幼き踏ん張るあなたへ

あれは小学二年生になって間もなかった頃でした。
引っ越しを機に、ピアノ教室が近くにないかなとクラスメイトに聞いたところ
ここがいいよと教えてもらったピアノ教室。

和風な門構え
初めて見た「ししおどし」
大きな玄関

初めましての時、先生は私に聞きました。
「好きな科目は?」
「音楽と国語!!」
「嫌いなやつは?」
「体育!」
「そっかぁ。音楽はな、体育と一緒やから覚悟してもらわなあかんな!」
意地悪そうに先生は笑って
そこに毎週通うことになりました。

今までと違う新しい教材
リズムに合わせて練習したり
音符のことは英語読み
フラッシュカードや、音符の積み木
お手玉でのストレッチetc...

通い始めて一年、二年と経過していくうちに、母の鬱病が悪化。
ピアノの時間は私の愚痴大会から始まりました。
しっかり受け止めて、宥めてくれて
そして前を向かせてくれる。
私がグレなかったのは、あの時間のお陰でした。

発表会が近付き、練習できてないと怒られて泣いて帰った日もありました。
小賢しい子供だった私、大変だったと思います。

色んなことを察して
私が音楽と共に生きていけるように
音楽がピアノが嫌いにならないように
指導者としてしっかり先導してくださった先生。

高校生になったころ、先生が産休に入ったタイミングで、レッスンはお休みとなり、その間に我が家の状況は悪くなってしまい、夜逃げ同然で引っ越しをして、そのまま絶縁となってしまったのでした。

それが、この時代の力
SNSで、また繋がることができ
15年来の再会を果たすことができました。

私が初めて先生にお会いした時の
先生の年齢に私が今なっているんだなぁと
帰りの電車でしみじみ......
そして、記憶よりも小柄な先生にお会いして
時間の経過をさらに感じました。

今私が、音楽と共に生きていられるのは
この先生との時間があったから。

もっとゆっくり次回話すことを約束して、
今日はダイジェストのようなマシンガントークをして別れました。

人の縁は、簡単には途切れない。
大切な縁だからこそ、これからも繋がっていれたらいいなと思います。

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