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最近観た劇場公開・配信映画(2021年7月)

2021年7月に劇場公開または配信された映画を観た感想です。オススメもそうでもないものも含みます。

Arc アーク(劇場公開)

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不老不死になる処置を受け、三十歳の身体のまま生き続ける女性のSF物語。

当作監督の石川慶監督は長編デビュー作の『愚行録』でその年のベスト級に好きになり、その後の『蜜蜂と遠雷』も良作で注目していただけど、今回は全くハマれなかった…

冒頭のシーンの中途半端さから不安になり、前半の遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術(プラスティネーション)する仕事の場面で突っ込みどころが多過ぎて説得力が感じられず…(観た人とネタバレ全開で突っ込みどころを語りたい、施設、施術、会議、ダンス等…)

不老不死に関しても、主人公(芳根京子)の見た目が三十歳のままなのは良いとしても、それを補う精神性にも正直変化が感じられず、不老不死であることによって生じる感情に寄り添うこともできず…

映画の中で唯一、脇役のモブ的な登場人物が物凄くリアルな演技だったところが面白かった。やはり『愚行録』でも、他の映画ではあまり見ることがない無いリアルな人間の姿が描かれているところが衝撃だったので、石川監督の強みが、SFという非日常設定とは相性が良くないのでは?というのがあくまで個人的感想。

アメリカン・ユートピア(劇場公開)

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元トーキング・ヘッズのデビット・バーンのブロードウェイショーをスパイク・リーが映画化。

ケーブル類を排除することでステージを縦横無尽に動き回るバンドメンバーの躍動感、特にパーカッション隊が輪を作って演奏する場面が多幸感過ぎて泣きそうになった。音楽最高。

タイトルの意味だったり、終盤にあるはっきりとしたメッセージ(スパイク・リー監督らしい)を考えながら、希望の光のようなものが見えてくる。

ちなみにトーキング・ヘッズをあまり知らなくても楽しめます。自分は高校の時に友達にお勧めれたアルバムとしてチラッと聴いたくらいでした。映画内でも演奏した↓の曲は一時期クラブヒットしていたので良く聴いていたけど、歌っていたのがデビット・バーンだったとこの映画で知りました。

ブラック・ウィドウ(劇場公開)

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アベンジャーズの一員、ブラック・ウィドウがアベンジャーズになるまでの過去と『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)直後のストーリー。

MCU映画の中ではシリアス度が高めで期待以上に好きだった。もちろん他MCU作品との繋がり部分も楽しいけど、単独映画としても、シスターフッドや「家族」の物語として見応え充分。メタ的視点もあり、「ヒーローものはちょっと…」という人でも楽しめるのではないかと。

なんといっても『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』に続き、フローレンス・ピューの「妹力」の強さが効いてたなー。

他にもレイチェル・ワイズも『ストレンジャー・シングス』のホッパー警部ことデビッド・ハーバーなど、好きな役者のキャラが立っていて楽しい。ミラ・ジョボビッチの娘も!

ディズニー+で同時公開となり、色々と揉めているようで、TOHOなどの大型のシネコンではほとんど公開されていないのは残念。アクションも凄いのでやはり大画面が良いかと。自分は数少ない大型シネコンの池袋グランドシネマサンシャインで鑑賞。

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プロミシング・ヤング・ウーマン(劇場公開)

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ある出来事により明るい未来が閉ざされた女性の復讐劇。

主人公が闘う相手は、一部の極悪人ではなく、自分は善人と思っている人物や傍観者までを射程に入れている。ジェンダーバイアスを生む、社会構造とそれを無意識的に維持している人々に対しする怒りが伝わってきて、自分は関係無いと思って観ている鑑賞者側にまで突き付けてくる。

随所に使われる一見ポップなガールズソングもアイロニカルな印象を受ける。とくにブリトニー・スピアーズ『Toxic』の悲壮感漂う暗いカバーアレンジが使われる場面は鳥肌立った(予告編でも流れている)。

主人公のキャリー・マリガンは、本人が持つ女性らしい柔らかさと幼さを残す顔がギャップを際立たせ、ファッションや部屋の家具も相俟って、大人なのに時間が止まってるように感じさせる。他に考えられないキャスティング。

エンターテイメントでありながら、スタンスは超ハードコア、最高です。

本筋とは少しズレるけど、大学時代のクラスメート、ライアン(ボー・バーナム)の一連の非モテ演技に既視感(自分に)あって、息が苦しくなりました。

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ライトハウス(劇場公開)

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孤島にて、四週間に渡る灯台守の仕事を務めにやって来た二人の男の話。A24製作。

モノクロ、正方形の画角、終始後ろで不気味に鳴り続ける霧笛(どんな音かは↓の予告編をぜひ)によって観る側も息苦しさや不安を共有させられる。

極限状態に置かれた人間が見る、現実なのか幻覚なのかも曖昧な世界。観ているこちらも苦しくなって映画館の外に出たくなったり、絶望したり(良い意味で笑)。はっきり不快な感情も含まれるので誰に対してもオススメという感じではないです…(俺は好きです)

映画はほとんど二人しか登場しないが、ロバート・パティンソンとウィレム・デフォーのヒリヒリとした狂気の演技が凄まじい。

分厚いパンフで、映画に込められた神話などの多数の引用を知り、さらなる興味がそそられる。

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最近はアマチュアの人のもの含めて映画関連のPodcastをひたすら聴いてます。影響されて自分も映画感想podcastをやりたいなと思いつつ、仕事とnote小説書くので精一杯でなかなか着手出来てません。もし公開した際にはぜひ聴いて欲しいです。noteでお知らせします。









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