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No.1:京都のことを知りたい人 観光地以外のあれこれ ガイドに載らない地元民の生活文化 おもばな満載!

はじめに

この記事は、嵐山や金閣寺、清水寺、祇園、花見小路などに代表される、上品で雅な古都京都の、表(おもて)の顔は語りません 

(雪の東寺。俺が生まれ育ったとこです!いいですね~!)

みなさんがイメージしている「京都と京都人」、に対する誤解を解くと同時に、雅と職人芸人の京都だけではなく、京都市内で昭和に生まれ、超庶民の地域で育った人しか知らない、まさに「すっぴん(素顔)の京都」を知ることができる、貴重な記事です

特にガイドやネットでもほとんど紹介されない情報をたくさん載せており、京都人でも知らない、触れてはいけないタブーでナイーブな内容も入れています

構成は、前編は「京都の誤解を解く」から「地域的なこと」、後編は「昭和庶民の文化」を中心に約230ページをNo.1~No.8に分けて書いています。特に後編は、前写真の「東寺」の近くで生まれ育った、私「Yanjii:ヤンジイ」が、「庶民の京都弁」で紹介しており、よりリアルに感じていただけると思います

「京都が好きな人、京都に住もうと思っている。現に住んでいる人、興味がある。そして素顔の京都を知りたい人」 のために書きました。

言葉づかいもフランクで、テーマごとにしたので、順番に読むのが理想ですが、気になったところからでも、好きに読んでください

「へ~そうなんだ」「そういう事だったのか」と気付きがあると思います

では、目次からどうぞ・・・
■あなたはいくつ知っていますか?

(昭和は市電が走っていたので祇園祭も電線とレール等で大変やった)

【前編】の目次

はじめに
No.1
●まず京都と京都人の誤解を解く
・本当はぜんぜん閉鎖的ではない
・好き嫌いが激しい
・職人と芸の町
・とにかく一番が好き
・京都の「一見さんお断り」の真実
ここからNo.2
・京都人はポジティブ思考
・躾にうるさい、礼儀作法にうるさい
・京都人はこてこてラーメンがお好き!
・京都はから揚げ屋が多い
・京都市内と市外(府下)の区別
●京都を4つに分ける
・文化的に分けると(先の地図を参照してください)
・地域で分ける(点線)
ここからNo.3
・アンタッチャブルでナイーブな地域
ここからNo.4
●京都弁と庶民言葉
・まず、ご存じのW言葉(重ね言葉)
・最近流行ってる?知らんけど
・男言葉と女言葉は違う
・いろんなものに「さん」とか「お」を付ける。
・おもろい方言
・九条弁(九条ことば)
・問題:ガラ悪言葉
●京都の通り名を歌で覚える
●新京極と寺町通
ここからNo.5
●餃子の王将のこぼれ話
●やんちゃ坊主の就職先
・王将と佐川急便
・京都中央卸売市場

前編のあとがき
・問題の答え
【後編】へ続く

はじめに
●庶民のソウルフード
・お好み焼きとたこ焼き
ここからNo.6
・京都の冷麺
・白みそ雑煮
・大福茶
・京うどんはここが違う
●ひと味加える調味料のなぞ
●京都の水と井戸水
●意外と知られてへん文化
・おけら参り(一文無しと違うよ~)
・祇園祭の稚児とチマキの話
・俺の地元の伏見稲荷の氏子祭り
・地蔵盆
ここからNo.7
・京都人のお花見
・東寺の今昔と弘法さん
・子供のおやつと小遣い
・カブトムシとクワガタ
・ひやしあめ
・除夜の鐘は数えられへん
・家風呂があっても銭湯
・子供のおもろい習慣
ここからNo.8
・大丸と藤井大丸、それから近鉄の今昔
・スキーはなしスケートのみ
・海水浴は淡水浴?
●裏京都
・ヤクザ事情
・京都の赤線
・東山安井の連込み旅館
・京都の風俗
●絶景のデートスポット 
あとがき


(桂離宮の書院:笑意軒)

●まず京都と京都人の誤解を解く

・本当はぜんぜん閉鎖的ではない

「京都は閉鎖的で、よその者は受付けない」とよく言われますが、それは大きな誤解だ

京都は、新しいものや一流品は大好きで、車を例にとると、ベンツやBMW、ポルシェ、フェラーリなどのスーパーカー、今だとレクサスなどがいっぱい走っている

ただし、中途半端なランクではなく、ベンツならSクラスやAMGのSL、BMなら5や7シリーズ、M系、アルピナ。ポルシェならカイエンやカレラなど、そのブランドでもトップクラスの高級車種に限られる。GTR(俺も乗った)他

カスタム系も、気品がない改造車や暴走系はない。

(高級車BMW8シリーズ京都エディション・こんなのがでるくらい)
(レクサスの最上級モデルLSで、なんと内装に西陣織が使用されている)
(内装の西陣織)

ナンバーは、「品川、横浜、神戸、そして京ナンバー」のみしか、評価しない。その他は、ほぼ、認めないというか、興味がない だから俺も、横浜の3ナンバーが欲しくて、横浜に住んだことがある。(笑い) 後のページでもちょっと触れている

自分もそうだったが、バイクはナナ半、スーツはアルマーニ、シルバーよりゴールド、当時ライターでも、カルティエ、ダンヒル、デュポン、量産品には興味がなく、高くてもハンドメイドのオリジナル。Made in USAは評価が低く、ドイツ製品は高評価。といった具合。これらは、すべてが逸品だ

ブランドで着飾る、見栄張るとは違い、単に「ええかっこしい」でもない。何でもいいわけではない

そういう人は、外に対して格好をつけたい思考だが、京都人は、一見そのように見えても、自分の嗜好で厳選逸品を選び、自己満に浸る 

(ドイツ:ゾーリンゲンの包丁)

よそ者がどうのとか、部外者はどうのとかという「地方の閉鎖感」とは全く違い、良いものはいい、2流3流は認めない

単に本物志向なだけで、超一流、一番、逸品がとにかく好きなだけなんだ
また、妥協はしない 中途半端なものは受付けない

こんな思考が京都人には根強くあり、何でもcome comeはしないから、閉鎖的と誤解されているのだろう

一番や逸品が好きな理由は、後々わかってくる

・好き嫌いが激しい

大阪はうるさく下品で嫌い、神戸・横浜は港町でおしゃれだから好き、東京も首都で今は一番だから23区内だけ好き、都下は嫌い

京都市は京都府下とは違う。絶対に一緒には考えない 今は、テレビ等ではすべて、「京都府」という なんで? 地図を見れば一目瞭然。ちょっと許せない

・職人と芸の町

京都のものは、何でも一番じゃないと気が済まない これは、この町の歴史が作ったともいえる。もともと、京都は日本の都で、何百年も天皇がいる中心地だった 

(華やかな西陣織)


それゆえ、そこにあるものや環境はすべて一番じゃないといけないような、空気が流れていたのは確かだ 現に、俺たちも「俺は京都出身だ」って、なんか、いつも偉そうで自慢したいような、気位が高いというか、変なプライドみたいなものが、日本全国、いや海外に行っても、そんな気持ちを常に持っていた(俺だけではないと思う) 

地方の人のように、出身地によって、コンプレックスを持つのと真逆の感覚だ。そんな、自尊心が京都の職人気質や作品、舞妓や芸者の和芸の世界にも、根付いている 

だから、人にも自分にも妥協はなくうるさい代わりに、誰からも評価の高い、類を見ない一流の作品を意地でも作る。それが、京都の職人と芸人の心意気である 

しかし、昔ながらの伝統や文化に固執して、古いものだけを大事にしているわけではない 

良いものはいいので、色彩やデザインも今風の奇抜なものや、ニューモデルと言われるような、新作も続々と出展されている 

京都駅のデザインも最初は反対もあったが、受け入れた 

町家を和洋折衷で改造したり、和の店舗に西洋柄を入れて、おしゃれにしたり、と、粋なものや、雅なものが大好きだ 

「流行には敏感」で、かなりポテンシャルは高い 

(西陣織とコラボした靴)

カッコいい、センスが良い、おしゃれ、きれい、美しいものが大好きだ 

外部の人がイメージしている「シックで素朴、ワビさびなもの」はむしろ、奈良とか地方都市にある小京都の方が、古い京都のままだ 

・とにかく一番が好き

京都には、誰もが知っている、一流企業がたくさん生まれている 

餃子の王将、ラーメンの天下一品から始まり、佐川急便、任天堂、オムロン、島津製作所、京セラ、ワコール、日本電産、ローム、村田製作所、日本新薬など 

140万人ぐらいの小さな都市に、こんなパワーがある これも、一流思考の証である!

(ワコール:地元高卒女子の就職先NO1)
(おなじみ任天堂のキャラクター)

・京都の「一見さんお断り」の真実

この誤解も多いようなので、解いておきたい 

京都の「一見(いちげん)さんお断り」は「京都だから、プライドが高く、敷居を高くしている」ってか、とんでもない誤解である 

(お茶屋での遊び)


祇園や花街では、昔から、お客さんには、お金のことは気にせず、存分に踊りを見ながら、飲み食いして遊んでほしい という、おもてなしの心から生まれたことで、お代のことを気にせず遊んでもらうには、当然、お互いの信頼関係がなければ成立しない 

ゆえに、信頼関係があるお得意様からの紹介がなければ、遊べないシステムになっているのだ 

お茶屋での踊り鑑賞代や飲食代、舞妓や芸子とのお遊び代、帰りのタクシー代まで、とにかく経費の一切を、そのお茶屋がまず立て替えて、後日、請求されることになっている 

決して、その日に請求するようなヤボなことはせず、一昔前までは、半年ぐらいたってやっと、請求するぐらい、徹底していたのである

(1804年~ある老舗の「富見代=とみしろ」。ここは、「女将は結婚せず、養女をもうけて店を継がせよ!という絶対家訓がある。 余談、舞妓は地方の子の方が多いから、言葉がちょっとな~)

おわかりかな?

店の都合で、偉そうにしているのではないのだ 

最近はちょいと不景気であまり間をあけると危ないので、月締めの請求が多くなっているようだが 

好景気の時は1回平均100万ぐらいと言われていたが、最近では、そうも言っていられないので、かなり格安で遊べるようだ 

旅行会社のオプションプランもあるので、利用しやすい。また、舞妓の写真のお店など、一見さんでもokの店も出てきた 
高いようだが、決してボっているわけではない 

店は「その金額にふさわしい、踊りや食事を心を込めて提供している」と自負があり、客も、これなら「そのくらいは払っても惜しくない」という、暗黙の料金が設定される 

そこらの、ボッタくりバーのような、また、格式だけで、中身がないのに高額請求するようなことは絶対にない 
客も絶対に値切るような、無粋なことはしない 

余談:本来信頼関係というのは、そういうものだ。「取れそうだからといって、上乗せして請求する」ようなゲスなこと絶対にしない 

「適正な利益」を乗せて、「適正価格」で取引する。お互いに長く取引する気があれば、自然にそうなる。だから、値引きも申し出ないし、値引きもしない。これが、信頼関係だ   

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