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#テレビドラマ感想文 「直ちゃんは小学三年生」&「直ちゃんは小学五年生」

昨年「直ちゃんは小学三年生」というドラマを視聴して、先月、続編の「直ちゃんは小学五年生」というスペシャルドラマも視聴した。続編は二年後の夏休みが全2話で描かれた。

このドラマは、小学三年生の直ちゃんが主人公で、小学生役は全て大人の俳優が演じている異色のドラマだ。

大人が子供を演じている光景に、最初は「え?どういうこと?」と思ったけれど、すぐに馴染んてしまった。ずるさやおバカさも描かれていて、それがより一層子供らしさを引き立たせていて面白い。

けれど、決して本物の小学生のように感じているわけではなかった。舞台で役者が実年齢とかけ離れた役をやっても違和感なく感情移入するのとは違う。子どもというシチュエーションは受け入れているのだけれど、大人が演じている小学生として見えているのは確かなのだ。

あの感覚はなんだろう?と改めて考えてみた。そしてこう思った。
これは、大人から見た小学三年生の姿なのだと。
だから、俳優の演技には違和感がなく、その世界に入り込めはするものの、子供の話であって子供の話ではないように映っていたのだ。

更に、大人が現代の子供を描いているのではなく、大人が自分の子供時代を振り返って、その頃の子供の姿を描いていると私は思った。
子どもの時ってさ、こういう純粋さとか、ずるさとか、バカさ加減があったよね、ということを誇張して描いている。みたいな感じだ。

直ちゃんをとりまく世界は、駄菓子屋、虫とり網、鬼ごっこ、秘密基地と昭和感がある。Suicaらしき電子マネーも出てくるので、一応現代が舞台なのだろうけれど、雰囲気が昭和っぽい。昭和の終わりの方くらいをモデルにしているのではないかと推測する。
作り手は、まだ昭和感の残る子供時代を過ごした人かもしれない。あるいは、視聴者が大人であるということを考えてわざとそのように創作したのではないだろうか。

なぜこのドラマが面白かったのかというと、演じていたのが大人だったからだと思った。
これが子役が演じていたら全く別物になってしまう。笑えないかもしれない。おバカっぷりも大人が演じるから面白いのだ。

「直ちゃんは小学三年生」「直ちゃんは小学五年生」は、何とも不思議な感覚で楽しめる個性的なドラマだ。続編でまた直ちゃんワールドを楽しめて良かった。

<© 2022 犬のしっぽヤモリの手 この記事は著作権によって守られています>

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