No.6 - 赤坂金型彫刻所

4_akasaka_修正版

どんな会社ですか?

初代・赤坂兵之助が確立した「赤坂式半月彫刻法」。赤坂金型彫刻所は、初代から続く熟練の彫刻技術と最新の加工機を組み合わせた金属加工・金型製造の会社。その製品は目を凝らしてようやくその緻密さがわかるレベル。実直な職人精神は、最新鋭のコンピューター制御となった現在でもいたるところで生きています。繊細なのにエッジが効いた彫り物が特徴で、家電製品の部品やロゴプレート、焼印やフライパン用の刻印など、小さな金属を加工することに長けています。近年では、写真を金属板に転写加工するサービスなどもおこなうなど、その技術に磨きがかかっているとか。

ここがスゴイ

①3代に渡って練り上げた、手仕事と機械技術の融合
1940年に創業した赤坂金型彫刻所。作業中に左手を失った初代が、左手に装着した鏨(タガネ)の反力をいかに抑え込むかを命題に確立させた「赤坂式半月彫刻法」に、2代目がコンピュータ制御の加工機を導入するなど、伝統的な技術と革新的な技術をミックスして成長を続けてきました。コンピュータ制御で加工をおこなう会社は他にもありますが、刃を独自でつくることができるところは希少。先端が髪の毛よりも細い刃を自作する技術が継承され、細やかな彫刻が可能となっています。

190912_八尾-205

②外の知識を貪欲に吸収して製造に活かす
好奇心旺盛で他業者とのコミュニケーションも盛んな3代目の兵之助さん。大阪工業大学での非常勤講師を勤め、ハンドメイド通販サイトにも造詣が深いなど、職人のイメージを覆すフットワークの軽さがあります。生分解性プラスチックの加工・活用を模索するなど、伝統を大事にしながらも次世代のニーズを自身でリサーチしプロトタイピングしています。

190912_八尾-186

持っている技術

①先端が約0.05mmの繊細な刃物が内製可能です
②加工内容と材質に合わせ、彫刻の刃そのものの製造もできます
③ホビーや教材向けの簡易射出成形を製作できます

苦手なこと

①A4サイズ以上の大きな金属の加工
②折る、曲げるなどの金属の加工
③太い刃物での荒い加工

つくっている主なプロダクト

190912_八尾-180

金型
金型はプラスチックや、樹脂成形をするために欠かせないものです。赤坂さんの金型は凹凸がしっかり浮き出ていて、なおかつ細部まで際立つ彫刻。顕微鏡でないと先が見えないくらいの小さな刃を使って金属面に左右逆の彫刻を施し、金型を製作します。たとえば旭酒造株式会社の看板商品「獺祭スパークリング」の樹脂キャップの金型も赤坂さんがつくっています。漢字の細かい部分を美しく彫り出し、エッジの効いた彫刻を曲面に施しており、他社とくらべてもその精緻さが際立ちます。

190912_八尾-181

※手前:赤坂さんの金型でつくったキャップ / 奥:他社の金型のキャップ

工場の様子

①金属の棒を削って彫刻刃からつくる

190912_八尾-192

細かな造形の製作には、金属を削る刃自体をそもそも細かくする必要があります。手彫りからコンピューターでの加工に主力は移りましたが、刃の良し悪しで加工物のクオリティは大きく変わるのです。金属の棒を削って彫刻等そのものをつくるだけではなく、細い刃が彫刻面に負けないよう絶妙な力加減の調整スキルを持っています。

②ルーペでようやく見えるレベルの加工をおこなう

190912_八尾-199

お客さまの「こういうものはできる?」という疑問解決に向けて、持つ技術でどのように対応できるかと向き合います。なかにはルーペで拡大してようやく見えるような細かな造形製作の依頼も。大きいものは苦手でも、細かいものの製造スキルは業界トップクラスです。

つくりての想い

190912_八尾-209

祖父の初代・赤坂兵之助は生粋の職人でした。プレス機に左腕を挟む事故に会い左手を失った後もすぐに、鏨(タガネ・彫刻刃)をボルトで固定する機構のついた義手をつくりあげて彫金に勤しんでいたんです。今の技術のベースになる「赤坂式半月彫刻法」は、片腕となった祖父が少ない力で効果的に金属を掘るために開発したものです。

190912_八尾-174

腕のいい職人さんは他にも山ほどいるんですよ。でも、受け継がれてきた彫金技術を使いこなしながら、他業種の知識を取り入れて自身の製造に活用する好奇心の旺盛さは、自分で言うのもなんですが多くないのではと思います。と、かっこいいことを言ってしまいましたが、純粋に気になってしまうとのめり込んでしまうだけなんですけどね……(笑)

190912_八尾-198

僕自身、小さな頃からずっとものをつくって遊んでいました。その楽しみを次世代にも伝えていきたいんです。なので大学での講師業、児童養護施設でものづくりの先生業など、未来のつくり手を育てるための取り組みもおこなっています。

金属はある意味どんな形にも加工ができる物質。その「なんでもできる」特性を、たとえば食に関するものなど、人の幸せに活かしてもらえるようなアイデアがあれば嬉しいです。ほら、人間ってご飯食べてる時は幸せじゃないですか。

190912_八尾-210

公式HP:https://www.cho-cocu.com/

その他のエントリーを見る

No.1 - 藤田金属株式会社
No.2 - ホトトギス株式会社
No.3 - 有限会社大一創芸
No.4 - ラピス株式会社
No.5 - 錦城護謨株式会社
No.6 - 赤坂金型彫刻所
No.7 - 株式会社オーツー
No.8 - 有限会社ルネセイコウ

YAOYA PROJECTとは?

画像12

https://awrd.com/award/yaoya-project

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
4
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。