メディアの話143 ヒットはファンより先に概念がある。

「ファン」をつくるマーケティングの限界がある。

実際のヒットは、「ファン」がなくても、「概念」が瞬時に人々の心を動かすときに生まれる。

この「概念が瞬時に人の心を動かす」という要素が欠けたコンテンツは、「ファン」ができても「ヒット」にはならない。

「ファン」をつくる。

「概念が瞬時に人の心を動かす」。

この2つは、二項対立じゃなくって、違うレイヤーの話。どっちも満たしているとベスト。でも、「ヒット」を狙うときに「ファン」に寄りかかるのは悪手。

ちなみに「ファン」をつくることをそのまま「ビジネス」にする手はもちろんある。でも、そこで生まれたコンテンツがヒットするとは限らない。

たとえば、『ファクトフルネス』は、「概念が瞬時に人の心を動かす」だけで100万部に到達しようとしている。

『ファクトフルネス』は、個人的にとても不思議なポイントがあって、あれだけ有用な視点を持っていながら、「応用しよう」という人があまり見当たらない。アメリカにおける分断、中国における弾圧、日本におけるコロナ問題。ファクトフルネスの視座をつかって、二項対立じゃない解明法は提示できるはずなのに、案外されていない。

つまり『ファクトフルネス』は現時点において、私のような「ファン」(ロスリングの大ファンです)が、案外いない。これ、なぜでしょうね、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?