ラーメン屋の話

ラーメン屋に行くのが趣味である。自宅の周りにある有名どころは大体2年ほどかけて回り切り、隣町のラーメン屋でも噂を聞けば居ても立っても居られなくなり、ついつい足を延ばしてしまう。魚介、豚骨、博多、家系、喜多方……簡単にカテゴライズするだけでも多くの種類が上がり、同じ味の店は一つとしてない。ラーメン屋と言うのは書くも魅力的で個性的なのである。

ラーメンの魅力についてはここで語りつくすには勿体ないので、違った視点からの話をしよう。ラーメン屋の裏の顔、サイドメニューについての話である。

ラーメン屋のサイドメニューというのは中々に侮りがたい。ド定番の餃子は勿論、炒飯やちょっとした丼ものなんかは店によって色が出るので食い比べが捗るのだ。ラーメントッピングとして普段は乗っかってくる類の味が染みた肉を、米をたっぷりよそったどんぶりの上に乗せる。想像しただけでも涎が垂れてくるが、コイツは間違いなく旨いのである。熱いラーメンへ、チャーシュー丼を添えてやれば大の男であっても幸福な満腹感に包まれること請け合いである。

ラーメン屋のラーメンを自宅で再現するのは困難だが、チャーシュー丼程度であれば妥協しつつ再現は出来る。その辺のスーパーで売っている、トッピング用のチャーシューを使うのだ。

買ってきたチャーシューの封を切り、一口大に切っておく。もしも煮汁が一緒に入れられているタイプであれば、この煮汁は取っておくこと。旨味がたっぷり含まれた煮汁があればベストだが、無ければフライパンか片手鍋へ醤油とみりんを1:1で加えて汁を作る。ここへ先ほど切ったチャーシューを入れてひと煮たちさせてやれば、チャーシューに染みた味が汁へと染み出し、ぐっと旨味が増す。
軽く洗った長ネギを白髪ねぎへと切る。そのままだと生のネギには辛みが残っているので、軽く水に晒してやるといい。これを先ほどのチャーシューと汁に絡めてやればチャーシュー丼の具は完成である。
どんぶりでもお茶碗でも、よそった熱々ごはんへこの具をのせてやり上から汁をお好みの量で。簡単チャーシュー丼の完成である。

単品でもラーメンに添えてでも。チャーシューへ染みた旨味と米の組み合わせは抜群である。また、察しが良い酒飲み諸兄は気づかれているだろうが、チャーシューと白髪ねぎの組み合わせはつまみにも最適だ。皿へもってやれば立派なつまみへと早変わり、塩気と肉を摘まみに一杯やればちょっとした居酒屋気分である。


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