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息子の自粛

 去年まで息子はガイドヘルパーさんと、月1回の外出と週1回銭湯に行くことを楽しみにしていました。ガイドヘルパーは福祉学部の学生さんがよくアルバイトに来てくれていたので、私もいろいろお話しする機会があり楽しみでした。

 ところが近年ガイドヘルパーの人手不足で、学生のアルバイトの確保も難しくなり、幾分お年を召した方がガイドヘルパーに来てくれていました。そこにコロナの流行が始まり、人材確保が出来ずによくキャンセルが出ていました。さらにコロナがが深刻化するとヘルパーさんの感染防止で、銭湯への同行は中止になりました。外出は散歩のみ。買い物、映画など屋内での活動も中止です。

 仕方がないので、退屈した息子は、ガイドさんと辿った道を一人で出かけるようになりました。子どもの頃は一緒に歩きましたが、体力差が大きくなったので、一緒に歩くことは厳しいです。息子の歩く範囲が数キロに及ぶので、何時間も帰って来ないので安全確認が出来ません。

 持ち物の管理が難しいので、スマホは持たせていません。いよいよGPSを検討しなければならなくなりました。ランニングコストや無くすリスクを考えて、徘徊する高齢者用や迷子ペット用のGPSなどを考えています。「お母さんペット用は可哀想ですよー。」と事業所のスタッフに笑われました。別に首輪を付けるわけじゃなくて、カバンに仕込んでおくつもりなのですが・・・

 とりあえず帰宅時間を知らせる、アラーム付きの腕時計を持たせようと、安価な物をヨドバシカメラの通販で注文してみました。息子はズボンのベルトさえ手指動作が難しいので、腕に付けることは難しいでしょう。カバンに付けてみようと思います。

 今日はガイドさんと散歩の予定でしたが、感染者急増のニュースを何度も見せて、「ガイドのおじさんが感染したらダメだから、明日の外出はキャンセルしようね。」と何度も繰り返し、やっとガイドヘルパーさんのキャンセルを納得をさせました。

 知的障がいのある息子に「自粛」を理解させるには、集中的にテレビのニュースを見せたりして視覚に訴えます。そして同時に説明をするようにします。面倒ですが、仕方がありません。

 コロナ禍において物事の理解することが難しい知的障害者の生活を確保することは、なかなか難しいと思う今日この頃です。

 

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