コロナ渦不染日記 #95
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コロナ渦不染日記 #95

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一月二十三日(土)

 ○一週間の……いや、今年に入ってからの疲れがたまってしょうがないので、今日は一日、何もしない日ということにした。

 ○昼すぎまで寝て、昼食をとってから、アニメ『サムライジャック』を見る。

 アメリカの子供むけアニメの大手「カートゥーン・ネットワーク」のオリジナルアニメで、監督のゲンディ・タルタコスフキーは、『デクスターズ・ラボ』の原作・総監督や、『スター・ウォーズ:クローン大戦』の監督をつとめた人物である。独特のデフォルメによるアニメは健在で、第一話がほとんどセリフらしいセリフがないなど、比較的大人むけの内容になっている。
「悪の化身〈アク〉によって故国を滅ぼされたサムライが、魔力の刀を手に、一度は〈アク〉を追い詰めるも、タイムトンネルに放り込まれ、遠い未来世界=〈アク〉が倒されずに支配し続けた果ての異形の未来世界に送り込まれ、そこで再び〈アク〉に挑む」
 というストーリーは、あきらかに『子連れ狼』の影響下にあるし、主人公のサムライの本名が明らかにならず、「ジャック」の通称で呼ばれるのみ、というところには黒澤明監督の『用心棒』や『椿三十郎』の影響が見られるなど、意識的に日本のチャンバラ時代劇の要素を取り入れつつ、基本構造には『蛮勇コナン』などのヒロイック・ファンタジを据えて、エキゾチックでありながら普遍的な冒険活劇に仕立てているのが上手い。
 ぼくたちが今日見た「エピソード12」などは、「長い長い吊り橋の途中で、片足がマシンガンになっているスコットランド人剣士と出会ったジャックが、相手もまた〈アク〉に命を狙われる反乱の戦士と知り、協力して〈アク〉の差し向けた殺し屋たちと戦うことになる」というストーリーで、これは明らかにフリッツ・ライバーの「ファファード&グレイ・マウザー」シリーズに代表される「二剣士」ものである。これが楽しめないはずがない。


 ○夜は鍋を作って食べたあとに、ししジニーさん、ノロワレさん、JH0SHUAさんと、映画『ザ・フォーリナー/復讐者』を見る。

 IRA(をモデルにした武装組織)の起こしたテロ事件によって、最愛の娘を失った老人が、武装組織の元メンバーで、いまはイギリス副首相に収まっている男に、犯人たちの逮捕を要請するも、組織内の権力争いと政治的な駆け引きに拘泥する男が一顧だにしないことに怒り、彼を相手に、ベトナム特殊部隊仕込みの孤独なテロ行為を繰り広げるという話は、主役の老人を演じたジャッキー・チェンのおさえた演技も相まって、復讐の幽鬼と成り果てた老人を、Jホラーの幽霊もかくやという恐ろしさで描き出している。イギリス政府とテロ組織の板挟みになりながら、さらに老人に追い詰められ、少しずつ精神をすり減らしていく副首相を演じたピアース・ブロスナンの円熟のたたずまいも素晴らしかった。

 ○本日の、全国の新規感染者数は、四七一六人(前週比-二二九三人)。
 そのうち、東京は、一〇七〇人(前週比-七三九人)。
 新規感染者の報告数が少なくなっているが、陽性者が報告された際に、重傷化リスクが低いと判断すれば感染経路の追跡調査をしない方針がとられているという話も聞く。

 ほんとうに感染者が減っているなら喜ばしいことだが、目に見える数字が減少しても、見えないところで感染が広がっているというのでは意味がない。いずれにしても、検査の方針が変わるのであれば、以前とおなじように数字を見ることはできないわけだ。


一月二十四日(日)

 ○ルーディ・ラッカー『ソフトウェア』を読む。

 本邦では、サイバーパンク的な文脈のなかで一九八九年に紹介されたが、実際にはギブスン『ニューロマンサー』の発表された一九八四年より二年早い一九八二年に出版されているので、これはプレ・サイバーパンクというべきだろう。だが、内容としては、しっかり『ニューロマンサー』につながる、テクノロジーと神話の話になっているし、テクノロジーによって人の生活が変化した、異形の近未来を描いて、パンクの雰囲気がある。

 ○こんな記事を読んだ。

 霊を語ることは、科学的・合理的な解釈による「死」を受け入れがたいこころのなぐさめとなる。そういう点では、オカルティズムやスピリチュアリズムも、科学と変わらない役割を果たすのである。ともに、世界を解釈するためのものさしであり、ひとのこころを安定させるものなのだ。
 幽霊が現れれば、その人が死んでいることがはっきりする。ゆくえのしれなくなった相手が夢に出れば、その人のことを思い出すことができる。科学は、「理解不能である」というところから、先へはゆかない。対して、スピリチュアルな解釈は、理解不能なものがそこにあることを受け入れやすくしてくれる。「わからないものがあってもいいのだ」ということを納得することほど、知性生物を安心させるものはないのである。

 ○かつて、ぼくも、上記の記事にあげられるような話を書いたことがある。

 巻末の紹介文には、「怪奇三十郎」とあるが、いまではすっかり四十郎である。

 ○本日の、全国の新規感染者数は、三九九〇人(前週比-一七六六人)。
 そのうち、東京は、九八六人(前週比-六〇六人)。

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→「#96 頭がスポンジ」



引用・参考文献



イラスト
「ダ鳥獣戯画」(https://chojugiga.com/


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