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神様と小さな森の天使たち。

教会からハイウェイを挟んだ向かいの小さな森に

いくつかのテントが、ぽつりぽつりとありました。

その森では神様の目を盗んで、天使たちがおやつをもぐもぐ食べたり、

お昼寝をしたり、目の前を通る車に手を振ったりしていました。

そうこうしているうちに、神様は彼らの事をうっかり忘れてしまいました。

There were some tents in the small forest across the highway from the church.
In the forest, the angels ate snacks, took a nap, and waved to cars passing in front of them behind God’s back.
In the meantime, God inadvertently forgot about them.

教会とハイウェイ

少しばかりのエッセイと解説:

シアトルに滞在していた時に、散歩の途中によく通っていた道を

モチーフに書いた小さなお話です。

実際に教会からハイウェイを挟んだ向かいの小さな森にいたのは、

テントで暮らすホームレスの人々でした。

目に見えるすぐ近くの場所に教会があるけれど、

(恐らく)食べるものや生活に必要な色々なものを

手にするのに大変な思いをしているのであろう人々が、

野外でテントで暮らしている光景を見て、

それを上手く言葉にできなかったので、このお話を書きました。

シアトルは、お気に入りのアーティストDeath Cab For Cutie出身の街で

彼らの曲の中でもお気に入りのCrooked Teethという曲に、

And you can't find nothing at all                                                                          If there was nothing there all along                                                              There were churches , theme parks and malls                                              There was nothing there all along

という歌詞が書かれているのですが、

この部分を聴く度にシアトルで雪の降った次の日、

教会からハイウェイを挟む橋の上から見た

小さな森、教会、真下のハイウェイを走る車、

遠くに見えるダウンタウンの景色、冷たい空気、

薄い雲に覆われた横に広い空を思い出します。

何でこんな薄い青みがかっていて、

なおかつ乾いたメランコリーな音が鳴らせるのか?

長年の不思議は音楽の旅で触れた街の空気で

一瞬にして、

それがどこにあるのか分からないけれど

確実にどこかにある感覚で理解できました。

いくつかの国を巡った音楽の旅のお話は色々ありますが、

それはまた別の機会に書くと思います。




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