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法律と矛盾

悪法でも法は法、と言う言葉がある。法律を作る事は国会議員の仕事で、だから立法府という。法律を作り引退する国会議員は、殆どいないが、田中角栄は33個も作ったのだから大した物だ。

ところで人から借りたお金は返さないといけないか?という問いがあれば、答えは普通YESである。

ところが法律という物は奥が深く、時効が来たり、錯誤や脅迫により貸借契約した場合は直ちに返さなくていい。詐欺行為に依り借りた場合は、詐害行為として取り消すことができる。

今はもう尊敬できない橋下徹氏が、まだ輝いていた頃。
ある番組で、司会者から「この茶髪も、そして隣の人も弁護士です」と紹介された。

橋下氏は共演した弁護士を指差し「一緒にしないでください。この弁護士は弱者に漬け込み、過払い請求してサラ金からお金を取る事しかできない人ですからね」と言った。痛快だった。

所でいつもの事だが話は変わる。

私は歩くサスペンス劇場と名付けられ、いつも私の話を聞く人は面白がる。ある時こんなことがあった。

私の従業員の身内の青年が相談に来た。弁護士からお金を返せという催促書が来た。どうしたらいいか?と言う。身に覚えがないと。

早速調査すると、相手に暴力団が絡んでいることが分かり、借用書にこの青年は、脅され更に意味もよく分からず、サインさせられた事が推察された。

借りた金は返さねばならんが、利害関係人が多い上、債権譲渡という形を取り権利関係を複雑にした上弁護士に、裁判を提起させますと書面を送らせるという手法は、所謂事件師の手口に似ていた。

以前なら青年に変わり、私が答弁書を書き裁判所で争っていたが、この行為は謝礼を貰わずとも、弁護士法違反に当たる場合がある。

余談だがアメリカでは、示談交渉等に私の様な民間人が入っても、弁護士法違反にならないらしい。

訴訟以外は代理人が反社勢力等でなく、本当の人助けで且つ謝礼を貰わない場合は認めないと、お金のない人が可哀想と思うのだが、実質はこの様に、正規な人助けはできないのが現状である。

ちなみに法テラスは・・・。もうやめよう(笑)。

ある時、こんな形式犯のような微罪な犯罪であろうが、今後一切しないと誓い、私は日本で一番優秀で、唯一私を本気で叱る事のできる弁護士を弊社顧問弁護士に迎えた。

よく考えると、今迄はこんな事にすぐ首を突っ込むのでサスペンスになっていたのかと思うと、汗顔の至りである。

さて上記の件で、相談に来たうら若き青年に、相手方弁護士に電話をさせた。

「知り合いで柳原さんと言う人に変わり、話を聞いてもらえないでしょうか?」。
そう相手方弁護士に言わせると、OKだと言う。

この件は相手に二つの弱みがあった。一つはここでは書けないが、もう一つは相手方に反社会勢力が絡んでること。

私はまず、一つ目の爆弾をついた。流石に弁護士もこれには怯んだ。

しかしその後発言を訂正し、今の言動はいい間違えで、民法がこうだからこう言う意味で言った、と反論してきた。

この野郎。
しかし流石弁護士。私は、発言はテープに録ったので、よく考えた方がいい旨を弁護士に伝え、ここで二つ目の爆弾を落とした。

「先生。○○会が貸主だと分かって言ってるんですか?それを知っての依頼ですか。オウム真理教の麻原の弁護人、横山に懲戒請求をかけた様、弁護士会の綱紀委員会に聞いて貰いましょう。私ももう一度ワイドショーに出て、全国に顔を売るのも悪くない」。

こう言うと、暫し沈黙した。

一気に和解に持ち込み、債権債務ゼロに持ち込もうと思った刹那、「その話が本当かどうかの立証義務はそちらにある。少しそちらも考えて再度ご連絡をください」と言われ、電話を切られた。

この経緯は、かなりぼかして書いてるので、分かりにくいと思うが以前、私はオウム真理教、麻原彰晃の代理人弁護士を訴え、全国ネットで騒がれた。だからそこまでやるよ、という警告である。

弁護士はいかにハッタリが言えるかが、一流と二流の違いなので、口頭で勝とうと思うと、此方もある程度言わねば勝てない。

次に広域暴力団が絡んでいると言う事は、違法ではないが、弁護士会の倫理規定に抵触する可能性がないとは言えない、と言う警告。

立証義務はこちらにある事は分かっていた。結論を言うとこれは、後に本当の裁判となり、こちらが負けた。

と言うより、私が裁判所に行くな、と指示した。立証するには数十万というお金と、当時関係した刑事を証人として法廷に呼ぶ必要があり、これさえ出来れば勝てた。

しかし弁護士に頼む金がない。
更に、うら若き青年がこれを立証するには、何度か遠方に行き刑事に頼み、その他の立証方法も出張費と宿泊費がかなり要る。青年の精神は潰れる。

そもそもこういう事が起きると、アドレナリンのみで生き生きとするのは私だけだと思うと、またもや汗顔の至りである。

確かに民法では払わなければならぬ。だから裁判所に行き勝ち目のない喧嘩をさせなかった。

しかし私は、相手のやり口にどうしても納得が出来なかった。

なぜなら脅され、この青年の別の身内が殆どのお金を支払っている事実があるから。しかしこの立証は難しい。何せ手渡しで領収書なし。振り込んだ数回の控えは足しても到底全額には足らない。

逆にこういう物を出すと、じゃあ借りて返してる一部があるから認めてるじゃないか、と反論される事は見えている。それも覆す策は無い事もないが、これまた上記の様にお金がかかる。

判決文を見て私は悠然とし、青年に独り言を言った。

近所の銀行に預金があるなら、全部出した方がいいね、と。
そのお金は匿名で募金でもしたほうがいいね。どこに募金したかは忘れなさい。
働いてる所は、誰にも言わないほうがいいかもね。
債務者が働いてる会社の代表取締役宛に、第三債務者という形で債権差押をよくしてたなあ。
相手が何か言ってきたら、怖いです勘弁してください、を連呼したらいいかもね。

ざっとこういう事を言った。
私のこの行為が正しいかどうか、分からない。

ただ、お金のみを目当てに遠い県から弁護士を使い、暴力団を利用し、何も知らぬ使ってもいないお金を、合法的にこの青年に払わす事は許せなかった。

だからそういう法律でくるなら、執行させない。つまりお金を払わずにいい法律の裏を独り言で言った。

いつも弱い者は泣かされる。いつも弱い物を助ける者は少ない。
いつもお金にならぬ事は誰も入らない、助けない。

21歳で100円の生活時代から、ここまできた私の話を、皆聞きたいと言い私は簡単に話す。

普通の精神じゃ会社経営して、ボクシングジムを運営して、もうすぐビルが建つ。100円しか持たないあの状況から、こんな事は出来ないよ、普通の人は。

さて。私のここまでの話と過去の記事を読んで、主張がおかしいと思う方がいるかもしれない。矛盾がないか、と。

この世も殺生はするなと道徳で教え、他方、牛や豚を殺しこれを調理した物を食べ、家族で美味しいねと言う。ここに矛盾がある。

清濁併せ呑むという事はこう言うことだろうか。矛盾を受け入れる事も世には必要である。

悪いことも良いことも、平気でやり、どんな苦境も私は鈍感で感じない。

しかしこれは出来ない人の方が圧倒的に多い。だからこういう人を助ける制度、例えば脱税した会社の追徴金を、こういう人助けに回すとか、何か良い制度はないだろうか?

こう言った矛盾や、何が正義か考えながら、自分の中のベストな答えを出すしかない。ここまで考え、教育をせなばならんと思う。

少なくとも、人が人を捌く事が一番の矛盾である。

人間、そんなに偉くない。今回はなんとなく理不尽に思っていた事を、素直に書いてみた。

人生に答えはないが、意見があれば是非皆様のご感想を願う。




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