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最近観た劇場公開・配信映画(2021年1月)

 私のnoteでは、映画についての記事は「好きな恋愛映画を語る」というテーマで不定期に投稿していたのだけど、昨年末に「2020年映画マイベスト10」の記事を投稿したら楽しかったので、もう少しタイムリーに観た映画についても書いてみたいと思います。

 今回は2021年1月に劇場公開または配信された映画を中心に(一部昨年12月末公開もあり)。

『ソウルフル・ワールド』(Disney+)

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 ピクサー作品。ニューヨークでジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師がある日突然、「ソウル(魂)」の世界に迷い込む。 

 主人公が夢を追う物語は映画や小説、音楽の中でたくさん語られているし、自分もそんな映画を好んでたくさん観てきたけど、それらの物語では語られていない大事なことを伝える素晴らしい映画だった。これを子供も観られる映画として作ったピクサーの凄まじさ。もし自分に子供ができたら絶対に観せたいと思う。

 映像表現もフレッシュだし、ソウル達のキャラも可愛すぎて悶える。

 コロナの影響で、これが劇場公開をせずに配信での公開となったのは残念過ぎる…老若男女にぜひ観て欲しい。いきなり今年ベスト級。回し者のようですがこれ観るために未加入の人はDisney+への加入を検討しても良いかと、『マンダロリアン』も『ワンダビジョン』もあるし。

『ソング・トゥ・ソング』(劇場公開)

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 音楽の街、オースティンを舞台に四人の男女が幸せを模索する姿を描く。メインとなるのはルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンという豪華さ。

 テレンス・マリック監督による、リアルな空気感ある美しいシーンの断片を繋げて物語を伝える手法が斬新で、映画としての観易さは無いので万人受けはしないだろうけど、自分はかなり好きな映画。

 カップル描写が自然過ぎて自分の過去の恋愛がフラッシュバックする。

 音楽業界の話でもあるのだけど、今まで観た映画の中で最もフェスシーンがリアルな感じがした。良くステージ袖にいる取り巻きっぽい人たちってこんな感じなのだろうか。。。自分は専門外だけど、イギー・ポップ、パティ・スミス、レッチなどのミュージシャンが本人役で登場するので、そっち系の音楽が好きな人も楽しいのでは。

 個人的には、ルーニー、ナタリーに加えて、ケイト・ブランシェットまで登場するという、自分の好きな美しい役者ばかりで至福。ライアン・ゴスリングは相変わらずモテる男の雰囲気が所作から漂ってる。

『Swallow / スワロウ』(劇場公開)

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 昨年観た『ヒルビリー・エレジー』で気になっていたヘイリー・ベネットが主演ということで観に行った『Swallow/スワロウ』

 異物を飲み込むことに幸福を感じる主婦の物語。夫や義父母との関係で孤独を感じる主人公が次第に異物を飲み込むようになって行く過程を、飲み込む際の微細な音まで拾うASMR的表現で丁寧い追い掛ける。

 エンドロールまで観終わると、この映画が決して特別な主人公固有の物語ではないことに気付かされてハッとする。

『恋する遊園地』(劇場公開)

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 フランス・ベルギー・ルクセンブルク合作。遊園地のアトラクションに恋愛感情を抱く女性の物語。

 実際にセクシャル・マイノリティとして存在しているという「対物性愛」、その異種間の恋愛描写の映像表現がフレッシュ。タイトルから可愛らいしいファンタジー映画の印象を受けるが、映画自体は理解できない行動をする子に親や周囲がどう向き合うかというシリアスな内容を含む話であり、観る側の固定的な価値観を揺さぶられる。

 主役のルエミ・メルランが演じる『燃ゆる女の肖像』とは全く異なる印象の主人公が魅力的。

『私というパズル』(Netflixオリジナル)

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 カナダ・ハンガリー合作。死産を経験した女性が周囲とのすれ違いに苦しみながらもその悲しみを乗り越えようと葛藤する物語。

 冒頭、長回しの出産シーンの臨場感が凄くて惹き込まれるが、映画の本題はその後。時間の経過を軸に主人公の心情の変化がゆっくりと丁寧に描かれる。余韻をゆっくり噛み締めたくなる映画。

 『ミッションインポッシブル・フォールアウト』でミステリアスな敵役を演じていて気になっていた主演のヴァネッサ・カービーの演技が素晴らしい。

『ミッドナイト・スカイ』(Netflixオリジナル)

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 2049年の北極と地球に戻ってくる宇宙船が舞台のSF映画。

 全編に渡ってセリフや音数が少なくて静かな時間が流れる。大掛かりなSFアクションにもなりそうな設定だけど人間ドラマに焦点を絞っており、過酷な環境において人間の温かさに救いを感じる。ジョージ・クルーニーの老境に差し掛かった演技が沁みる。寝る前に観ると丁度良い感じ。

【番外編】『アルプススタンドのはしの方』(劇場公開)

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 去年の7月公開なのですが、評判を聞いてamazon primeで最近観た映画。とても良かったので番外編として。 

 高校演劇戯曲を映画化した青春群像劇。75分の短尺、限られた設定の中でいつの間にか各登場人物(登場しない人物含め)の背景に感情移入させられる仕掛けが巧妙で驚く。

 後半に畳み掛けられる展開が伝えてくるド直球のメッセージに涙が止まらなかった。

まとめ

 『ソウルフル・ワールド』のように是非とも劇場で観て欲しい作品がコロナの影響で配信のみになるのは寂しい限り。今年はこういうケースが増えそうな予感。とはいえ、Netflixが去年に続きコンスタントにクオリティの高い映画を制作してくれるのは嬉しい。

 『Swallow/スワロウ』『恋する遊園地』『私というパズル』は偶然にも主人公の女性が周囲に理解されずに葛藤するというのが共通のテーマだった。今まで描かれなかったよう女性特有の心理が丁寧に描かれる作品が増えたのは良いことのように思う(もちろん今までもあったとは思うけど)。そして、そういう映画が映画としてもしっかりと面白いので今後も楽しみ。

 以上です。また、来月にでも!



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