平日コラム改め平日エッセイ006:異世界への入り口始発電車
自己満足で書いているので、別に改める必要はないんだけど、なんとなく、嘉島ゆいさんの文章を読んだら、エッセイの穂な気がしてきたからサクッと改訂。
つい先日、始発の電車に乗った。満員でもなければガラ空きでもない、不思議な電車だった。
帰る人がいれば、向かう人がいて、酒を飲む人がいれば、エナジードリンクで奮い立たせる人もいて、実はみんな行く場所が一緒なのではないかと錯覚した。
それは確実に私の妄想なのだけど。
朝の、特に始発周辺の早朝電車には、満員電車にも通常の電車にも終電にもない雰囲気や空気がある。
乗り物は好きだけれど、始発の電車にはできれば乗りたくない。異世界に電車もろとも連れ込まれるような感覚に陥ることがあるから。
当たり前のように全く違うところに向かっているのだけれど、あのなんとも表現のしにくい、空気感は異世界への入り口に感じてしまう。
朝日に向かって走る、大きな鉄の塊は、よれたスーツのおじさんから、パリッとジャケットのお兄さん、ピンヒールで綺麗に立つお姉さんに、杖をついて二人手を取りならぶおばあさん、小難しそうな教科書を読む学生に、スマホでゲームでもしているのであろう揺れている少年少女、たくさんの年代を一気に連れ込んで、同じ場所に連れて行くのではないかと思ってしまう。
銀河鉄道999みたいに。
まだ寝起き、いつもなら人でごった返して歩くのだって嫌いになりそうな駅のホームとは対照的に、物静かで静けさと寒さが痛い。
ホームに降りた時もちょっとだけ異世界に来た感覚になる。
「こんなに人っていなかったんだっけ?」
と、漠然と思う。
多分それ以外に感想はないと思うのだけど。
始発電車に乗ったことのない人は是非とも乗ってみてほしい。
共感してもらえるかどうかは疑問だけれど、なんとなく不思議な感覚は伝わる気がしている。
ちょっと早めに電車に乗って、開店したてのカフェでゆったりコーヒー飲む朝とかどうですか?カフェも混んでくるその前に。
連休終わり、寒い日々だけど。”いってらっしゃい”
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