読書の秋ということで ストロロウのトラウマ治療についての本
ちょっとばかりお気に入りの本を紹介します。
トラウマの治療には様々な技法があります。トラウマとは一言でいうと、ショッキングな体験が瞬間冷凍されたかのように強烈な記憶となって残り続けるようなことを言います(すごいざっくりしてますが)
トラウマの説明は他所に譲ってあまり詳しくはしませんが、体験がどれほどトラウマ的か調べる心理検査がフリーで公開されてるので(研究目的のみだったかもしれませんが)やってみてもいいかもしれません。
IES-Rという心的外傷後ストレス障害のスクリーニング検査なのですが、自記式なので、自分で質問項目を埋めていけばいいです。カットオフ値(これ以上だと病的)は忘れました。多分ページに書いてあると思います。
この検査の特徴としては、あくまでも簡易的なスクリーニング検査です。この検査でひどい値が出ても、必ずしも心的外傷とは限らない、あるいは健康な値が出ても、心的外傷が潜んでいる可能性があります。
あくまでも、おおざっぱに心的外傷を持っている人を探すという程度の意味に思っておいてください。PCR検査で偽陽性が出るのと似たようなものです。(PCRほど精度は高くないかもしれません)
直接リンクを貼ると怒られないか心配なので、IES-Rでググってくださいとしか言えません。実施等は自己責任でお願いします。
ただし、本来、心理検査はテストバッテリーという、いくつもの検査を組み合わせて行うのが基本です。人格検査と、知能検査、それプラス目的としている検査を組み合わせるというところでしょうか(知能検査だけ、発達検査だけというときはありますが)
さて、そんな心的外傷、トラウマの治療法として、精神分析では解釈を用います。しかし、ストロロウのトラウマ治療はゆるやかな枠組みの中で安心を得ながら語れるようになり、そのトラウマ記憶が「ただの」つらい記憶になれるように促していくというところにポイントがあります。
そのためには「ホーム」が必要で、それは対人関係に基づく安心できる「場」であるということです。
ホームでは、瞬間冷凍された記憶を溶かすように、しかしつらい記憶は消えません。つらい記憶はつらい記憶のままで、悲しい記憶を悲しいままにしておくこと、悲しい記憶を素直に悲しめるようになることが、目標とされています。
ここまで書いて申し訳ないのですが、別の書籍の内容も混ざっているかもしれません。ですが、トラウマに悩んでいる方がそばにいたとき、精神分析なんて堅苦しい理論抜きに(ストロロウは精神分析の研究者ですが)、この本を手に取ればトラウマに悩んでいる人に寄り添えるのではないかと思います。
心理学の学術書にしては読みやすい本なので、一度、ページを開いてみることをお勧めします。近くにトラウマを持っている人がいなくても、トラウマを持っている人がどのような経験をしているのか、想像するのに役立つかもしれません(ストロロウ自身の喪失体験の自伝的性格も持っている本です)。
わかりやすく、おすすめです。もっと興味を持った方は、精神分析における間主観性アプローチなんてものも調べてみると面白いかもしれません。(いつか記事を書いてみたい)
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