【画像追加】【旅行】神戸&有馬温泉で「なにもしない」をしてきた・1日目
ミッション、急いで思い出を作れ!!
ある日、いつものように「仕事ないわー」とTwitterをしていたら一本の電話が入ってきた。妹からだ。
どうやら彼氏とお試しで同棲する方向性で話がまとまったそうだ。
私はシスコンだと思う。
私は時分と違って痩身で顔もかわいい妹に、オシャレな服を着て欲しかった。自慢の妹だった。
今でこそお金がないが、学生の頃はちゃんとアルバイトをしていたので年に数回妹に服を買って地元に帰ってきた。
自分が着るよりも遥かに高い服を選んでいた。
シスコンとはいえ、お互い踏み込んではならないところを定めて妹とは付き合ってきた。
そんな妹も27歳。結婚したところでなんらおかしい年ではないのだ。
だが、私は激烈にさみしかったし悲しかった。
妹は私の中では17歳ぐらいで止まっている。
ちなみに私は14歳ぐらいのまま止まっている。中二病だ。
4歳差の妹なのだが、時空に謎のねじれが生まれているのだった。
そんなこんなで、愛しの妹が結婚してしまう(かもしれない)。
こうしてはいられない。同棲前に思い出を作らねば!!!
と、いうことで母、妹、私で2月に行ってとても良かった有馬温泉と神戸に行くことになった。
神戸は今、イルミネーションが熱い!! ……のだが
12月。
あの有名な美しいイルミネーション・ルミナリエの真っただ中である。
その日は、ちょうど写真映えを狙って水を持ち出す事件で話題になった翌日という凄いドンピシャな日になってしまった。
本来、働いていないため、明らかに留守番すべき私だったのだが、留守番枠は仕事で忙しい父となった。
ごめんなさいお父さん……。本当にごめんなさい……。
私はマジで思ったのだが、全力でめっちゃ楽しいフリをした。
途中でフリなんかじゃなく楽しくなりすぎて父のことをすっかり忘れていたが、今書きながら罪悪感を思い出した。お父さん、マジでごめんなさい。
結論から言うと、今回の旅行はめっちゃくっちゃに楽しかった。
だが、ルミナリエには行かなかった。
あのルミナリエにも行かずに神戸で何をしていたって?
何もしなかった!!!!!!
特に一日目はびっくりするほど何もしませんでした!!!
何もしないのに楽しいってどういうことだよ、と思うかもしれない。
だが、本当に何もしませんでした!!!!!
(画像)何もしなかった現場。畳がきれい。マッサージチェアもある
驚きの一日目スケジュール
お昼
神戸牛のランチを食べる おいしかった
夕方
有馬ロイヤルホテルにチェックイン。温泉二種類に入る
~何もしない:部屋でYouTube見る~
夜
ごはんを食べる めっちゃおいしかった
~何もしない:ホットアイマスクしながらマッサージチェア~
21:00
就 寝
(不眠症なので22時半ぐらいまでYouTube見る)
有馬温泉に来てまでYouTubeばっかり見てたんじゃんと思うが、決してそういう訳でもない。
私が兵庫県に来てまでわざわざ愛知県岡崎市を感じたいから東海オンエアを見ていたわけではない。(唐突だが最近は東海オンエアというyoutuberをやたら見ている)
どちらかというとテレビを流す感覚でぼーっと見ていた。
テレビがいまいち見たいものがなかったのだ。
幸い、テレビ(めっちゃ大きいし多分4K)にYouTubeを見れるボタンがあったのだ。
すっごい大画面でYouTubeが見れた。好きな動画が見れる。
そんなところも嬉しかった。
ちなみにネットフリックスが見れるボタンがあった。すごい。
働いていないのでチャンネル拒否権がないため、一度目のYouTubeタイムは母と妹に譲った。
母が熱望したため、パリーグTVで数年前のロッテ戦のエルドレッドのホームランを見ていた。母は常に小さなスマホでエルドレッドのホームランを見ていたので、大画面に喜んでいた。本当によかった。
矢御、太古の炭酸泉の前に大敗す
本格的に「何もしない」モードになったきっかけは温泉だった。
有馬温泉には金泉・銀泉という泉質の違う温泉が流れている。ほかにも種類があるそうだが、主なのはこの二つだ。
銀泉は有馬ロイヤルホテルから出てすぐのところにあった。
一見普通のお湯だったが、ちょっと入っただけで体がものすごく温まって体ウォーミングアップさせ、宿の金泉に挑んだ。
金泉こそ有馬温泉で有名な錆みたいに濁ったお湯だ。
ちょうど時間が良かったのか、宿の金泉に入ったらやばかった。
入ったその瞬間に一瞬で骨が抜けたのだ。その瞬間は声などない。ただただ、ため息が漏れるのだ。「あ゛ーーーーっ」みたいな感じで。
3分浸かったら完全にクラゲになっていた。体中の力が抜けてしまったのだ。
極上という言葉がよく似合う。
お湯加減が最高だったのだが、多分それだけではなかった。
太閤秀吉も愛した歴史ある金泉の威力は並ではない。
年始辺りでやっていたブラタモリを見たのだが、人間なんて余裕で登場しなかったすっごい昔の炭酸を含んでいるのだ。要するに、金泉はすっごいのだ。
私は普段、奥歯を噛みしめる癖があり、常に肩に力の入っているタイプだ。
肩に力入ってる代表として意地とプライドをかけて「なにくそ」と思って必死に抵抗していたのだが、そんな意地なんて無駄に終わり、結局全身の力が抜けて肩もだらりと下がった。当然、奥歯も噛んでいない。
それが、金泉のパワーだった。
私は地球の歴史の前に大敗を喫してしまった。
仕事のない後ろめたさもリラックスできなメンヘラである居心地の悪さも、普段背負っている重たい立場(無職)を全て放り投げて、リラックスさせられてしまったのだ。
いくらすっごく肩に力を入れて生きているとはいえ所詮は人類代表。太古の歴史には勝てないのだ。
だめだ、一歩も動けない……
そこからはもうダメだった。
勝てなかった。「何もできない」モードだった。
パソコンに例えたらちゃんと順を追ってシャットダウンさせられたような状態だった。
脳みそがマジで働かなくなり、「ばななー」しか言えなくなった。
家族にヒかれなかったかというと、大体みんなそんな感じだった。
ちなみにこの辺りで父への申し訳なさが吹き飛んだ。
「もう一歩も歩けないよ~。部屋の中にあるマッサージチェアすら無理だわ~」なんて思っていたら、お部屋に食事が運ばれてきた。
なんと、部屋食だったのだ。
神かよ。
飯がうますぎる
(画像)料理(の一部)。箱の中はなんと刺身。料理長の創作和食は旨すぎた
実はこのホテル、小説家の先輩に教えていただきいた場所で、再訪だったのだが決め手になったのは食事だった。
なんと、料理長の創作懐石料理が楽しめるのだ。
これがまたでたらめに美味い。
とんでもない量が来るのだが、ぽっちゃりな私はもちろん食の細い妹もほとんどの料理を食べつくしたのだ。
今回は煮物がめっちゃくっちゃに美味しかった。
いや、全部おいしかった。
妹と日本酒を楽しみながら夢中で食べていたのだ。
とにかく特筆すべきは出汁がうますぎる。
煮物を噛めばじゅわっと優しい味のだし汁が口いっぱいに広がる。
メイン、三田牛のしゃぶしゃぶも、ただでさえ美味しいだし汁に牛の旨味がしみ込んだとろけるようなわかめを食べるのが最高に贅沢でおいしすぎた。
山菜炊き込みごはんもだし汁だ。
大和魂に直接語り掛けてくるような優しすぎるだし汁に、私はもはやドロドロの何かになっていた。血液がドロドロのため、サラサラにはなれないのだ。悲しい定めである。
母親が「おいしい、おいしい」とごはんを喜んでいたので、私も嬉しかった。実はこれが最高のスパイスだった。
我が家は昔から外食が好きで、母とはよく外食に行くが(代金はほぼ払ってもらっている。私が仕事がほしいと焦る理由でもある)、なかなかここまで喜んでくれることはない。
(画像)朝食も部屋食。朝から食べられないと思ってもするすると完食してしまう悪魔の食事
実はこの宿に決めたのは私だったのだ。
この旅行の補欠枠だった癖に、私は宿の決定権を握らせて頂いたのだ。
これで宿をしくじったらめちゃくちゃ気まずかったが、本当に有馬ロイヤルホテルを選んでよかった。
ダメ押しの拷問・リラックスの刑
食事後、だらけたままホットアイマスクをつけてマッサージチェアに乗った。なんと、部屋にはマッサージチェアがついていたのだ。
結果は「リラックスの刑」だった。
もともとめちゃくちゃにリラックスしていたのだが、肩甲骨をごりごりされる痛みにリラックスの向こう側を見た気がした。ばななー。
(画像)拷問椅子(気持ちいい)。リラックスの向こう側を見た
ダメ押しの三宮で買った蒸気のホットアイマスクも効いた。すごく効いた。
まだ20時代にも関わらず、不眠症で睡眠薬も服用しているような私ですら落ちかけていた。
20時代なんて、普段ならば元気に家でSNSをしているか、17時半更新予定のnoteの原稿を遅れてしているかのどちらかだ。
私のインテリジェンスを以てしても、文章を書く気なんてなれなかったし、いつもみたいに友達にクソみたいなLINEをすることもできなくなった。
ただただたぼうっと愛知県岡崎市に思いをはせることもなく(心は完全に有馬の金泉に置いて行かれた)東海オンエアの動画の「バカだなー」って企画を見てニヤニヤしていた。
そんなニヤニヤも、いつの間にか睡眠に変わってしまっていた。飛行機の着地のようなソフトランディングだった。睡眠薬によって作られた眠気ではない。
私は、どこにも疲れる要素がないと思っていた日々にいつのまにか疲れていたようで、ぐっすりと眠ってしまったのだ。
そうして一日目は終わったのだった。
私たちは、有馬温泉によって何もしない貴重な時間を楽しむことができたのだ。
私たちは疲れすぎていないか?
とにもかくにも、私たち現代人は何かに追われて生きている。便利さの弊害なのだろうか。これ以上どうしろという状態なのに、更なる富を求めている。
現代人はスケジュールを詰め込んだ人こそ勝ちみたいな、いっぱい働いたら凄いみたいな風潮はないだろうか?
要するに、みんながみんな、余裕なんてないのだ。
人の脳みそや身体は機械ではなく、詰め込めるだけ詰め込んだら壊れてしまうようにできているというのに、みんながみんな、無理をしようとしている気がする。
効率と銘打っていかに無理できるかを自慢にしてはいないだろうか。
ほぼ無職の私ですらそうなのだ。
時間は有り余っているようにみえるが、ここのところずっと何かにせかされるように書いていたり、書けなくて頭を掻いたりしていた。
指は、スマホかキーボード、そして頭のどこかにあった。
スタバの記事で飛ばして以来、同じテイストを書こうとして無理をしていた。
そう、余裕がなかった。
私ですら、どこか追われるように生きている。
時間が足りない?
時間を大切にするのは、決して「詰め込めるだけ詰め込む」のが時間を大切にしているとは思えない。
時に回り道したり、少しずつ努力したりする時間や、そして休憩する時間など、一見無駄な時間こそ大切で愛しいものなのではないだろうか。
私みたいにだらけてばかりいるのは違うかもしれないが。
最高だった
仕事を何もしていない私がお情けで同行させていただいた(そして労働の義務も果たさない癖にちゃんと人権を持ったひとりの尊重してくださった)家族の皆様、本当にありがとうございます。あとお父さんごめんなさい。
明日はリラックスしすぎた一家(父は留守番)に更なる追い打ち!?
奴らが襲い掛かる――!
何もしない旅・二日目「神戸どうぶつ王国」でもふもふ責めに遭う編
こうご期待!
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