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「お母さん」という役割は、なかなかしんどいです。

発達障害


周りで発達障害の子どものことで、悩んでいる人が増えてきたような気がします。ときどき家族からお話を聞くこともあります。
発達障害は賢くていいなと思っていたけど、親はそれぞれの子どもについて悩んでいます。子どもたちは違う個性を持った人間です。親も家庭環境も違います。私の経験してきたことは、役に立つとは思えません。

最近、林順次「学校では学力が伸びない本当の理由」(光文社新書)を読みました。現在の学校、教師、不登校、発達障害、支援教育についての現状や問題点が、分かりやすく書かれていました。

私は知的障害者の親ですが、単に「我が子」のプロ母です。我が子以外の重度障害や発達障害などについてよく分からりません。それに私が看護学校で学んだ時代に発達障害という言葉は習った記憶がありません(居眠りをしていた可能性はありますが・・・)。基礎的な知識が不足しているのだと気がつき、早速図書館で一般向けの発達障害の本を借りてきました。

「発達障害がある子どもの進路選択ハンドブック」月森久江監修
「AD/HD(注意欠陥/多動性障害)の全てがわかる本」市川宏伸監修
「発達障害がある子どもを育てる本 中学生編」月森久江監修
「子どもの発達障害と情緒障害」杉山登志郎監修
                               講談社

2冊めを読んだところで、「お母さんは大変だわ」と独り言が口から出てきました。子どもに病名がつけられると、ほんと悩むよね・・・家事、育児、療育、きょうだい児がいたら、配慮がかれらにも必要なので、障がいの子どもにかかりっきりにはなりにくいです。父親は仕事に時間を取られているし、最近はシングルマザーも多いです。情報共有や話ができる、友人がいればいいのですが、仕事を持っていると、時間的に難しいです。そんな厳しい状況下で発達障害と言われる子どもたちは、増え続けています。

「お母さん」という役割は、なかなかしんどいです。

息子の障害がわかった時に、私の母が「子どもは病院が助けてくれる。だから私はお母さんを助けないといけない。」と話しているのを耳にしました。言語聴覚士の先生も「息子君は我々に任せなさい。お母さんは昼寝でもして、ゆっくりしていてね。」と毎回、声をかけてくれました。

当時の私は、息子の障害を受け入れておらず、呆けたような顔をしていたと思います。そしてそれまで気づかないものがみえてきました。子ども病院の外来の隅で泣いているお母さんや、重度のこどもの車椅子を押している疲れたお母さんの存在に気がつきました。それは「わたし」自身の姿でした。

それでも父からは「おまえはそれでも母親か!」と何度か言われました。反論する気力もないので、聞き流すしかありませんでした。でも心の中で、「なぜおかあさんだけが頑張らないといけないのか」という思いがトゲのように刺さりました。

それ以来、「おかあさん頑張って」と「おかあさん」を狙い撃ちにした記事や商材を見ると、すこしばかり危険を感じるのです。SNSの中の煌びやかで美しいおかあさんを複雑な思いで眺めることもあります。こんな感情は持てる者に対する、持たざる者の嫉妬心だとも考えられますが・・・

世の中の悩めるおかあさんが、これ以上「おかあさん」の役割に首を絞められないように祈るばかりです。だから少しずつ勉強して、理解していこうと思います。




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