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2年前、初めての香港

私は海外旅行が好きで、大学時代は旅行のためにお金を貯めていた。それは今も変わらないからこそ、コロナ禍の身動きがとれないむず痒さが一層辛い。

つい先ほど、旅行で撮り溜め、スキャンもしていなかったフィルムを見つけた。データに起こすと思いのほかそのときの記憶が蘇るもの。

この写真は初めての香港旅行で、歩いて歩いて写真を撮った中の一枚。そんなに特別なものではないし、香港らしい写真でもないけれど。

けれどあのときの私はこの色を香港で見ていたし、今でも鮮明に思い出せる。しっかり残っているんだなあ。

海外にいくと、その国のシンボルや観光地の写真も収めるけれど、何気なくとった一枚にもその国の色を感じられる。

香港の街並みや色は大好きで、食はあまり合わなかったけれどまあ慣れればどうってことないだろう。

また行きたいと思っていた矢先、一国二制度を巡るデモ、そして新型コロナの流行。初の香港旅行はそれっきりになってしまった。

デモの報道を見て、私が知らない香港の色が見えて。自分は目の前の現実しか受け入れていなかったんだと反省もした。

また、こうやって何気ない一枚を撮れるだろうか。ファインダー越しにこの景色を見ていたあの日、想像もできなかった今。

自分には見えなかった色や景色と、ゆっくり向き合う時間になるのかもしれない。


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