことも、全て自分の人生におけるライフラインを増やすことになると考えていた。しかし、今まで一見耕してきたように見えるライフラインは、本当に自分にとってセーフティネットになりうるのだろうか、これについても今一度見つめなおす必要を感じた。

あらためて、「これをやれば絶対に安全」がない世界で生きていることを痛感させられた私たちは、自分達の身を自分達で守らなければいけない時代にいる。これは仕事はもちろん、自分も周囲の人も含めて、これから自分達が生きていくにあたって、自分の価値観や自分の在り方を考えさせられるような衝撃的な契機であったと思う。

それと同時に、社会におけるゆるいつながりや地域のコミュニティなど、今までの経験、社会活動、日々の生活の積み重ねが、この危機的な状況下においてお互いに人を助け、人を励ますことがあるということは、少なからず今の社会におけるセーフティネットのひとつになりえるということを肌で感じる場面があることだけが救いだと思った。

今もいろんなところで不安に押しつぶされそうになりながらも、諦めずに頑張っているひとがたくさんいる。どうかその人たちが早く平穏に暮らせる日々が戻ることを祈りつつ、TVから流れてきた「僕にできることは、まだあるかい」という歌のフレーズを聞きながら、自分にとっても、社会にとっても、一体何ができるかをこれからも考えていきたいと思う。


「おいしいものを食べている時がいちばん幸せそうな顔をしているね」とよく言われます。一緒においしいもの食べにいきましょう。