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Eurovision 2024で気になるアーティストまとめ

はじめに

 2024年の音楽イベントシーズンがやってきました。毎年楽しみにしているEurovisionのセミファイナル進出アーティストが出そろったので、気になるアーティストをまとめました。

 挙げ続けたらキリがないので、出場する37曲の内からFirst/Second Semi-Finalからそれぞれ5曲ずつ、合計10曲に絞りました。大変だった……!

 ここに取り上げたのは今時点での私の気になる楽曲で、書き切れなかった曲もたくさんあります。
 そして何より、私は出場する全てのアーティストと彼らの音楽に敬意を持って楽しんでいるという点をご了承頂いた上で、この音楽まとめをお楽しみ頂ければ幸いです。

 ちなみにEurovision 2024の日程はJST 2024/5/8(水) 4:00 ~ 2024/5/11(土)。会場はスウェーデンのMalmöです。当日は、早起きして公式YouTubeチャンネルの前で音楽と握手!

 出場楽曲を聴きたい方は、こちらのアルバムもどうぞ👇


※以下、国/アーティスト名 "楽曲名"で、そちらの表記にEurovision2024公式ページのリンクを貼ってあります。掲載順は公式プレイリスト準拠。

※2024/5/8追記:First Semi-Finalのパフォーマンス動画のリンクを載せました。軽く感想を書いている楽曲もあります。また、その他印象的だったパフォーマンスも追記しています。(ネタバレ防止のため、予選の結果については記載していません)

※2024/5/10追記:Second First Semi-Finalについても、First Semi-Final同様の追記をしました。

※2024/5/11追記:オランダのみ予選結果に言及する公式発表があったので、リンクを貼りました。

First Semi-Final

 公式プレイリストはこちら👇

 当日のライブ配信アーカイブはこちら👇


セルビア/Teya Dora "Ramonda"

 2018年デビューのSSWで、2023年のシングル"Džanum"がTiktokでブレイクしたとか。
 エモーショナルな歌声が力強くしっとり聴かせてくれる楽曲で、きっとステージで見たら召されてしまうんだろうな……。こういう歌うま系バラードでEurovisionを戦うのは難しいかもしれませんが、同じく歌うま系と言えば2023年の優勝・スウェーデン代表Loreenの例もあります。活躍が楽しみですね。


ウクライナ/Alyona Alyona & Jerry Heil "Teresa & Maria"

 ウクライナのラッパー/SSWのAlyona Alyona(ニューヨーク・タイムズ紙が「今大事な15人のヨーロッパのポップ・アーティスト」の1人に選出。)と、SSW/YouTuberのJerry Heilによるユニット。
 Jerry Heilの低音から高音まで自由自在に歌いこなす導入から始まったので、歌うま系の2人組なのかな? と聴いていたら、ラップが入って来てびっくりしました。バランスが良く、かなり格好いいユニットですね。

 First Semi-Finalでは演出がぐっと神々しくなって、楽曲に深みが増しました。火の玉が落ちて来る場面や、最後に見えた女性たちが寝転がっている映像など、聴きながら涙腺に来る演出が大変多かったです。本当に……ありがとう……。


フィンランド/Windows95man "No Rules!"

 こんなパフォーマンス見せられたら、応援せずにはいられない……! とんでもないインパクトで私を(いや世界中の人を)虜にしたのが、Windows95manとボーカルPiispanenの楽曲。
 いや、その、曲だけ聴くと2023年のフィンランド代表Käärijäの"Cha Cha Cha"に似た系統の楽曲だってわかるんですが(実際、Käärijäのオープニングアクトも務めたことがあるとか)、パフォーマンスが、その……。
 好きですね。彼らを代表に選んでくれてありがとうフィンランド。

 本番直前のムービーで爽やかな笑顔を見せていたのにこれだよ。真面目な予選の舞台で、最高に馬鹿馬鹿しいことを大人が全力でやっているのを見るのは大変良いものです。本人たちはもちろん、カメラワークやダンサー総動員なの本当に笑ってしまいました。曲は普通にいいポップなエレクトロニカなんだよな……。優勝して欲しいな……。


スウェーデン/Marcus & Martinus "Unforgettable"

 ノルウェー出身の双子によるダンス・ポップ・デュオ、Eurovision 2024の開催国・スウェーデン代表として出場。
 曲調がかなり親しみやすいポップスなので、初見の観客が多い会場でも盛り上がるんじゃないかと思っています。キャッチ―な曲調もいい感じです。双子というインパクトもあるので、覚えてもらいやすそうな2人。
(スウェーデンは2023年の優勝国なので、First Semi-Finalでは幕間の出場。)


オーストラリア/Electric Fields "One Milkali (One Blood)"

 2015年結成のエレクトロニック・ミュージック・デュオで、エレクトリック・ソウル・ミュージックとアボリジニの文化を融合させた楽曲が特徴。出場曲も、英語とYankunytjatjara(アボリジニの言語)で歌唱されています。アボリジニの言語がユーロヴィジョンのステージで歌われるのは初めてだとか。歴史的瞬間に立ち会えるのも嬉しいこと。
 私はディジュリドゥ(アボリジニが使っている楽器)のアルバムを持っているんですが、こんな風にエレクトロニカでアボリジニの文化に触れたのは初めてなので、かなり興味深いです。

 ディジュリドゥをEurovisionのステージで見られてかなり感動しました。美しいステージだったなあ。

 

 また、上記以外にも印象的だったパフォーマンスがあったのでこちらもご紹介します。

 MVが酪農×メタルみたいな雰囲気でかなりインパクトがあった、クロアチア代表のBaby Lasagna。ライブでもその世界観を再現していました。

 ポストカードでギャルみたいにきゃっきゃした自撮りをしている姿とは一転、とんでもなくパワフルな歌唱を聴かせてくれたドイツ代表のIsaak。

 高い歌唱力を悠々と使いこなす、明るい雰囲気のアイスランド代表、Hera Björk。パフォーマンスを見ていて楽しい気持ちにさせてくれました。

 私はポルトガルでの音楽の楽しい思い出があるので、どうしても推してしまうポルトガル代表のIolanda。幻想的で美しいパフォーマンスでした。


Second Semi-Final

 公式プレイリストはこちら👇

 当日のライブ配信アーカイブはこちら👇


アルバニア/Besa "Titan"

 2009年にEurovisionルーマニア予選に出場し準決勝まで進んだことのあるシンガーで、アルバニアではテレビ番組"The Voice of Albania"の審査員を務めているとか。
 なんて言うかもう、純粋に力強い歌声が好きです。ライブでこの歌が聴けるのはかなり楽しみ。ステージ演出も含めてどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、今からワクワクしています。


スイス/Nemo "The Code"

 現在はベルリン拠点、スイス出身のラッパー・シンガー。なんとなく見た目は2023年のスイス代表Remo Forrerに似てるなと思いましたが、楽曲は違う方向性。ラップ、ドラムンベース、オペラ……と様々なジャンルを思わせる曲調ながらも、それら全部を自分のものとして自由自在に使いこなしている印象です。
 この"The Code"はNemoにとって「自分が男女どちらでもないと気づいて始めた旅について書いたもの」とのことで、大事な楽曲でEurovisionのステージに立つというのはNemo自身にとっても感慨深い経験になるんだろうなと思っています。

 一曲でオペラもポップスもラップもやるすごい人だとは思っていましたが、あんな不安定な場所でそのハイトーンが出るの……? と度肝を抜かれました。ピンクのふわふわトップスとスカートという衣装も、彼らしくて印象的。


チェコ/Aiko "Pedestal"

 イギリスのブライトンを拠点とするSSWで、本名はAlena Shirmanova-Kostebelova。タイムズ・スクエアのスクリーンに登場した最初のチェコ人アーティストであり、Spotify Equalキャンペーンに参加した最初のチェコ人女性とのことで、時代の最先端にいる人なんですね。
 力強い歌声が格好良くて惚れ惚れしてしまいます。エンパワーメントしてくれる曲とはまさにこのこと。

 もう……紹介映像(ポストカード)から格好よすぎて惚れた(下の動画だと歌唱パートしかないのですが、本編だと歌う前にポストカードがあります)。パフォーマンスもクールだけど情熱的で、本当に大好き。ありがとう……。


ラトビア/Dons "Hollow"

 私のEurovision2023でのイチオシは、ラトビアのSudden Lights "Aijā"でした。今年のラトビアも私のツボを突いて来る、切なくもエモーショナルで力強い楽曲。ラトビアが徒歩5分にある地域に生まれたかった……。
 Donsは2003年にリアリティ番組"Talantu Fabrika"に出演してキャリアをスタートさせたベテラン。2021年にはユニバーサルミュージックと契約していて、2024年8月にはアルバムがリリースされるとか。Eurovisionで盛り上がった後に出るアルバム、期待が高まります。


オランダ/Joost Klein "Europapa"

 ヒップホップアーティストであり元YouTuber。本作は「自分自身を見つけ、自分の物語を語るためにヨーロッパ中(そして世界中)を旅する孤児の物語」であり、「父へのオマージュ」とのこと。(彼は12歳で父と、13歳で母と死別しているそうです。)
 そうした背景がありながら、MVはオランダという国を戯画的に描き、なぜか日本の女子高校生風のダンサーまで登場するというどこかカオスでシュールな世界観。お父さん、天国でニコニコして見ているかもしれませんね。

 MV同様のコミカルでポップな世界観のステージで、お父さんのことを歌っているというのが本当にいいですね。愛を感じるし、シュールさもあって好きです。キーボードに青い鳥がいたのを私は見逃しませんでしたよ。
「お前が誰なのか、どこから来たのかは気にしない。今この瞬間ここにいる!!」ってテンションの間奏のセリフ、最後にお父さんのことを母国語でつぶやく演出も素敵でした。私には見えませんでしたが、天国のお父さんも一緒に踊っていたことでしょう。

※決勝戦不参加が決定しました。公式発表は以下。

https://eurovision.tv/mediacentre/release/statement-dutch-participation-eurovision-song-contest


 また、上記以外にも印象的だったパフォーマンスがあったのでこちらもご紹介します。

 まずは幕間で登場したフランス代表・Slimane。
 自分の方を向いていたカメラを回して、きらきら光る客席を見せてくれた演出が本当に綺麗でした。「美しいものを見せてくれてありがとう……」と感極まっていた直後に、マイクからかなり離れての大サビ歌唱は痺れました。正直に言うと泣きました。優勝しそうなオーラさえ感じたくらいです。圧倒的歌唱力……。

 次はエストニア代表・5miinust & Puuluup。ぜひポストカードから見て頂きたいので、本編アーカイブのリンクを貼ります(時間指定してあります)。
 コワモテなお兄さんたちがグラフティだらけの道端でマシュマロ焼いて食べて「わー!」って走り出すムービーがもうツボ。
 そこからの、ポップな曲調で雄々しく歌い、最終的にエアロビダンスに持って行く流れが大変好みでした。振り付け覚えて一緒に踊りたい! 小さい弦楽器(北欧の珍しい木製の竪琴「タルハルパ」)とサングラスの組み合わせもなんだか絶妙。会場の盛り上がりもかなりのようでしたし、見ていて楽しかったです。

 曲だけの動画はこちら👇ご覧の通りのコワモテで楽しそうなみなさん。曲調も見た目も違うんですが、2022年ノルウェー代表・Subwoolferに通じるテンションを感じました。


 そして、Second Semi-Finalは投票時間のパフォーマンスも興味深かったです。特に、「サウナとフィンランドデザインの両方を託されて踊るムーミン」からの「2023年の愛されNo.1 Käärijä」という流れは心躍りました。ムーミンとEurovisionが好きでよかったー!
 こちらのリンクで該当箇所に飛べます👇



おわりに

 2024年も気になる楽曲だらけ、Eurovision 2024の開催が待ち遠しいです。開催までのお供に、私がこれまでにEurovisionではしゃいで来た思い出エッセイを含むマガジンをどうぞ。Eurovisionについては、2022年からエッセイを書いています。懐かしみながらお楽しみ下さい。

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 最新情報は公式からの発表にてご確認下さい。


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© 2024 Aki Yamukai

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