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漫画教育を考えよう

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漫画家をやりながら、漫画の専門学校の講師をしています。 大学の准教授をしたり 海外の漫画学校に教えに行ったりしてます。 その中で教育というのを、真面目に考えよう、もっといい教育は…
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#連載

連載漫画の作り方12 発表作と漫画家人生2

風まかせなら 「風まかせなら、じゃあどう生きれば良いのか?」っていうと、 ご立派な考え方はご立派な人たちに聞いて下さい。 ボクが言えるのは 「とにかく楽しくやっていこう」 って事です。そして 「できれば長くやっていこう」 とも言いたいです。 仕事ってのはそういうモノだと思っているからです。 ちょっと変わった例を すごく長くこのシリーズを書いてきましたが、最後に少し変わった例をお話しします。ある大手漫画編集者の例です。 そこの会社はやけに人事異動の多い会社です。もちろん、

連載漫画の作り方12 発表作と漫画家人生1

作品の保存は常に、丁寧に 長いことやっていく間に浮き沈みは当然あります。思い返すのも嫌な作品もあります。それでも原稿の整理はいつもちゃんとしておくといいでしょう。 今ならデジタルの人が多いのでアナログよりずっと生理は楽ではないでしょうか。 ボクの『笑え、ゼッフィーロ』の原稿はデジタル保存していますが連載を開始した当初から ファイル名 西風001 原稿ファイル 西風入稿001-0102 というふうにナンバリングして保存していました。「連載一回目のファイルで、連載一回目の入稿原

連載漫画の作り方10 体力と志3

漫画家の体力とは 大ベテランのH先生は今年デビュー55周年でいま連載してる漫画は35年目。近頃では、歩く歩幅も狭くスピードそのものが遅い。それでも月二回の連載を落とさず続けている。クオリティも落としていない。 「漫画家の体力」ってのは漫画を描く体力を言います。結構高齢になっても漫画描いてらっしゃる方がいるのは、この体力はかなり長いこと維持できると言うことなんでしょう。昨夏突如現れた生成系AIがもう少し高性能、使い勝手が良くなればもっと長く保つかも知れません。現状では個人のカ

連載漫画の作り方9 体力と志2

志の2回目 前回、とってももっともらしい事を書きました。 しかし、ボクの本音ってのは まぁなるようになりますって です。顔を下げて生きることもないですが、鼻息を荒くしても特にそれでどうにかなるとは思えません。 例えば「次までに20ページのネームを描いてきて」って言われて 「やる気が溢れたので60ページのネーム作りました!」 って参上しても「いや、あの、それ、違……」というオチは見えてます。 適宜頑張る・十分以上頑張らない ってのをボクは志として大切にしています。 ここまでボ

連載漫画の作り方8 体力と志1

まず志のこと 「漫画がこの世にないと本当に困る」 って人はどのくらいいるものでしょうか?ボクの勤務してる専門学校にはね、 「あなたがいなければ生まれなかった夢がある」(とかなんとか。あんまり正確に覚えていない) という標語がエレベータの中に掲げてあります。会長が作った言葉だったとか。ボクはどれを見るたびに 「大丈夫だよ。あなたがいなくても誰かの夢が替わってくれるから」 と思います。そんなもんです、漫画家って。自虐的ではなく。 大きな書店の漫画コーナーに行ってみて下さい。恐ろ

連載漫画の作り方7 人間関係4

アシスタントとの人間関係 ところで、今でも「アシスタント」と言う人多いですかね? ボクはいつの頃からか「スタッフ」と呼ぶようになりました。仕事の内容は「漫画のアシスタント」なんですが。 潜水艦漫画で有名な小沢さとる先生は何十年も前から「クルー」と呼んでいたそうです。ちょっと気恥ずかしいがカッコいいかも。 アシスタントをお願いするときに大事なのは 仕事を頼んでる という気持ち。いや、これ回りくどく書きました。とにかく心得て欲しいのは ・あなたが好きで、あなたを尊敬して仕事に

連載漫画の作り方6 人間関係3

編集者と漫画の関係の築き方 web漫画の編集者の人がどうもこのページを読んでくれたみたいなので、編集者の方も含めてここからの話を描きます。自分で経験してきたこと(主に失敗してきたことですが)、実践例を踏まえて書いていきます。 漫画家としてキャリアが浅いと編集者が頼もしく見え、それが原因でハラスメントが起きる傾向があるという話を以前書きました。ハラスメントになってしまったら一番良いのはそこを逃げ出すことだとボクは思います。 しかし、漫画家が無策だとどこに行っても同じような状