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〈2024年5月〉今月のかっこいい音楽詰め合わせ

 2024年5月に聴いた61枚のアルバム(期間外のリリースも含む)の中から、特に好きだと思ったアルバムをご紹介します。
 人生においてお耳のお供はあればあるだけ良いものですから、この機会にぜひ覗いて聴いてみて下さい。


Kamasi Washington / Fearless Movement

 LA出身のサックス奏者で、現代のジャズを語るならなくてはならない存在の一人。Flying LotusやThundercat、Kendrick Lamarといった才能の塊に愛される才能の塊……。
 本作は、娘さんが初めて弾いたピアノの音なんかも使った一枚になっていて、聴いていると思わず体が動いてしまう迫力や熱を感じます。

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Mdou Moctar / Funeral for Justice

 ニジェール共和国出身のギタリスト、“砂漠のジミヘン”なんて異名もあることでお馴染み。Coachella2024で初めて彼の演奏を聴いた方も多いのでは。本作も相変わらずのサイケでロックなギターが聴ける、かっこういい一枚です。
 以前こちらのエッセイでも取り上げました👇

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Sia / Reasonable Woman

 オーストラリアのSSW、Siaの8年ぶり10枚目のスタジオ・アルバム。Kylie MinogueやChaka Khan、Paris Hiltonといった豪華コラボレーションも聴きどころ。シリアスな声色や訴えかけるようなメロディラインの魅力は健在。Siaの音楽でしか得られないものが確かにある……。ありがとう……。

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Charlotte Day Wilson / Cyan Blue

 トロントのSSW/プロデューサー/マルチ・インストゥルメンタリストとして活躍する人で、BADBADNOTGOOD(彼女と同じくトロント出身)やSG Lewisともコラボ経験ありの実力派。
 美しく掠れるボーカルと、ゆったりとしたムード満載のメロディーが本当によい。初夏の暑さをふと忘れさせてくれるアルバムです。

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Jordan Rakei / The Loop

 ロンドンのSSWで、才能の塊FKJや才能の塊Tom Mischともコラボ経験がある才能の塊。本作はNinja Tuneからの移籍後初のリリースで、自身が父になった経験が反映されたアルバムだとか。移籍やプライベートでの変化がサウンドにも出てるのか、これまでのイメージと少し違う壮大なストリングスが印象的。そしてそれがとっても彼らしい音で安心した。

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How To Dress Well / I Am Toward You

 ベルリン拠点のSSWで、ファルセットボイスとアンビエント・エレクトロニカが最高に美しい一枚。でも、この音色で歌っているのは現代の言いようもない苦しみとか、世代間・人類間のトラウマとか、結構重たい内容なんだとか。

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Villagers / That Golden Time

 ダブリン出身のフォーク・ロック・バンドで、本作にはアイルランドの伝説的ブズーキ奏者Donal Lunnyも参加。ずっと聴いていたくなる、穏やかで美しい音色のアルバム。個人的には、ポルトガルのCD屋さんで紹介してもらったAlexander Search(Eurovision2017ポルトガル代表、Salvador Sobralがボーカルのバンド)っぽさを感じました。

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V.A / I Saw the TV Glow (Original Soundtrack)

 2024年5月公開、A24配給の青春サイコロジカルホラー映画『I SAW THE TV GLOW』のサウンドトラック。べらぼうに参加メンバーがとんでもなくて、FloristBartees StrangeJay SomThe Weather StationPhoebe BridgersSnail Mailと一部を挙げただけでも豪華さをお分かり頂けるのでは。「今のかっこいい音楽を知りたい」と思う人にはお勧めの一枚。

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Youbet / Way to Be

 Nick Llobetを中心としたブルックリンのPJT。曲作りを諦めようとした時、偶然Patti Smithと電車で会ったことがきっかけで復活。このPJTを始めたとか。どこか斜に構えた雰囲気のボーカルに、どこか親近感を覚えるインディー・フォーク・ロック。好きですね。

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Ghostly Kisses / Darkroom

 ケベック拠点のSSW、Margaux Sauvéによるソロ名義。来日公演も果たした彼女の楽曲は、とにかく幽玄でとても美しい。本作もこれまで通りの魅力たっぷり、且つこのアルバムでGhostly Kissesを始めて聴く人の耳にも馴染みやすい光と闇の立体感がある。とても好きです。

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Crumb / Amama

 NYブルックリンのサイケポップ・バンド、本作は3年ぶりのリリース。私は本作で初めて聴いたバンドです。携帯電話での録音、祖母の声のサンプリングなど遊び心があるのに、どこか浮世離れした風合いに感じる面白いアルバム。

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Billie Eilish / Hit Me Hard and Soft

 もしかしたら私、本作で初めてBillie Eilishのアルバムをちゃんと聴いたのかもしれません。"Hit Me Hard and Soft"は3rdなんだとか。まだ3枚目だったの……。
 このアルバムは想像していた”Billie Eilishのアルバム”よりもずっと聴きやすく感じました。だけどちゃんとジャケ写通りの”暗い水に沈んで行くような雰囲気”を味わえる、まさに現代のポップス。先行リリースなしでリリースされただけあって、アルバム全体としての曲の流れ・つながりも◎

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Mui Zyu / Nothing or Something to Die For

 インディー・ロック・トリオ、Dama ScoutのボーカルEva LiuによるソロPJT。ちょっと不気味で可愛いおもちゃ箱、だけど癒される浮遊感もあるエクスペリメンタルポップ。一度聴いたら癖になるタイプです。

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Wallows / Model

 アメリカ人俳優Dylan Minnette(Netflix「13の理由」でお馴染み)が所属する、幼馴染で結成された3ピースバンド。本作は3rdで、私はこのアルバムが今のところ一番好き。
 王道なインディー・ロック、ローファイサウンド、ダンスポップを混ぜ合わせた”Wallowsの音”が聴けるアルバム。こういうバンドサウンドだと、最近は60-90年代風に寄せてしまいがちな傾向があるけど、ちゃんと”自分たちらしさ”で音を作ってるなあと嬉しくなった。今年Frikoにグッと来た人にもお勧めしたい一枚。

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mary in the junkyard / this old house

 サウス・ロンドン拠点のトリオ、デビューEP。英 Dazedに“怒りと泣きのカオス・ロック”と評されたのも納得の、物悲しさと激しさ、静寂とカオスを内包したバンド。
 収録されているのは4曲だけなんだけど、平均するとだいたい4分間の楽曲ということもあるし、音の厚み・軽やかな重厚感のおかげもあってとても聴きごたえがある。フルレングスがどんな感じになるのか楽しみ。

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matryoshka / Laideronnette (2012)

 日本の男女2人によるエレクトロニカ・ポストロック・ユニット。こちらは2ndで、2024/5/15にアナログ盤がリリースされたとか。
 退廃的で物悲しく美しいアンビエントが夜に似合う傑作。雪降って来て綺麗だなあと思ってよく見たら、周りのコンクリート造のビルが崩れて行く破片や塵でした……みたいな光景が思い浮かぶ。美しい衰退とその先の創造といった雰囲気で、人気ゲームNieR Replicant/GestaltNieR:Automataの音楽が大好きな人にはかなりおすすめしたい一枚。

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Shaboozey / Where I’ve Been, Isn’t Where I’m Going

 Beyoncéの“Cowboy Carter”にフューチャリングされている、新進気鋭のSSW。喉全体を鳴らす低音強めなボーカルはR&Bやヒップホップっぽく、楽曲の曲調はブルースやフォーク、カントリーっぽい。この組み合わせがとてもよくて、体にしみじみしみ入るいいアルバム。

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 2024年5月もいい音楽たくさんでした。国内外問わず、夏の音楽フェスについての話題が出て盛り上がって来た今日この頃。来月からも、いい音楽を楽しみに生きていきましょ。


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先月聴いたアルバムはこちら。

矢向の2023年ベストアルバム10選 AOTY2023 はこちら。

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© 2024 Aki Yamukai


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