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『アイデアがあふれ出す不思議な12の対話』


  クリエイティブな人になりたいと思っても、どうしたらいいのか分からない。
 クリエイティブであれと言われても、何から始めたらいいのか分からない。
 そんな普通の私たちに、クリエイティブという言葉の代わりに、アイデアという言葉を多用してみましょうという提案です。
 偉大な大発明ではなく、日常の不便を「ちょっとましにする」どこにでもある小さなアイデア。そのアイデアの一つ一つに「名前」をつけましょう。名前をつけることで、その小さなアイデアはレンガのように組み合わせることができる。組み合わされたアイデアにまた新しい名前をつけることもできる。人間の文明は全て、もともとは小さなアイデアの集合体です。
 味や匂いなど、言葉で表現しにくいものにも、名前をつけることでアイデアとして人から人へ、時空を超えて交易することが可能になります。音にドレミと名前をつけ、楽譜に書き落とすアイデアのおかげで音楽は飛躍的な発展を遂げることができたように。
 人種差別やセクハラのような現象は、太古の昔から存在していたはずだが、誰かがそれらの概念に名前をつけたことで、告発したり処罰したりできるようになって、より良い社会が実現できました。
 こんな調子で、どこにでもある小さな「ちょっとまし」に名前をつけてアイデアの引き出しを持っておくことで、何かをきっかけにそれらが組み合わさってスパークするかもよ、というお話です。
 バーでたまたま出会った男女が、一緒にお酒を飲みながら対話する形式で書かれているので、力を抜いて楽しみながら読める素敵な自己啓発本でした。

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