コーチが価値観をもつ
競技スポーツのコーチをする際に、先ず取り組むべきはなんだろうか。
戦術の勉強だろうか。最新の理論を学ぶことだろうか。あるいはコーチングのスキルを身につけることだろうか。
そうではない。
まず取り組むべきは自分自身の「価値観」を明確にすることだ。
「価値」とはなにか。目標との違いはなにか。
目標とは、
達成可能なもの、達成されるとリストから取り除かれるもの。
それに対し、価値とは、
進む方向や進む理由を示すもの。そこに向かい続けるもの。
なぜコーチにとって価値観を明確にすることが重要なのか。
それは、試合をすれば(引き分けのないスポーツであれば)1チームの勝利チームと、1チームの負けチームが必ず生まれるからだ。
シーズン通して勝ち続けられるチームがいたとして、それはそのカテゴリ内で1チームのみ。
ほぼすべてのチームが負けを経験し、ほぼすべてのチームが負けてシーズンを終える。
そのときに「試合に勝つこと」以外の価値がそのチームに存在しなければ、そのシーズンは失敗に終わってしまうことになる。
しかし、価値観を共有し、それを追い求めることができたのであれば、話は違ってくる。
わたしたちは価値を実践することができたのか。
その観点があれば、ゲームの勝敗という「結果」にかかわらず、その価値の発揮という点において私達は成功することができる。
逆に言えば、コーチが価値観を持ち、それを選手たちとともに追い求めていれば、たとえゲームに負けたとしても、目標が達成できなかったとしても、選手たちを別の観点で成功させることができるのだ。
バスケットボールの勝敗はバスケットボールの勝敗でしかなく、それ以上の意味はない。
勝ったあとに、負けたあとに、何を選手に伝えられるだろうか。
1年間追い求めた目標に届かなかったときに、選手たちに何を伝えられるだろうか。
あなたにとって「成功」とは何なだろうか。「競技スポーツに取り組む価値」は何だろうか。
あなたはスポーツを通して何を伝えたいのだろうか。
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